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台中市孔子廟 [2011台湾一周鉄道の旅]

2011年8月18日(木)、現地時間 午前10時53分、台中市 孔子廟

大成門
大成門

やってきた孔子廟は竣工してから35年と歴史は浅いが、なかなかに壮麗なところで、
歴史的な重みはないのだが、その優美な外観から台中市内でも人気の観光地ということである。
正直、私もその外観に目を奪われ、この敷地内に入ってきてしまったのである。
肝心の孔子廟という施設の機能云々についてはわからぬままに入ってきてしまった…。
孔子というと「論語」が思い浮かぶが、これもちゃんと読んだことは無い。
小学生だろうか。子供たちが見学に来ていたが、ひょっとしたら彼らのほうが詳しいかもしれない。

孔子廟案内

置いてあった孔子廟案内

台中市の孔子廟は敷地面積23653.2平方メートルということである。
これをどういうわけかよく知られている単位「東京ドーム」で換算すると約0.5東京ドームとなる。
つまり、東京ドームの半分くらいの面積である。この種の施設にしては大きいのではないだろうか。
私は今、この孔子廟のほぼ中央に位置する「大成門」という門にいる。
この門をくぐって中庭の方に出ると、大きな太鼓と鐘が置いてあった。
これは「晉鼓」、「鏞鐘」と呼ばれるもので祭礼の際に使われるのだという。

太鼓と鐘
太鼓と鐘

門の先に孔子の位牌が祀られている「大成殿」がある。そこに至る「廡(ぶ)」と呼ばれる空間を歩く。
「廡」には孔子の弟子(先賢)や儒学者(先儒)が祀られていて、位牌がずらっと並んでいる。
祀られている人の名前を見ていくと、私でも知っている名がちらほらとあった。
「董仲舒」という名があり、これは世界史の授業で出てきたが、どんな業績を残した人物か忘れた。
もうひとり「杜子春」という名があった。杜子春といえば芥川龍之介の「杜子春」が思い浮かぶ。
この杜子春はその杜子春なのであろうか?解説板によると東漢(後漢)の時代の人らしい…。

位牌が並ぶ
孔子の弟子や儒学者の位牌が並ぶ

大成殿
大成殿

孔子の位牌が祀られている大成殿へ進む。黄色い瓦が灼熱の太陽を浴びてよく映えている。
大成殿内中央にある神棚には「明徳至善」という額が掲げられている。
聖人の徳を理解し、自己の品格を高めるという意味らしく、儒教の四書のひとつ「大學」からの出典。
台中の孔子廟で特徴的なのは孔子像がないことである。大成殿内にも像はなく、位牌があるのみ。
これは、学問の神様である孔子の前で失礼が無いようにということらしい。
最前訪れた台中公園には孔子像が建っていた。その前でおばさんの集団がダンスをしていたが…。

大成殿内部
大成殿内部

最後に大成殿の後方に位置する「崇聖祠」という孔子の先祖を祀る所を見学して外に出た。
廟の外に出ると、双十路二段という大通りで車やバイクがびゅんびゅん飛ばしている。
その大通りと壁一つ隔てただけだが、孔子廟内はやはり喧騒が感じられない特殊な空間であった。
そういえば、孔子廟内に教室があったのが印象に残っている。
廊下には時間割が掲示され、デッサン、油絵、伝統楽器など様々な講座が開講されている。
孔子廟は信仰の場所としてではなく、学習の場所としても機能しているようだった。

時間割

時間割

時刻はもうすぐ午前11時30分になろうとしている。少々早いが昼食をとることにした。
昼食をとる場所は予め決めておいた。孔子廟から大通りを挟んで向かいに位置するレストラン。
「台湾香蕉新楽園」というそのレストランは、凝ったレトロな内装があることで知られている。
ちなみに「香蕉」とはバナナのことですね…。
店先には青い客車が置いてある。プラットホームの雰囲気も再現され、急に懐かしい感じになる。
中に入ることができるようなので入ってみる。なんとも鉄道の旅らしい展開でわくわくする。

店先にある車両
店先にある車両

客車内は鉄道関連の品々が展示されていて、ちょっとした資料室のような趣きである。
印象的なのは「后里(こうり)←豊原(とよはら)→潭子(たんし)」と記された駅名標である。
ひらがなが振られていて、これは日本統治時代の駅名標なのだろうか?
しかし、調べてみると「后里駅」という名称は1955年以降のものらしく、戦後の駅名標なのか?
詳しいことはわからない。ただ、この指差している絵はユニークでなかなか面白いと思う。
ちょっとタイムスリップした気分になったところで、店内に入り食事をとることにした。

