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2009中欧2ヶ国の旅 ブログトップ
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ダチツキー・ビェールを楽しむ [2009中欧2ヶ国の旅]

2009年5月2日(土)、現地時間 午前10時50分、クトナー・ホラ パラツキー広場

これから私が向かうのは、とあるレストランである。
クトナー・ホラの地ビェールであるダチツキー・ビェールをそこでいただこうというわけだ。
場所は他の名所と並んで町の看板にも記されているほどで、有名なレストランのようだ。
レストランはその名もズバリ「ダチツキー」。開店の午前11時を見計らい、店の前までやってきた。
内部をうかがい知ることができず、営業しているのか知らん。と一瞬思ったが、
重い木の扉を開けてみたところ、ちらほらと既に先客がいた。いい雰囲気である。

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レストラン「ダチツキー」店の前

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レストラン「ダチツキー」店の中

座席に誘導され、差し出されたメニューを眺める。
ダチツキー・ビェールを注文するのは当然だが、それと、リーズナブルなスープを注文した。
やがて黒ビェールが登場。これがダチツキー・ビェールなのか。
私は黒ビェールはあまり好かないのだが、飲んでみるとこれはまろやかでとても飲みやすい。
クリーミーな泡の後に続く液体は、のどの奥で何らかのフレーヴァーを発しうごめいたが、
これは何の味なのか。この感覚を表現できる語彙を持たない自分が残念でならない。

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ダチツキー・ビェール

スープもまた美味であったが、取材から一か月経ち、その具材が何であったか忘れかけている。
私は精算の際のレシートを保持しているので、これを見てスープの具材を想い出してみる。
そのレシートには「Houbová bramboračka dle Rožmbe」と印字されている。
これを英訳してみたところ、「Mushroom potato soup by Rožmbe」となった。
ああ。想い出した。確かにこのスープにはマッシュルームもポテトも入っていた。
他にウィンナーの輪切りなんかも入っていた気がするが、「Rožmbe」とは何だ。これはわからぬ。

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スープ「Houbová bramboračka dle Rožmbe」

さて、そのうち、私はダチツキー・ビェールを飲み干してしまったので、
もう一杯くらい何かビェール飲みたいなと、注文したのは定番のピルスナー・ウルケル。
ダチツキーをもう一杯飲んでも良かったが、やはりチェコに来たからにはこれは飲まなければ。
昨晩、Hotel Evropa のカフェーでビェールを飲めなかった無念を晴らしたかったこともある。
だが、ビェールは一杯目と二杯目とでは舌とのどの感じ方が大いに異なって来るのである。
残念ながら二杯目だからか、期待していたような感激はさほど得られなかった。

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ピルスナー・ウルケル

とはいえ、ビェール二杯とスープで腹は満たされた。何よりダチツキーを味わえて満足だ。
これからはクトナー・ホラの世界遺産の物件を取材することになる。
ビェールを飲んだので、トイレが近くなることだろうと、用を足した後、レストランの外に出た。
ほろ酔い加減で、青空の下のお昼時。美しい街並みに人影もまだまばら。
私は今確実にこの瞬間瞬間を楽しんでいる。この調子で取材を続けたいものだ。
いい気分でBarborská という路を進んでゆく。すると観光客の姿が増えだした。

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(左)レストラン「ダチツキー」のレシート。109コルナということは日本円で550円もしない
(右)レストラン「ダチツキー」の看板

この路の先にあるのは聖バルバラ大聖堂というところである。
この聖堂はクトナー・ホラで世界遺産に登録されている物件のひとつである。
路を行き交う観光客はこの大聖堂に向かう人、あるいは既に大聖堂を見学してきた人たちだろう。
路の脇には聖人らしき像が一定の間隔で建立されていて、プラハのカレル橋を彷彿とさせる。
また、この辺りはちょっと高台になっているのか、趣のある町の風景を観ることができ、これも良い。

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よい風景

いよいよ、聖バルバラ大聖堂は名跡の存在感をたっぷり湛えて私の目の前に近づいてくる。
デジキャメを構えて全体像を収めんとするも、巨大な建物であるからこれは叶わない。
まあ、いい。内部をしっかり観てやろう。入場料はいくらなのだろうか?
いや。待て。その前に最前レストランで用を足したばかりなのに、私はまた便意をもよおしている。
トイレはどこかにあるだろうか?見れば、大聖堂前にお土産屋があり、ここにトイレはあるようだ。
というわけで、私は大聖堂入場料を支払う前に、トイレ使用料5コルナを徴収されたのである…。

