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2007中欧3ヶ国の旅 ブログトップ
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ヴィシェフラドへ [2007中欧3ヶ国の旅]

2日目。午前7時過ぎに目覚めた私は、すぐさま外へ。
そして、またまたヴァーツラフ広場に向って歩いてゆく。
こんな早朝から、どこぞヘ行くのか。
無論、美術館、博物館の類はまだオープンしてはいない。

プラハという美しい街は、ミュージアムがオープンしていない時間帯であっても、
街をふらふら歩いているだけで多様な建築様式の建築物に出くわすことが出来るから、
もうただ街を歩いているだけで、新たなる発見がある。
だから、それでも良いのだけれど、私には明確な目的地があったのだった。

私の取材2日目最初の目的地はヴィシェフラドである。
ヴィシェフラドとは古城があった跡ということであるが、今やどこが城の跡であるのか判然としない。
ちなみに、スメタナの交響詩「我が祖国」は第2楽章の「モルダウ」がよく知られているが、
第1楽章が「ヴィシェフラド」というタイトルである。
私は5年前もこのヴィシェフラドを訪れたのだった。

なんで、早朝から既に訪れたことのあるヴィシェフラドを目指すのか。
それは、ここにはヴィシェフラド墓地があり、午前8時から開いているからに他ならない。
このヴィシェフラド墓地はチェコの偉人が多数眠るところなのである。
2日目はまず、ヴィシェフラド墓地でチェコの要人と何人か会見できたら。という計画なのだった。

ヴァーツラフ広場の国立博物館前、Museum駅から地下鉄C線で2駅。Vysehrad駅で下車する。
改札を抜け、ヴィシェフラド墓地を目指すが、
このようなところへ早朝から行く奇特な人間は私だけだからなのか、
Vysehradに向う人の姿は皆無なのであった。

てくてく歩いてゆくと、2本の尖塔を持つゴシック様式の教会が見えてきた。
5年前の夕刻、この教会の鐘の音が「モルダウ」の旋律を鳴らしていたことを想い出す。
♪ボヘミアの河よモルダウよ。我が故郷を流れゆく。
中学生の時、そんな日本語歌詞が付けられたこの曲をクラスで合唱したものだ。

ヴィシェフラド墓地はこの教会に隣接しているのである。
私がこれまで数多の墓地を訪れてきたが、その中では、割合小さい墓地であると言っていい。
だから、さほど捜す苦労をせずにチェコの偉人たちに会えちゃうところなのである。
どんな人たち会って来たのかは、また次回なりー。

スメタナ:わが祖国

スメタナ:わが祖国

  • アーティスト: クーベリック(ラファエル), チェコ・フィルハーモニー管弦楽団, スメタナ
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2004/12/22
  • メディア: CD


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カレル橋に到達 [2007中欧3ヶ国の旅]

フランツ・カフカとの会見を果たした私はヴルタヴァ河畔に地下鉄で移動。
ユダヤ人墓地があったZelivskeho 駅から6駅。Staromestska 駅で下車である。
ここで下車し、念願のカレル橋通過を達成してやろうという計画なのである。


Staromestska 駅。だから、このメタリックな感じがいいんだよなあ。

が、Zelivskeho 駅で下車するや、コンサートのことが頭をもたげ始めた。
コンサートとは何のことか。それは演奏会のことである。いや、そんなことは知れている。
プラハはウィーンに劣らぬ音楽の都なのである。コンサートもぜひ行ってみたい。
いや、この時点でウィーンに訪れていない私。「劣らぬ」などと断言できないではないか。

しかし、プラハでは毎日どこかで、しかも複数の場所で同時多発的にコンサートが行われるので、
そのコンサートを私はとても楽しみにしていたのだ。
このようなコンサートは、事前に予約なぞせずとも気軽に鑑賞することが出来る。
今日はどんなコンサートがあるのやら。

さて、時刻は午前10時をまわっていた。
確実に動き始めていたプラハの街をちょいと歩くと「芸術家の家」と呼ばれる建物の前に出た。
確か、この建物の中には複数のコンサート・ホールが存在するはずである。
私が所有するクラシックの盤にも「芸術家の家」で録音されたものが何枚かある。


「芸術家の家」の前に立つドヴォルジャーク像

そして「芸術家の家」の前では、兄ちゃんがチケットを売る準備をしていた。
近くに置かれていたビラを見ると「GERSHWIN」とある。
ガーシュウイン?モーツァルトやドヴォルジャークではなくガーシュウイン?
プラハでガーシュウインの名に出くわすとは意外であったが、とりあえずビラだけはもらっておいた。


コンサートのビラ

チケットを購入することはせず、そのままカレル橋に向う私。
石畳の凸凹の道を歩く足は早くも疲弊を始めているようだったが、
そんな私の前にカレル橋のたもとに聳え立つ塔が出現。
嗚呼!5年前。私はこの地点までは来た。だが、橋に足を踏み入れることはできなかった。


