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宝覚寺 [2011台湾一周鉄道の旅]

2011年8月18日(木)、現地時間 午前8時54分、台中市内

歩道橋から
歩道橋から

台中公園を出て、のんびり歩いて20分。私は今、歩道橋の上にいる。
その歩道橋から、次に目指すポイントのランドマークががわずかに見えた。
いや、ランドマークという言い方は罰あたりか。私は大仏様にお目にかかろうとしているのだ。
歩道橋から金色に輝くその大仏様がほんの少しだけ見えたのである。
この大仏様があるのは宝覚寺というお寺さんである。
渡航前、台中で面白そうなところは無いかと下調べした際に、一番面白そうなのがここだった。

宝覚寺
宝覚寺

出ました!
大仏様出現

歩道橋を降りて、寺へ歩いて行くと、いよいよ大仏様のお姿が現れた。
町の中に忽然として出現する大仏様。周囲の街並みに不釣り合いのようで奇妙である。
さっそく境内に入り、大仏様の方へ歩いて行く。布袋様である。いい表情をしている。
いい表情をしているが、歴史的な重みは感じられない。これは最近作ったものではないだろうか?
台座に「民國六十二年」とある。これは西暦だと1973年で、確かに新しい大仏様のようである。
大きさは約30メートル。台湾で2番目に大きな大仏様ということである。

大仏様
大仏様

小さな布袋さん
こちらは小さな布袋さん

私は奈良の大仏を想いだしてみた。奈良の大仏はもっと迫力があったような気がする。
宝覚寺の大仏も30メートルとかなりの大きさだが、奈良の大仏はどれくらいの大きさだったろう?
調べてみると、なんと奈良の大仏は座高が約15メートルで宝覚寺の大仏の半分しかない。
宝覚寺の大仏は屋外、奈良の大仏は屋内であることが私の印象に影響しているのかもしれない。
大仏殿の中に鎮座しているからか、奈良の大仏はだいぶ威厳があったように記憶している。
といっても、私が奈良の大仏を訪れたのは中学生の頃のお話であるから、曖昧な記憶ではある。

いい表情をしている
いい表情をしている

宝覚寺の大仏を見ると、その柔和な表情も印象的だが、へそに開いた穴が気になるところである。
これは「窓」であるらしい。どうやら大仏の内部に入ることができるようである。
確かに、大仏の背中に回ってみると扉が設えられている。しかし、固く閉ざされたままだ。
どうやら今は中に入ることができないらしい。どういう理由で入れないのかはわからない。
背中にもたくさんの窓がある。これを見るとなんだかからだが痒くなってきそうである。
大仏様の背中を見上げる私のさらに背後を、おばさんがほうきで掃きながら通っていった…。

うしろ側

うしろ側

宝覚寺はこの大仏が名物ということになっているが、大仏様を拝んだだけで済ませたくない場所。
ここには、日本統治時代の台湾で亡くなった日本人の遺骨安置所があるのである。
また、第2次大戦中、日本軍として戦い戦死した台湾出身者の慰霊碑がある。
大仏のインパクトが強いが、ここは日本にとても縁のあるお寺でこういう面も忘れてはならない。
合掌して寺を出た。時刻は午前10時30分を過ぎたところであるが、もうだいぶ影が短い。
やっぱり南国である。とてもいい天気であるけれど、帽子でもかぶってくればよかったと思う。

追遠亭
追遠亭。戦死した台湾出身者を祀っているようだった

次の取材ポイントであるが、孔子廟というところに行ってみようと思う。
孔子廟は儒教の創始者である孔子とその弟子を祀る廟である。
台湾各地に孔子廟は存在している。日本にも長崎にあるし、湯島聖堂も孔子廟である。
ここ台中の孔子廟は、ガイドブックによると建築様式が宋代様式の珍しいものなのだそう。
ただし、建設されたのは1976年とここもまた歴史は浅い。
宝覚寺から台鐡台中駅方面に歩くこと10分程。台中の孔子廟に辿りついた。

象の像
宝覚寺にて、象の像

しかし足の裏が痛い…。移動手段が徒歩であると、当然、歩きやすいものを履かなければならない。
だのに、私はサンダルを履いてきてしまっているのであった…。
靴擦れならぬ「サンダル擦れ」である。足の裏に水膨れが兆している。これ完全に私の判断ミス。
飛行機内であればサンダルは重宝する。機内だと足がむくんでしまうから靴だと窮屈なのである。
だから私は機内ではサンダルをいつも履いているが、その感覚で街歩きをしてしまっていた…。
履きなれた靴も持ってきている。後で履き替えよう…。さて、足の裏は痛いが、孔子廟である。

台中市孔子廟

台中市孔子廟

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台中市孔子廟 [2011台湾一周鉄道の旅]

