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フィレンツェにつきました [2008イタリアの旅]

フィレンツェに向かう列車は早朝だというのに満席だった。
私の席は窓側。まだ薄暗い外の景色を黙って眺めていた。
暗くてよく判らないのだけれど、ローマを出て数十分経った外の景色は雪景色のようだった。
それが目的地が近づくにつれ、空は明るみはじめ、雪景色でもなくなってきた。
フィレンツェ、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅に着いたのは8時過ぎ。結構下車する人がいる。
駅の壁面にはルネサンス期のフレスコ画を模したような壁画。ついにフィレンツェに着いたのだ。


サンタ・マリア・ノヴェッラ駅

フィレンツェではまずウフィッツィ美術館を訪れる予定でいた。
この美術館は午前8時15分から開いている。ずいぶん早い。これは早い時間に訪れたいものだ。
さて、イタリアの美術館では行列に悩まされると聞いていた。1時間以上並ぶことはざららしい。
私が訪れた1月初めなどはそんなにひどくはないらしいけれど。
だが、心配な私は美術館入館の予約を渡航前にインターネットを通じてしておいた。
午前9時に入場できるように予約しておいたのだ。これでスムースに入館できるはず。


サンタ・マリア・ノヴェッラ教会

駅から伸びる地下道を歩き、適当な出口で外に出た。あのドゥオーモとかはどこなのかしら?
ドゥオーモはまだ見えなかったけれど、振り返るとサンタ・マリア・ノヴェッラ教会があった。
前の広場は大規模な工事中らしく、ガッカリ。あいにく小雨も降りだした。
そんな中、ちょっと歩くと小路の先にあのドゥオーモが顔を出しているのを発見。
写真やテレヴィジョンでさんざん目にしたドゥオーモがあれなんだな。ははん。
私は嬉しくなって少々興奮気味にドゥオーモの方向に歩きだした。


ドゥオーモの姿が

ずんずん歩けば、ぐんぐんドゥオーモの姿は近づいてきた。
それにつれて、私はドゥオーモが自分のイメーヂと異なっていることに気がついた。
ドゥオーモといえば、あの赤い屋根なんだけれども、赤いのは屋根だけなのね。
壁面は白だの緑だので装飾が施されている。建物全部が赤いわけではない。
まあ、そんなのは当たり前なんだけれども、赤い屋根の印象が脳裏にこびりついていたのである。
なんだか、俯瞰で上からドゥオーモを映したイメーヂが焼き付いていて、赤の印象が強いのだった。


ドゥオーモ

そして、このドゥオーモのすぐ隣に麻雀の索子の牌を彷彿とさせる建造物が。
これはジョットの鐘楼というらしく、私の調査では画家ジョットはこの塔に眠るということである。
ドゥオーモのクーポラ、ジョットの鐘楼。どちらも上ることが可能。絶景を眺めることができるようだ。
特にドゥオーモは人気で、まだ開く前から小雨が降るにもかかわらず、行列ができていた。
私はどちらにも上らなかった。まずはウフィッツィを目指すのである。


ジョットの鐘楼

そんなわけで、ドゥオーモ、ジョットの鐘楼を横に見ながら、私はさらに小路へと入って行った。
こちらがウフィッツィだよ。みたいな標識を頼りに歩いていったのである。
すると、期せずしてドでかい広場に出た。ああ。ここもテレヴィジョンで見たことがあるぞ。
ドでかい広場はシニョリーア広場であった。怪僧サヴォナローラが火あぶりになったところだな。
惜しげもなく巨大な彫像がいくつも配置されており、ダヴィデ像のレプリカも置いてある。
私は他の観光客に頼んでこのダヴィデ像を背景に写真を撮ってもらった。


シニョリーア広場

そして目指すウフィッツィ美術館はこのシニョリーア広場からすぐ奥に入ったところ。
入場の15分前までには来てくださいと入館予約の際のメールに記されてあったが、
時刻はちょうど15分前。よって、シニョリーア広場の彫像を鑑賞するのはあとあと。
まずはウフィッツィの入館がさきさき。勇んでウフィッツィに向かった私の眼前に現れたもの。
それはやはり長い行列なのであった。私は予約をしているが、どこから入ったらいいのやら…。


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ウフィッツィ美術館① [2008イタリアの旅]

ウフィッツィ美術館の前まで来たのは良いけれど、すんごい行列。この行列は2箇所にできていた。
推理するに、これは予約した人の列、予約していない人の列の2つの列なのだろう。
じゃあ、何。予約しても結局行列に並ぶのかい?いぶかしんで行列を眺める私。
その間にも行列は伸びていく。だが、よく見ると「1」と「2」という看板が列の脇に立てられている。
この看板を読むと、予約した人は「3」へ行き、ティケットを引き換えて「2」に並べと記してある。
「1」は予約なしの人の列、「2」は予約ありの人の列らしい。

でも、「3」?どこなんだそれは。と思いきや、「3」の位置は看板に地図で記されていた。
「3」は美術館入口とは道を挟んだ向かい側。閑散としていたが、ここでティケットをゲット。
ゲットするや急いで「2」に戻り、列に並ぶ。列の進み具合は早かった。よかったよかった。
結局午前9時を少々過ぎた頃には入館できた。「1」に並んだ予約なしの人はどれだけ待つのだろう。
入館の際は荷物検査、金属ゲートと空港並みのセキュリティチェックが待っている。