旧市街側に立つ橋塔

それが、今、私の眼前には人間が自由に橋を往来する光景が広がっている!!!
私は一歩一歩踏みしめながら橋に接近していった
そして、私は遂にカレル橋に記念すべき一歩を印したのだった。

ここでは、そぞろ歩く人みなが幸せそうに見えた。
黙ってヴルタヴァの河流を眺める人、随意に写真撮影を楽しむ人、
橋上に出ている店でショッピングする人…。
私も国籍は知れないが英語が堪能である若い女性に写真撮影を依頼した。
彼女は褒めてくれた。私のことをではない。私のデジキャメのことをである。
あなたのデジキャメはディスプレイが大きくて見やすいよ。とのことだった。


カレル橋

このまま、橋を渡り、向こう岸に上陸。するとそこはマラー・ストラナという地区である。
このマラー・ストラナの高台に聳えるのがプラハ城。
プラハ城は前回も訪れてはいたが、やはりここは外せない。
プラハ城を目指そうとする私はふと時刻を見た。計時は午前11時数分前であった。

ぎょええ。ああ。今から旧市街広場の天文時計に行けば、
午前11時きっかしに時計のからくりが動き出すのではないの。
私はカレル橋を渡り終えることをせず、プラハ城は後回しにした。
からくりを見んがために、旧市街広場に小走りで向っていったのだった。

モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番

モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番

  • アーティスト: スメタナ四重奏団, モーツァルト
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2005/12/21
  • メディア: CD


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コンサート・ティケット [2007中欧3ヶ国の旅]

午前11時の作動に合わせ、旧市街広場の天文時計へ急いだ私。
カレル橋から旧市街広場までというのは、徒歩で十分到達可能な距離。しかも数分で。
即ち、小走りで旧市街広場へ向えば、午前11時のからくりの作動が目出度く見られるわけだ。

が、旧市街広場への小路というのは観光客でごった返していた。
決して広くない道幅の空間を様々な国籍の人間が土産店に出入りしていたり、
写真撮影を行っていたり、一方、地元の人間が稀にこの道を車で通行したりすることがある。
いやん。私は時刻を気にしつつ漸く旧市街広場、天文広場の前へ辿り着いた。


天文時計の記念切手(1978年発行)

天文時計周辺は観光客が集っていたので、私も彼らに習って天文時計を凝視した。
しかし次の瞬間、観光客たちはざわめきながらこの場を去ってゆくのに気づいた。
ぎゃん!!!!!午前11時のからくりの作動は終了したとみるのが妥当であった。


からくり作動終了直後の天文時計

何だかなあ。ま。まだまだプラハに滞在している時間はあるのだから、
いつかきっとタイミングよくからくりの作動に遭遇できるに違いない。
と、気を持ち直し、私が向ったのは「芸術家の家」の前。
どうも、ガーシュウインのコンサートが気になるのだった。


カフカの像。よく分からぬがカフカらしさを醸し出そうとする努力は感ぜられる。

ガーシュウインは好きな作曲家である。
ウディ・アレンの「マンハッタン」では「Rhapsody in Blue」がきわめて効果的に用いられていた。
私は「マンハッタン」のサントラを繰り返し聴くうちにガーシュウインの旋律の虜となったのだった。
プラハに来たからにはモーツァルトやドヴォルジャークの曲を聴きたいというのは自然だけれども、
ガーシュウインというのも面白そうだ。結局、今日はガーシュウインを聴くことにしようと決意。

「芸術家の家」の前へ再び行くと、最前、ティケット販売の準備をしていた兄ちゃんは、
今はもう準備万端といった風情で、冷たい強風が吹く中佇んでいた。
私はずんずん兄ちゃんに接近して、ティケットを要求した。
すると、「どっちのカテゴリィにしますか?」と訊かれた。

気軽に鑑賞できるコンサートではあるけれど、
このようなコンサートでも座席のランクというのは厳然と存在するのだった。
このコンサートの場合、800コルナ(日本円で4500円くらいか)のカテゴリィと、
700コルナ(日本円で4000円くらいか)のカテゴリィがあったと記憶する。
私は折角なので800コルナのティケットをゲット。
兄ちゃんはティケットに座席を記入した。どうやら前から2列目の良い席のようである。


今宵のティケット

ティケットを購入した私は、今宵の予定もこれで決定したことだし、
後はコンサート開始の午後6時までの時間、プラハのおちこちを闊歩する気満々なのであった。
まずは、30人の聖人が守護しているカレル橋に引き返し、今度こそ橋を通過。
マラー・ストラナ地区へ向い。プラハ城を目指すのだ!あはははははは!

マンハッタン

マンハッタン

  • アーティスト: ズービン・メータ, ニューヨーク・フィルハーモニック, サントラ
  • 出版社/メーカー: ソニーミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1993/04/21
  • メディア: CD


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