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聖バルバラ大聖堂が近づく
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聖バルバラ大聖堂 [2009中欧2ヶ国の旅]

2009年5月2日(土)、現地時間 午後0時20分、クトナー・ホラ 聖バルバラ大聖堂

クトナー・ホラという場所はそもそもなぜ世界遺産に登録されたのか。
実際訪れて、このきれいな町並みに接すれば、さもありなん。という感じはあるが、
その背景にあるこの町の歴史を辿ると、銀というのが大きな役割を果たしていたことがわかる。
13世紀にここで銀鉱が発見されて以来、この町は栄えに栄えたらしい。
なんでも、ここの銀で鋳造された貨幣がヨーロッパ中に流通していたらしく、
当時ボヘミアにおいてはプラハに次ぐ繁栄をみせたということで、今ではちょっと信じられない。

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世界遺産であることを示すプレート

これから、訪れる聖バルバラ大聖堂も銀鉱の盛衰に大きく影響を受けたところのようで、
14世紀末に建築が開始され、もともとは現在の倍の高さで建てられる予定だったというが、
銀鉱が衰退したことにより、そんなに高い建物を建てられなくなったということだ。
結局、大聖堂が完成したのは16世紀半ば、それから改修が何度かあり、現在の姿で残っている。
今の倍の高さの大聖堂をこの田舎町で見たかった気もするが、今のままでも十分に威厳がある。

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さて、トイレで用を済ませたことだし、私はその聖バルバラ大聖堂にいよいよ入場。
入ると、いきなり土産物が陳列された一角があり、そこで兄ちゃんがひとり対応に追われていた。
ここで入場料を払う。50コルナということで日本円で250円ほどである。
すると兄ちゃんに、あなたはどこの国から来たの?と尋ねられたので、
JAPAN である。と答えると、簡単な日本語の案内を貸し出してくれた。
この手渡された案内を頼りに大聖堂をぐるっと見学することができるようになっている。

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聖バルバラ大聖堂ティケット

まず大きな主祭壇が目につく。これは今から100年くらい前のものだそうで、比較的新しい。
主祭壇に続く礼拝堂にある祭壇は17世紀末から18世紀はじめにかけてのもの。
もちろん、これらの遺産はその絢爛さで、私を圧倒するに十分だった。
だが、私がこの大聖堂内で最も印象に残っているのは、ある素朴なフレスコ画なのである。
その素朴さゆえに、ただ圧倒されるだけでない感動があったように思われるのだ。

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主祭壇

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礼拝堂

そのフレスコ画はキリストの受難の場面を描いたものだが、正直、稚拙な壁画である。
だが、熱心な信仰心がこの絵を描かせたことはよく伝わってくる。
根拠はないけれど、そうでなければこのような表情の人間の顔は描けないような気がする。
壁画はなんとフス戦争直前に描かれたそうだから、今から600年も前のものということになる。
600年前もこの大聖堂は建っていた。そして、この壁画もずっとここにあったということなのか。
壁には坑夫が作業している様子も描かれていて、その町の歴史を無言で物語っていた。

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キリスト受難の壁画①

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キリスト受難の壁画②

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キリスト受難の壁画③

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坑夫を描いた壁画

天井を見上げてみる。私は大聖堂を取材するたび、高い天井に驚かされる。
そして、口をぽかんと開け、天を見上げてしまうのが常なのである。
今回もそうだった。見上げれば、いくつもの花が咲いたようなリブ天井であった。
以前訪れたプラハ城の旧王宮のホールの天井もこんな風に花が咲いていたことを想い出す。
しばらくぽかんと天井の装飾にみとれた後、時計に視線を移す。入場してから30分が経っていた。
大聖堂の中はとりあえずひと通り観た。まだ、取材するところはあるから外に出ることにしよう。

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(左)聖バルバラ大聖堂の天井 (右)プラハ城ヴラディスラフホールの天井(2007年撮影)

入場時に貸してもらった日本語案内を兄ちゃんに返す。
ここで売られているお土産を一通り確認、銀で栄えたところだけに銀貨のレプリカがあったりする。
私は「クトナー・ホラ」というカタカナが大胆に表紙に躍る日本語の町案内ガイドを見つけ購入した。
60コルナだったのでこれは300円くらいか。こういう日本語ガイドがあるとつい購入してしまうのだ。
かといって、帰国後も読み返したりとかしないのだけれど。まあ、よい記念ではあるだろう…。