2011年8月18日(木)、現地時間 午前10時53分、台中市 孔子廟

大成門
大成門

やってきた孔子廟は竣工してから35年と歴史は浅いが、なかなかに壮麗なところで、
歴史的な重みはないのだが、その優美な外観から台中市内でも人気の観光地ということである。
正直、私もその外観に目を奪われ、この敷地内に入ってきてしまったのである。
肝心の孔子廟という施設の機能云々についてはわからぬままに入ってきてしまった…。
孔子というと「論語」が思い浮かぶが、これもちゃんと読んだことは無い。
小学生だろうか。子供たちが見学に来ていたが、ひょっとしたら彼らのほうが詳しいかもしれない。

孔子廟案内

置いてあった孔子廟案内

台中市の孔子廟は敷地面積23653.2平方メートルということである。
これをどういうわけかよく知られている単位「東京ドーム」で換算すると約0.5東京ドームとなる。
つまり、東京ドームの半分くらいの面積である。この種の施設にしては大きいのではないだろうか。
私は今、この孔子廟のほぼ中央に位置する「大成門」という門にいる。
この門をくぐって中庭の方に出ると、大きな太鼓と鐘が置いてあった。
これは「晉鼓」、「鏞鐘」と呼ばれるもので祭礼の際に使われるのだという。

太鼓と鐘
太鼓と鐘

門の先に孔子の位牌が祀られている「大成殿」がある。そこに至る「廡(ぶ)」と呼ばれる空間を歩く。
「廡」には孔子の弟子(先賢)や儒学者(先儒)が祀られていて、位牌がずらっと並んでいる。
祀られている人の名前を見ていくと、私でも知っている名がちらほらとあった。
「董仲舒」という名があり、これは世界史の授業で出てきたが、どんな業績を残した人物か忘れた。
もうひとり「杜子春」という名があった。杜子春といえば芥川龍之介の「杜子春」が思い浮かぶ。
この杜子春はその杜子春なのであろうか?解説板によると東漢(後漢)の時代の人らしい…。

位牌が並ぶ
孔子の弟子や儒学者の位牌が並ぶ

大成殿
大成殿

孔子の位牌が祀られている大成殿へ進む。黄色い瓦が灼熱の太陽を浴びてよく映えている。
大成殿内中央にある神棚には「明徳至善」という額が掲げられている。
聖人の徳を理解し、自己の品格を高めるという意味らしく、儒教の四書のひとつ「大學」からの出典。
台中の孔子廟で特徴的なのは孔子像がないことである。大成殿内にも像はなく、位牌があるのみ。
これは、学問の神様である孔子の前で失礼が無いようにということらしい。
最前訪れた台中公園には孔子像が建っていた。その前でおばさんの集団がダンスをしていたが…。

大成殿内部
大成殿内部

最後に大成殿の後方に位置する「崇聖祠」という孔子の先祖を祀る所を見学して外に出た。
廟の外に出ると、双十路二段という大通りで車やバイクがびゅんびゅん飛ばしている。
その大通りと壁一つ隔てただけだが、孔子廟内はやはり喧騒が感じられない特殊な空間であった。
そういえば、孔子廟内に教室があったのが印象に残っている。
廊下には時間割が掲示され、デッサン、油絵、伝統楽器など様々な講座が開講されている。
孔子廟は信仰の場所としてではなく、学習の場所としても機能しているようだった。

時間割

時間割

時刻はもうすぐ午前11時30分になろうとしている。少々早いが昼食をとることにした。
昼食をとる場所は予め決めておいた。孔子廟から大通りを挟んで向かいに位置するレストラン。
「台湾香蕉新楽園」というそのレストランは、凝ったレトロな内装があることで知られている。
ちなみに「香蕉」とはバナナのことですね…。
店先には青い客車が置いてある。プラットホームの雰囲気も再現され、急に懐かしい感じになる。
中に入ることができるようなので入ってみる。なんとも鉄道の旅らしい展開でわくわくする。

店先にある車両
店先にある車両

客車内は鉄道関連の品々が展示されていて、ちょっとした資料室のような趣きである。
印象的なのは「后里(こうり)←豊原(とよはら)→潭子(たんし)」と記された駅名標である。
ひらがなが振られていて、これは日本統治時代の駅名標なのだろうか?
しかし、調べてみると「后里駅」という名称は1955年以降のものらしく、戦後の駅名標なのか?
詳しいことはわからない。ただ、この指差している絵はユニークでなかなか面白いと思う。
ちょっとタイムスリップした気分になったところで、店内に入り食事をとることにした。

展示物
駅名標などが展示されていた

車両内
車両内
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台湾香蕉新楽園 [2011台湾一周鉄道の旅]

