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台湾一周鉄道の旅 [2011台湾一周鉄道の旅]

2011年8月17日(水)、午後0時29分、成田国際空港

時刻表
まいどおなじみ時刻表

急に暇ができてしまった。8月17日から22日までの6日間。
どうやって過ごそうかと考えた。家にいても自堕落な生活を送るだけなのは目に見えている。
旅に出ようかと考えた。しかし旅をするには銭がいるし、疲れもする。
ならば、今回は国内を旅してみようと考えた。海外に飛ぶより気軽に旅できるだろう。
それにこの期間であれば青春18切符というのがある。この切符を使って安く旅できるはずである。
さっそく青春18切符を使う鉄道旅行の計画を立ててみることにした。

中尊寺にて
2010年8月10日、中尊寺にて

私は日本国内の世界遺産を見て歩くことを考えた。
今年6月に平泉と小笠原諸島が世界遺産となり、日本の世界遺産は計16件となった。
この内、私が訪れたことがあるのは日光、京都、奈良、法隆寺、平泉の5件のみである。
ちなみに平泉は昨年訪れたので、これは世界遺産になる前のことである。
いずれにしても、日本人としてはもうちょっと日本の世界遺産を見ていてもよさそうなものだ。
というわけで、私は青春18切符を使っての世界遺産巡りを計画するに至った。

時刻表を買ってきて、ルート選定に入るが、頑張れば8つの世界遺産を見て回れそうであった。
ただ、これは純粋に鉄道を使っての旅ではない。夜行バスを行きと帰りに使用する。
8月16日の夜、17日に日付が変わる直前に川越から夜行バスで金沢に向かい、17日に白川郷。
その後ひたすら姫路を目指し、18日に姫路城を取材。出雲へ向かい、19日に石見銀山を取材。
19日の内に広島入りし、翌20日に原爆ドームと厳島神社を取材。
21日は奈良、法隆寺、京都を取材後、夜行バスで京都から川越あるいは所沢へ。22日朝着。

金色堂
中尊寺金色堂

これで8つの世界遺産を訪れることは可能なようであったが、こんなのはしんどいのである。
それに、青春18切符を使い、安上がりな旅をしようとしているのに夜行バスを使えば高くなる。
これは当初の安くて疲れない旅をするという目的に反するものである。
結局、青春18切符を使っての日本の世界遺産の旅という案は企画の段階で却下となった。
その後も、青春18切符の旅というのを私は模索し続けたが、いい企画が思いつかなかった。
どうしようか。暇な6日間。私は家で自堕落な生活を送るのか…。

武蔵坊弁慶のお墓

中尊寺の前にある武蔵坊弁慶のお墓

思い切って、また海外に行ってみようかと考えた。割合安く行けるアジアにである。
アジアであれば、今では国内を旅するのとあまり変わらぬ銭で行けてしまうと思われた。
どうせならば行ったことのない国に行ってみたい。東南アジアには行ったことのない国がまだある。
まずは、格安航空会社のエアアジアでマレーシアのクアラルンプールへ向かうことを考えた。
マレーシアは「ユーラシア大陸最南端への旅」で訪問済だが、近くには行ったことのない国がある。
例えば、ブルネイなどという小国に訪れてみるのも面白いのではないか?などと空想する。

試みにエアアジアのサイトから空席があるか検索をしてみたが、なんせ急な思いつきである。
格安航空といえども、そんな急では安いチケットは残っていなかったのである。
どうしようか。暇な6日間。やはり私は家で自堕落な生活を送るのか…。
懊悩しながらも、書店の旅行ガイド売り場に足を延ばし、何気なく手にとったガイドブック。
そのガイドブックの地図を見た瞬間。企画が思いついた。そのガイドブックは台湾のものであった。
その企画は「台湾一周鉄道の旅」。きわめて単純な企画。6日もあれば台湾一周は楽勝である。

さっそく飲んでます
さっそく飲んでます

台湾は私が初めて海外旅行をした地である。2000年のことだった。
もう訪れた国ではあるものの、11年ぶりに再訪してみるのもいいと思った。
しかも、2000年に訪れたのは台北周辺のみである。他の町にも行ってみたい。想いは募ってきた。
問題は旅にかかる銭であるが、航空券を探してみたところ3万円台のものがあった。
もっと安いものもあるのかもしれないが構わん。半ば衝動的にこの航空券を購入した。
こうして8月17日、私は成田空港にやってきた。「台湾一周鉄道の旅」の始まりです。

台湾鐡路のトランプ
台湾鐡路のトランプ
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台湾高鐡桃園駅 [2011台湾一周鉄道の旅]

2011年8月17日(水)、午後1時48分、成田国際空港 第1ターミナル 38番ゲート

38番ゲート
38番ゲート

今回利用した航空会社はエバー航空である。エバー航空に搭乗するのは初めてのこと。
強いこだわりがあってこの航空会社を選んだわけではない。たまたま安い航空券だったのである。
航空券は3万円程。燃油サーチャージ、空港使用料等で結局5万円近くになったのだが…。
エバー航空BR2197便は午後2時15分に出発。台湾桃園国際空港に到着するのが午後4時50分。
日本と台湾には1時間の時差があり、搭乗時間は3時間半程である。
この搭乗時間ではモニターで映画を観るのも慌ただしい。あっという間に台湾に到着する。