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クトナー・ホラの日本語ガイドブック
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モルダバイト [2009中欧2ヶ国の旅]

2009年5月2日(土)、現地時間 午後1時10分、クトナー・ホラ Barbara Minerals というお店

聖バルバラ大聖堂からの帰り路、気になるお店があったので入ってみた。
看板を見ると、この店は宝石や鉱石や化石やらを販売している店のようである。
こういうものには普段あまり興味のない(化石は興味あるかもしれない)私なのだが、
今回チェコを訪れた私はできることならば購入してみたい鉱石があったのだ。
それは「モルダバイト」という鉱石である。

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今年の2月頃だったろうか、日曜夜に某テレヴィ番組をボケっとみていたらチェコが出てきた。
チェコ好きの私はボケっとしていることをやめて、その番組を観たのだが、
その番組の企画はモルダバイトという鉱石の原石を探すというものだった。
モルダバイトはチェコあたりでよく採れる石であるらしく、
ショベルカーで掘っていくと、何個も緑色の原石が見つかっていたようだった。
そして、この石には強い力が備わっており、持っていると幸福になれるとの紹介だった。

過去にもチェコを訪れたことがある私だったが、「モルダバイト」というのは初耳であった。
まあ、こういうものに興味がなくビェール目当てでチェコを訪れているのだから仕方がない。
モルダバイトは大昔、隕石が地球に衝突した際に化学反応を起こしてできた石ということで、
そういう由来があるから、地球外の不思議なパワーが内包されているとかいないとか。
ガラス質で日にかざすとあやしい光を放ち、やはり不思議なパワーに溢れているのだとか。

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(左)フラーデク鉱山博物館入口 (右)坑夫の紋章

私はたちまちモルダバイトに惹かれてしまった。
不思議なパワー云々よりも地球外に由来する鉱石という物珍しさに惹かれてしまったのだ。
というわけで、チェコ国内を取材中にそういうモルダバイトを売っていそうな店を見つけたら、
私はすぐに入店して購入するつもりでいたし、そういう店を見つけられることを楽しみにしていた。
今私が入った店はまさにそういう店のようである。看板にもしっかり「moldavites」とあった。

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(左)鉱石を売る店「Barbara Minerals」 (右)店先の看板

店内はきれいな石が豊富に置いてあり、元来こういうものに興味がない私でも、結構楽しい。
ただ、私はモルダバイトを手に入れることができればそれでいいので、
モルダバイトはどこだろう。と探すと、ガラスケースの中にモルダバイトが集まった一角を見つけた。
アクセサリーとして既に加工されたものもあったが、テレヴィで観たような原石が欲しかったので、
原石を中心に見てゆくと、小指の頭ほどの大きさのモルダバイトから売っている。
でも、せっかく本場で購入できる機会、ここはちょっと大きめのモルダバイトを買ってみよう。

私は3センチ×2センチほどの大きさのモルダバイトを指さして、これを見せて。と店員に伝えた。
取り出してくれたので、実際に手にとって見てみたが、石のことなどよくわからぬ私。
一応は確認するふりをしてみせて、じゃあこれ下さい。と購入する旨、店員に伝えたのである。
値段は忘れてしまった。確か、470コルナか420コルナかだったと思うので、
日本円で2300~2100円くらいなのだろうと思われる。これが適正な価格なのかも知らぬ。
でも、現地で運よく店を見つけることができて、実際にモルダバイトを入手出来て嬉しいのなんの。

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これがクトナー・ホラで買ったモルダバイト

話は飛んで、帰国後のことになるが、私はインターネットでモルダバイトについて調べてみた。
すると、偽物が多く出回っているということらしく、真偽の判別も非常にむつかしいということだった。
確かに古いラムネのビンかなんかの破片をうまいこと加工すれば、見分けがつかないかも知れぬ。
値段については、さすがにチェコで購入しただけあり、日本で買うより安く入手できたようである。
うーむ。私はチェコで買ったし、ちゃんとしたお店だったし、たぶんこれは本物だろうね…。
証明書も何も無いのだけれど…。まあ、不思議なパワーが発揮されれば本物なのかも知らんね…。
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