2011年8月18日(木)、現地時間 午前11時24分、台中市 台湾香蕉新楽園

台湾香蕉新楽園
台湾香蕉新楽園

レストラン「台湾香蕉新楽園」の中に入る。タイムスリップしたような空間が広がっている。
レストラン内部にレトロな町が再現されているのである。日本語の看板もちらほらある。
「三丁目の夕日」という映画があったけれど、そういう雰囲気である(時代はもっと前か)。
店員に案内され、窓側の席に着席。メニューを持ってきてくれた。日本語メニューがあるので安心。
このメニューがまた教科書を意識したようなデザインになっており、「やられた」と思った。
人気メニューの油淋去骨鶏と店員お勧めの猪油拌飯、あとはもちろん台湾啤酒を注文。

メニュー
教科書のようなメニュー

私の斜め前には3人の家族が食事をしている。鍋料理を食べていた。こんな真夏に鍋料理…。
しかし店内を見ると、他にも鍋料理を食している人たちが何人かあり少々驚いた。
そういえば、台湾のセブンイレブンでは必ず「関東煮」、おでんのコーナーがあったのだった。
真夏でもおでんのコーナーは人気のようで、容器を持った人がうろうろしていた。
あえて暑いときに熱いものを食べる人はもちろんいるだろうが、私には無理である。
そんなことをすると汗だらだらになって食事どころではなくなってしまう。

レトロなポスター

レトロなポスター

さて、店内を観察していると、先ほどオーダーをした際の店員がテーブルに近づいてきた。
店員は英語で私に語りかけてくる。私のリスニング能力で聞き取れることは限られている。
その限られた能力で私は「涼しい座席に移動しませんか?」と聞き取った。
確かに、今座しているこの席は窓側で日差しが強い。暑いし眩しいのである。
ここは彼の好意に応え、伝票を持って座席を移動することにした。
でも、その強い日差しの窓側の席で鍋料理を食べている家族はどうなのであろうか。

台湾啤酒
台湾啤酒

台湾啤酒が出てきた。かわいらしい台湾啤酒のグラスとともに。栓抜きはなぜかキリンビール。
さっそく開けて一献。暑い中歩いてきたこともあり、とても沁みる。うまい。
いい気分になっているところに、程なく、油淋去骨鶏と猪油拌飯が「どうぞ」と運ばれてきた。
油淋去骨鶏は皮がパリッとしていて、お肉は柔らかく、あっさりしょうゆ味の一品。138元である。
もう一品、店員が油淋去骨鶏に合うと勧めてきた猪油拌飯は20元。50円程である。
これはご飯にラードがかかっている一品なのだそうで、考えてみれば読んで字の如くである。

食べたもの
油淋去骨鶏と猪油拌飯

食後、会計を済まし、早々に店を後にしたが、このレストラン。ほんとうに凝った作りである。
2階には映画館を模したような空間があったりするらしいのである。
食事をした人であれば自由に見学できるらしく、なぜすぐに出てきてしまったのかと後悔している。
早々に店を後にしたのはこのレストランの対応に不満があったからでも何でもなく、
ただ、単純に次の目的地のことが頭にあったからで、これから私は高雄に列車で向かうのである。
時刻は正午を過ぎたところで、まあ、そんなに急ぐ必要もなかったのだが、台鐡台中駅へ向う。

安全帽ベートーヴェンを発見
(左)バイクが多いから安全帽を売っている
(右)ベートーヴェンを発見(「貝多芬」でベートーヴェン)

台中駅構内①
台中駅構内

台中駅に到着後、コインロッカーに預けていたスーツケースを取り出し、駅構内を見学。
台鐡台中駅は外観も立派であったが、内部も優美な装飾が施された柱などがあり面白い。
駅構内に「台鐡本舗」というお店があったので、入ってみることにした。
「台鐡本舗」とは鉄道関連の雑貨などを扱っているお店で台湾の主要駅に何店かあるそうだ。
鉄道マニアにはたまらないお店であろう。私は鉄道マニアではないのだがなんだか面白そうである。
実際面白いものをいくつか購入しましたので、ご覧いただきましょう。

台鐡本舗で買ったもの
台鐡本舗で買ったもの。駅長さんの人形(150元)と蒋介石トランプ(60元)

高雄までは自強号で行くことにした。日本で言う「特急」に相当するらしい。強そうな名前である。
これは1971年に中華民国が国連を脱退した際のスローガン「莊敬自強 處變不驚」に由来する。
こういうところにもこの国の置かれている状況が垣間見えるのである。
切符は自動券売機で購入。英語表示にもできるので何とか買うことができた。
全席指定で高雄まで469元。午後1時16分に台中を出て、高雄到着が午後3時51分の予定。
2A月台(「月台」はプラットホームという意味)に向かう。列車は定刻通りにやって来た。

台中駅構内②
台中駅構内。奥にあるのが台鐡本舗
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