機内食
機内食

ここで、今回のルートを簡単に説明しておくことにしたい。今、私が着いたのが台湾桃園国際空港。
空港からバスに乗り、まずは台湾高鐡桃園駅へ。「台湾高鐡」は台湾版新幹線が走る路線である。
この台湾版新幹線にいきなり乗車して、台湾高鐡台中駅へ。1日目は台中に宿泊する。
2日目は台中取材後さらに南下。台湾第2の都市高雄に宿をとり、3日目は山を越え台東に泊まる。
4日目は一気に台湾東部を北上、花蓮で途中下車をして取材後、台湾最大の都市、台北へ。
5日目は台北駅から再び新幹線に乗り台湾高鐡桃園駅へ。そして帰国。6日目は自宅で完全休養。


大きな地図で見る
正確ではありませんが、今回のルートはだいたいこんな感じです
A(G)が桃園、Bが台中、Cが高雄、Dが台東、Eが花蓮、Fが台北です

このように台湾を反時計回りで一周するルートを計画した私は、ある程度の事前の手配はした。
手配したのは、行きと帰りの台湾版新幹線と宿泊する宿の予約。あとは特に準備はしていない。
これまでは周到に取材の準備をする私であったが、今回はそれに比べると気楽なもんである。
台湾は日本語がよく通じるであろうから、さほど準備をしなくても何とかなるであろう。
そんな風に考えていたのである。これは油断なのだろうか?いつもよりはリラックスしている。
それが原因で、後日ちょっとしたトラブルがあるのだが…。それはまだ先のお話である。

台湾桃園国際空港
台湾桃園国際空港

台湾桃園国際空港に着いた私は、バスで台湾高鐡桃園駅に向かわねばならないのだが、
バスの乗車券売り場に行くと、カウンターがいくつかあり、バスは様々な方へ向かうようである。
台湾は路線バスがとても発達しているらしく、バスの旅も面白そうであるが、今回は鉄道の旅。
はて、「鉄道の旅」スタート地点となる桃園駅行きの券を売るカウンターはどこであろうか?
キョロキョロしていると、青年が英語で桃園駅行きのカウンターを教えてくれた。何と親切な。
台湾の人はやはり親日なのか。幸先の良いスタートである。とても気分がよい。

高鐡の駅へ向かうバス
高鐡の駅へ向かうバス

青年が示したカウンターへ向かうと、切符売りのおばさんがひとりいて、私を見るなり日本語で、
「新幹線?」と訊ねてきた。日本語で訊ねられたから私は拍子抜けしてしまった。
私は「は、はい」となぜか恐縮しきりで、高鐡桃園駅までの30元の切符を発行してもらうのだった。
するとおばさん。「そこ出て、左、705番」とやはり日本語で明快にバス乗り場を教えてくれた。
「そこ」を出て、左を見るとはたして705番のバス停があった。そして既にバスが停車している。
このバスに乗ること20分弱。午後5時15分頃、「鉄道の旅」スタート地点、台湾高鐡桃園駅に到着。

バスの中
バスの中

初日の今日は、ここ台湾高鐡桃園駅から台中に向かうのだが、まだ時間がだいぶある。
先程も述べたように新幹線の乗車券は既に予約済み。午後6時57分発の乗車券である。
この新幹線が発車するまで、まだ1時間半以上あるのだ。これには時間を持て余してしまった。
台湾の新幹線はとても安く乗車できる。予約済みの乗車券は渡航前ネットで手配したもので485元。
日本円で1300円くらい。これなら早い時間の新幹線の乗車券を買い直してもよさそうだった。
そうは考えたものの、やっぱり無駄にしたくない。予約した新幹線の時間まで待つことにした…。

高鐡桃園駅
台湾高鐡桃園駅

予約した乗車券は駅窓口でも受け取れるらしいが、券売機を利用して発券してみることにした。
券売機はタッチパネル式。中国語ではわからぬので、英語に表示を変えておそるおそる操作。
発券の際にはネット予約時に得た8ケタの「訂位代號(予約番号)」の入力が必須となる。
これを入力したところ、何事もなく無事にオレンジ色の台湾新幹線の乗車券が発券された。
あとは発車時間まで、シンプルな作りの台湾高鐡桃園駅の構内ををぶらぶらと見て歩く。
4日後、ここ台湾高鐡桃園駅に戻ってくれば、台湾一周達成となるのだな…と考えながら…。

高鐡桃園駅構内
高鐡桃園駅構内
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台鐡台中駅到着 [2011台湾一周鉄道の旅]

