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聖バルバラ大聖堂 [2009中欧2ヶ国の旅]

2009年5月2日(土)、現地時間 午後0時20分、クトナー・ホラ 聖バルバラ大聖堂

クトナー・ホラという場所はそもそもなぜ世界遺産に登録されたのか。
実際訪れて、このきれいな町並みに接すれば、さもありなん。という感じはあるが、
その背景にあるこの町の歴史を辿ると、銀というのが大きな役割を果たしていたことがわかる。
13世紀にここで銀鉱が発見されて以来、この町は栄えに栄えたらしい。
なんでも、ここの銀で鋳造された貨幣がヨーロッパ中に流通していたらしく、
当時ボヘミアにおいてはプラハに次ぐ繁栄をみせたということで、今ではちょっと信じられない。

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世界遺産であることを示すプレート

これから、訪れる聖バルバラ大聖堂も銀鉱の盛衰に大きく影響を受けたところのようで、
14世紀末に建築が開始され、もともとは現在の倍の高さで建てられる予定だったというが、
銀鉱が衰退したことにより、そんなに高い建物を建てられなくなったということだ。
結局、大聖堂が完成したのは16世紀半ば、それから改修が何度かあり、現在の姿で残っている。
今の倍の高さの大聖堂をこの田舎町で見たかった気もするが、今のままでも十分に威厳がある。

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さて、トイレで用を済ませたことだし、私はその聖バルバラ大聖堂にいよいよ入場。
入ると、いきなり土産物が陳列された一角があり、そこで兄ちゃんがひとり対応に追われていた。
ここで入場料を払う。50コルナということで日本円で250円ほどである。
すると兄ちゃんに、あなたはどこの国から来たの?と尋ねられたので、
JAPAN である。と答えると、簡単な日本語の案内を貸し出してくれた。
この手渡された案内を頼りに大聖堂をぐるっと見学することができるようになっている。

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聖バルバラ大聖堂ティケット

まず大きな主祭壇が目につく。これは今から100年くらい前のものだそうで、比較的新しい。
主祭壇に続く礼拝堂にある祭壇は17世紀末から18世紀はじめにかけてのもの。
もちろん、これらの遺産はその絢爛さで、私を圧倒するに十分だった。
だが、私がこの大聖堂内で最も印象に残っているのは、ある素朴なフレスコ画なのである。
その素朴さゆえに、ただ圧倒されるだけでない感動があったように思われるのだ。

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主祭壇

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礼拝堂

そのフレスコ画はキリストの受難の場面を描いたものだが、正直、稚拙な壁画である。
だが、熱心な信仰心がこの絵を描かせたことはよく伝わってくる。
根拠はないけれど、そうでなければこのような表情の人間の顔は描けないような気がする。
壁画はなんとフス戦争直前に描かれたそうだから、今から600年も前のものということになる。
600年前もこの大聖堂は建っていた。そして、この壁画もずっとここにあったということなのか。
壁には坑夫が作業している様子も描かれていて、その町の歴史を無言で物語っていた。

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キリスト受難の壁画①

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キリスト受難の壁画②

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キリスト受難の壁画③

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坑夫を描いた壁画

天井を見上げてみる。私は大聖堂を取材するたび、高い天井に驚かされる。
そして、口をぽかんと開け、天を見上げてしまうのが常なのである。
今回もそうだった。見上げれば、いくつもの花が咲いたようなリブ天井であった。
以前訪れたプラハ城の旧王宮のホールの天井もこんな風に花が咲いていたことを想い出す。
しばらくぽかんと天井の装飾にみとれた後、時計に視線を移す。入場してから30分が経っていた。
大聖堂の中はとりあえずひと通り観た。まだ、取材するところはあるから外に出ることにしよう。

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(左)聖バルバラ大聖堂の天井 (右)プラハ城ヴラディスラフホールの天井(2007年撮影)

入場時に貸してもらった日本語案内を兄ちゃんに返す。
ここで売られているお土産を一通り確認、銀で栄えたところだけに銀貨のレプリカがあったりする。
私は「クトナー・ホラ」というカタカナが大胆に表紙に躍る日本語の町案内ガイドを見つけ購入した。
60コルナだったのでこれは300円くらいか。こういう日本語ガイドがあるとつい購入してしまうのだ。
かといって、帰国後も読み返したりとかしないのだけれど。まあ、よい記念ではあるだろう…。

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クトナー・ホラの日本語ガイドブック
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pistacci

クトナー・ホラ、今回はじめて知った地名でした。
日本人は結構行ってるのですね。
ダチツキー・ビェールとともに、しっかり覚えました☆
by pistacci (2009-06-15 01:03) 

りんこう

pistacci さん。こんばんは!
クトナー・ホラはプラハから気軽に日帰りできるところなんで、お勧めです。
日本人の姿はあまりみませんでしたが、日本語ガイドはありました。
あ。そういえば、ビェールを飲んだレストランには日本人がいたな。
by りんこう (2009-06-16 20:22) 

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