展示物
駅名標などが展示されていた

車両内
車両内
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コメント 14

旅爺さん

今ツアー会社二社の旅行雑誌で台湾を見てたところです。
早く行って見たいです。
by 旅爺さん (2011-11-23 19:56) 

mimimomo

こんばんは^^
ドームの半分・・・かなり大きいですね。
レストランに電車などがあるのもユニークですね。
歴史、特に中国史は苦手でした(__;
by mimimomo (2011-11-23 20:09) 

PopLife

最近の日本では台湾バナナを見る機会が減りました。こりゃ
ほんまもんだ。エッ!違う?
by PopLife (2011-11-24 10:10) 

orange

単位はkmなんですね。
色彩は想像していたよりもやや落ち着いた感じですね。
あの商店街の賑わいに比べると穏やかな色ですね。
屋根の色。屋根の反り具合。独特ですね。
by orange (2011-11-24 12:29) 

ゆう

黒い電話が、気になります。。。
ダイヤルがないということは、グルグル回すハンドルがあるのかしら?
by ゆう (2011-11-24 12:37) 

yakko

こんばんは。
孔子廟は東京ドームの半分 !! スゴイですね〜(@_@;)
レストランの店先に青い客車・・・これも不思議ですね〜〜〜
by yakko (2011-11-24 19:47) 

PATA

いつもご訪問ありがとうございます。
孔子廟、かなり大きなスケールですね。
室内の色使いも独特です。
レストランの客車がいい雰囲気出してますね。
早く台湾行きたいものです。
by PATA (2011-11-24 20:40) 

サンダーソニア

なかなか趣がありますね。
観光だけではなく実際に役に立つ施設なんですね。
by サンダーソニア (2011-11-24 20:52) 

りんこう

旅爺さん、こんばんは!
台中にも行かれるのでしょうか?
個人的には台南が歴史のある街で面白く感じられましたね。

mimimomo さん、こんばんは!
台湾にもかなりの鉄道マニアがいるようです。
今回鉄道の旅をして実感した次第であります…。
このレストランの中もまるでテーマパークのようなレトロな空間です。

PopLife さん、こんばんは!
そうですね。台湾バナナ。台湾の島の形もちょっとバナナみたいですね。
このレストランは台湾バナナ・ニュー・パラダイスということですね…。

orange さん、こんばんは!
面積は、現地の案内冊子に載っていたのでこれで間違いないと思います。
ちょうど東京ドームの半分くらいのようです。
写真で見ると落ち着いた色彩ですが、実際はけっこう鮮やかですよ。

ゆうさん、こんばんは!
黒い電話は気がつきませんでしたね。確かにダイヤルが無い。
どうやってかけたんでしょうかね…。

yakko さん、こんばんは!
このレストランの車両は実際に台中のあたりを走っていたようです。
「月台」の文字が見えますが、これは中国語で「プラットホーム」の意味です。

PATA さん、こんばんは!
台中の孔子廟はかなり大きな部類に入るようです。
東京ドームの半分ですからね。
でも、東京ドームってどのくらい広かったかな…。

サンダーソニアさん、こんばんは!
ここには教室のほかに書物、雑誌が備えられている部屋があるそうです。
だれでも無料で利用できるということで、図書館みたいな感じでしょうかね。
by りんこう (2011-11-24 22:49) 

undo

台鐡の駅名表示は、なぜか今でも隣の駅との距離も記されています。面白いなぁと思いながら眺めてます。
台中も新幹線ができて台北から大分近く(時間だけなら普通に日帰りもOK!!)感じるようになりましたね。
by undo (2011-11-25 18:10) 

pandan

立派な建物ですね〜
色使いなどやぱりその国の
特徴がありますね。
by pandan (2011-11-26 06:48) 

りんこう

更新が滞っておりまして、申し訳ありません。
気長にお待ちください。
by りんこう (2011-11-29 22:05) 

りんこう

ちょいとドタバタしておりまして、更新が滞っております。
皆さまのブログにも訪問できずに申し訳ありません。
今週末には更新を再開できそうですのでお待ちください。
by りんこう (2011-12-05 21:33) 

高見

はじめまして。↓こちらの本で駅名標についての記事を書き、
http://www.etrain.jp/book/book.cgi?no=239
今後その続編を予定しています。

「台湾香蕉新楽園」にある豊原駅の駅名標ですが、よろしければ記事で使用したいので写真の元データを頂けないでしょうか。1955年以降とすれば日本人向けなのが不思議ですが、ともかく、大正時代の駅名標を良く伝えている貴重な物です。

↓ここに当時の図面がありますが、国内ではこの様式は写真すら見つかりません。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/909120/168

URLの欄に、メールアドレスを入れてあります。
よろしくお願いします。
by 高見 (2016-11-28 00:19) 

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