2011年8月17日(水)、現地時間 午後6時55分、台湾高鐡桃園駅

高速鐡道到着
高速鐡道到着

台湾高鐡桃園駅では列車は地下に発着する。乗車券の「裏側を上」にして自動改札を通り地下へ。
高速鉄道がホームに入ってきたのは午後6時55分頃。午後6時57分発だから、停車時間は2分程。
台湾高速鐡道は2007年に営業を開始。日本の新幹線の技術が採用されている。
車両は日本の700系新幹線を基にした700Tという型であるらしい。12両編成である。
座席は進行方向に向かって右側が3列、中央通路を挟んで左側が2列の座席という配置。
私の座席は窓側の座席であった。車窓からの眺めを期待したが、もう日が暮れ真っ暗だ…。

高速鐡道の中
高速鐡道の中

私が向う台中駅は桃園駅から123キロの距離。この距離を高速鉄道は約40分で駆け抜ける。
目の前には「日立冷気」という広告がある。YKKの広告もある。やはり日本企業の広告は多い。
車両内ではお弁当やコンビニで買ったであろうおにぎりを食べている人がいる。もう夜である。
デッキ付近を見ると郵便局員らしき人が待機していて配達物を入れた大きな袋を抱えていた。
桃園駅を出た高速鉄道は新竹駅を経て台中駅に向かう。電光掲示には時速289キロという表示。
窓からの景色は相変わらず暗かったが、次第にあかりが多くなってきて台中駅に到着した。

高鐡台中駅到着
台湾高鐡台中駅に到着

台中で予約していた宿は「逹欣・商務精品飯店」というところでこれは台中駅のすぐそばにある。
しかし、台中駅は「高速鐡道(高鐡)」の台中駅と「台湾鐡道(台鐡)」の台中駅と2箇所ある。
台鐡はいわゆる在来線。逹欣・商務精品飯店があるのは、この台鐡の台中駅のほうである。
したがって、私は台鐡台中駅に向かわねばならないが、高鐡台中駅から台鐡に乗り継ぎができる。
なんだか非常にややこしいが、高鐡の台中駅にあたるところが台鐡では新烏日駅という駅である。
この新烏日駅から3駅北に戻ったところに台鐡の台中駅があるのだ。

台鐡新烏日駅
高速鐡道台中駅から在来線の台湾鐡道新烏日駅へ

高鐡台中駅のホームに降り、台鐡新烏日駅まで駅構内を進む。ボタン式の自動券売機があった。
今や目にするのはタッチパネル式の券売機ばかりなので、これは懐かしく感じる。
運賃ごとにボタンがあるのではなく、行き先の駅ごとにボタンがある。なんだか壮観である。
「台中」のボタンを押すと、「復興 新烏日→台中」という切符が出てきた。15元(40円程)。
この切符。鉄道マニアにとっては基本的なコレクターズ・アイテムであろう。
私は鉄道マニアというわけではないが、できることなら記念に切符は残しておきたい。

台湾高鐡と台鐡の切符
台湾高鐡「桃園→台中」の切符と台湾鐡道「新烏日→台中」の切符

そういう人のために、台湾の駅には必ず改札の側に「證明用」というスタンプが置いてある。
このスタンプを切符に押して駅員に提示すれば切符は持ち帰ることができるという仕組みだ。
新烏日駅の改札は無人だったが、確かに「證明用」のスタンプが置いてあったのでこれを押す。
ここで乗車した列車は「区間車」というもので、日本でいうところの普通列車であるらしい。
車内はロングシートのタイプで、通勤電車のような感じである。台湾の人の中に混じって座る。
台鐡台中駅までの乗車時間は10分程の短時間であったが、自分も台湾人になった気分がした。

区間車到着
台鐡新烏日駅にやってきた区間車

午後8時05分、台鐡台中駅に到着。「證明用」とスタンプを押した切符を提示し外に出ようとする。
駅員は一瞬怪訝そうな顔になり私を見たが、まあ通れ、という感じで改札を通してくれた。
今の表情は何だったのだろうか?気になったので、改札付近を振り返って、しばらく見てみた。
すると、何人かの乗客が「證明用」のスタンプを押して改札の外に出ていたのが確認できた。
「證明用」スタンプは乗車駅ではなく、降車駅で押すものだったようである…。
まあ、そんなことは知らなくてもしょうがない。今後は気をつけることにしよう…。

台鐡台中駅
台鐡台中駅

到着した台鐡台中駅は、台湾の駅の中でも名駅舎として知られ、台湾の史跡にも指定されている。
その駅舎に関しては明日あらためて観ることにして、今は予約した宿へ急ぐ。
宿は駅から徒歩1分のところで、とても便利なところに位置している。1泊1100元(3000円程)。
フロントで予約した旨伝えると、英語で応対してくれて、カード・キーを渡してくれた。
最近改装したらしく、とてもきれいである。これで3000円とは正直かなりお得であると思う。
さて、台湾といえば夜市。部屋でしばし休んだ後、逢甲夜市というのに出かけることにしたのだが…。

逹欣・商務精品飯店の部屋
宿の部屋。シャワー・バスタブもあり快適
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