ブザーもならずに、後は鑑賞し放題の私はまず入口で日本語のガイドブックを購入。
やはり何にもないよりは、こういった本があったほうが理解の助けにはなるだろう。
旅の想い出にもなるしね。ガイドブックは何種かあったが、私はハンディな10ユーロのものを購入。
ティケットを提示しいよいよ入館。そして階段を3階まで一気に上がる。
そこではまず古代ローマの彫刻たちがお出迎え。最初だけになんだかじっくりと観いってしまった。

しかし、これからがすごいのだった。再びティケットを提示し第一廊下にでると、!!!!!…。
向こうまで彫像がずらりと左右に配置され、いわれの良く解らない肖像画がいくつも展示されている。
そして天井にもなにやら細かな装飾を施した絵画。四方八方から美の光線を浴びることとなった。
美術館は撮影禁止だし、私の文章の拙さもあり、この感動をお伝えできないのが残念。
気になったあなたはぜひ今度の連休に訪れてみてください。って阿呆か。


購入した日本語のガイドブック

私はウフィッツィ美術館では午前いっぱい鑑賞する予定。そのための時間を確保しておいた。
しかし、ここはどれだけ広い美術館なの。まだよく把握できていない。なかなか手強いな。はは。
そんな不安に駆られもしたが、期待の方が断然凌駕している私の心の中。
まずはジョットの宗教画などが展示されている部屋へ入室である。
入ると将棋の駒をドでかくしたような、五角形の形状のビッグな宗教画が何点か展示されていた。

それにしてもたいへんだ。美術館は撮影禁止だから、雰囲気をお伝えするのが難しい。
それにこの先、数多の展示室が私を待ち構えている。
一つ一つの部屋をご紹介していたら、この取材記、いつ終わるとも知れぬ。
ここは私の印象に残った作品を中心に、感想をお伝えすることにしたい。
ではそれは次回から…。けっ。やっぱり進まねえな。私の取材記は…。


ウフィッツィ美術館ティケット


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ウフィッツィ美術館② [2008イタリアの旅]

ウフィッツィのジョットの展示室に入室した私はドでかい五角形の宗教画を眼前に。
そして購入したガイドブックを開いて解説を読んでいたのだった。
ガイドブックは懇切丁寧に絵画のいわれや解釈などを解説していた。
ふむふむ。と作品とガイドブックとに交互に目をやっていた私だったが、
この調子で進行していたら、今宵無事にローマに帰還しているか知れない。時間は限られている。
残念だけれど、適当に時間を見計らい先に歩みを進めなければならない。

さて、私がウフィッツィ美術館で私が楽しみにしていたのは、まずボッティチェリの作品群だった。
あまりにも有名な「ヴィーナスの誕生」。ウフィッツィというと、まずあの絵画が第一に思い浮かぶ。
そして、ダ=ヴィンチ。「受胎告知」は昨年来日し、私も上野の国立博物館で鑑賞済み。
ここでおよそ半年ぶりの再会となるのを楽しみにしていた。
それとは逆にティツィアーノの「ウルビーノのヴィーナス」は今年来日予定。
本場で鑑賞し、数ヶ月後、東京で再会を果たすことができる。これはこれからの楽しみである。

今回イタリアを旅して、私はいつもながらの強行軍で美術館を見て回った。
あんまり多くを観てしまうと、一点一点の作品は印象に残らないかもしれない。
それでも、私はそういった美術作品の空間にいられるだけで幸せだった。
いうなれば、私は美術作品をじっくり鑑賞するというよりは、それらの作品を「浴びて」いたのです。
ウフィッツィでも「浴びて」いたのだけれど、やはり前述のようにお目当ての作品というのは存在する。


ピエロ・デッラ・フランチェスカ「ウルビーノ公爵夫妻の肖像」

先に述べたジョットらの宗教画から観て回り、フィリッポ・リッピの作品などもよいけれど、
まず私が、じっくりと歩みを止めて凝視してしまったのが、上に示した作品。
ピエロ・デッラ・フランチェスカの「ウルビーノ公爵夫妻の肖像」である。実はこれもお目当ての作品。
私はウルビーノ公爵夫妻が何者であるかは知らない。知らないが故に想像が広がる。
右の男は鉤鼻である。そして眠そうな眼をしている。ヘンテコな赤い帽子をかぶっている。
左の女は鈴木その子もビックリの美白である。おでこが広い。そして2人の背後の景色は何なのか。

これはまったくもってインパクトのある絵画だ。2人とも真横を向いているのがまた印象的。
実物は想像していたよりも色褪せていた。もっと鮮やかな色なのだと思っていたのだけれど。
この2人は一体何を考えているんでしょうか。結局ウルビーノ公爵夫妻の正体はわからずじまい。
わからないけれど、きっとこの絵のまんまの人だったのでは。その方が面白い。
ニヤニヤしながら怪しい私は展示室を移動。ポッライウォーロの作品の展示室へ出た。

   
「フィレンツェ-芸術都市の誕生 展」のチラシとティケット

そういえば、4年前。東京都美術館で「フィレンツェ展」みたいなのがあって、
そこの目玉作品がポッライウォーロの「貴婦人の肖像」という絵画だった。
この絵画も「ウルビーノ公爵夫妻の肖像」同様、真横を向いた肖像画。
だけど、ヘンテコな感じはしなくて、まさに「貴婦人」。ラピスラズリの背景も印象的だった。
彼女とももしや再会できるのかな。という期待はあったのだけれど、彼女はどこにもいなかった。
当該の個所には「貸出中」みたいな札が貼られてあったのだ。どこいっちゃってたの?ぎゃん!!!


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