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機内の災難 [2008イタリアの旅]

イタリー取材記を開始したと思ったら、2回目の記事の後、1週間の空白。
これはどうしたのかというと、また体調を崩していたからで、取材の疲れがドッと出たようである。
いまだ万全ではないのだけれども、今回は機内の印象をつづることにする。
私が今回利用したのはアリタリア航空なんだけれども、アリタリアには最悪の思い出がある。
4年前、アリタリアを利用しミラノ経由でジュネーブへ向かおうとしたがストに遭遇してしまったのだ。
今回もストが無いかしらんとの懸念を抱き出発の日を待っていたのだが、無事にフライトした。

体調が万全ではない私は機内の通路側の席を確保。これでトイレに気兼ねなく行くことができる。
そんな、私の左隣に空いた2つの座席には若いカップルが座った。イタリア人の男と日本人の女。
先に席に座していた私は、一度席から立ち、後から来たこのカップルを該当の席へ座らせた。
程無くして、何だか眠たくなってきたので、寝ていたが、機体が離陸したところで目が覚めた。
やがてドリンクのサーヴィス。通常ならばアルコール類などをリクエストするが、
この体調でそのリクエストはとても危険なことなので、オレンジジュースなどをリクエスト。

機内食が配られ始めた頃、隣に座しているカップルは少々やかましいのではないかと気がついた。
5分に1度は抱擁したり接吻したりしている。なんなんだこの2人は。
イタリア人の男は日本語が流暢。なんの訛りもない。ジローラモよりよっぽど日本語がうまい。
かと思うと、添乗員にイタリア語で「シーシー」などと言って何某かの要求をしている。
一方、日本人の女の方はイタリア行きが初めてのようで、ガイドブックを手にし男とはしゃいでいる。
そして、5分に1度は抱擁したり接吻したりしている。なんなんだこの2人は。

おかげさまで、私は体調が優れなかったが、気分も害してしまったのだった。
やがて、2人は前方の座席の背の裏に設えられているモニターでゲームを開始。
イェー!!!!!イェー!!!!!イェー!!!!!と喚いている。小学生かっ!
私はといえば、なんとか無事に機内で過ごすことができたが、ゲームをする余裕なぞなし。
何もせずに前方モニターで現在の飛行位置を確認し、まだシベリア上空なの。長いことだなあ。
と、ぼんやりしているのだった。12時間はやはり長い。眠ってしまえばよいが、そんな状況にない。

だが、問題のカップルが急に静かになりだした。
これは不可思議なことであるなあ。と、そーっと様子をうかがうと、男は眠っている。
騒ぎ疲れて眠ってしまったのだな。やれやれ。私は再びモニターの飛行位置をぼんやり見ていた。
すると、ちょっとしてから男が私に声をかけてきた。すいません。ちょっと通してもらっていいですか?
男は先ほどのはしゃぎっぷりが嘘みたいな静かな声で、低頭な姿勢。私は、はいどうぞ。と通した。

数分後、再び座席に帰って来た男。女とまたイチャイチャしだした。
男と女の会話を聞くと、どうやら男は飛行機酔いで気持ちが悪かったらしい。
だから、あんなに静かになっていたのね。わっかりやすいなあ。
そして、「でも、もうダイジョーブ!」とのたまって、女と抱擁、接吻を開始したのでした。やれやれ…。
私は、旅の疲れから「でも、もうダイジョーブ!」な状態ではないので、今日は安静にしています…。


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ローマに到着 [2008イタリアの旅]

前のモニターは現在機体が東欧に差しかかったことを示していて、
ポーランド、チェコ、オーストリア上空。ちょうどウィーン上空を通過した。
1年前はこの真下の都市を訪れたのだ。でも、今回の訪問先はもうちょっと先。
再び機内食が出され、これを喰らう。悪かった体調もそれほどひどくなくなってきた。
やはりただの飲み過ぎだったのだ。ローマの空港はフィウミチーノ空港。
別名レオナルド・ダ=ヴィンチ空港。機体は次第に高度を下げ始めた。

建物のあかりや道路を往来する自動車のあかりが確認できる。
何の実感もわかないが、眼下に見える土地はイタリアだ。
次第にそれらの姿が近づいてきて、ついに機体はフィウミチーノ空港に着陸。
時刻は19時を過ぎたところ。今日は宿に着いたらおとなしく就寝しよう。
なんせ明日は早朝からローマを抜け出し、フィレンツェ日帰り取材を敢行する予定なのだ。


レオナルド・エクスプレス乗車券

それはまあ、先の話。入国検査は何のお咎めもなしにスムースだった。
審査官は旅券にスタンプを押すや旅券をこちらに投げて返した。もっと丁寧に扱ってほしい。
空港からはレオナルド・エクスプレスという列車に乗ってローマの中心、テルミニ駅へ。
所要時間は約30分。私は荷物を受け取るや、レオナルド・エクスプレス発着のホームを目指した。
エスカレーターを上がり、ホームに着くと、次の列車の発車まで10分程の猶予があった。


フィウミチーノ空港からテルミニ駅へ

ホームには切符の自販機が設置されているが、よく使い方がわからなかったので窓口で購入。
私はこれまでの欧州取材で余ったユーロ小銭をかき集めこの旅に持参していたのだが、
それらの小銭を早速使用。レオナルド・エクスプレス乗車料金は11ユーロである。
切符を購入すると、程無くテルミニ駅行きの列車がやってきた。
これに乗っちゃっていいんだよね。とキョロキョロしながら乗車。
スーツケースを車両内の荷物置き場に置いて、窓側の座席に座った。

車窓からの眺めを見ても、イタリアに来た実感はまだ湧かないけれど、
「ROMA」という地名を冠した駅をいくつか通過するにつれ、ローマは近づいているのだと感じる。
窓から見える建物はクリスマスの名残なのか電飾で窓を彩っているが、あまり美しくない。
考えてみればイルミネーションに関しては東京なんていうのは異常なまでの飾り立てよう。
東京を基準に考えてしまうからいけないのだろうか。


テルミニ駅のホーム

テルミニ駅に到着したのは20時過ぎ、今回はテルミニ駅から徒歩圏内の宿を確保していた。
日本人が経営しているペンショーネの一番安い部屋を確保していたのだ。
地図を頼りに歩き出したけれど、該当の住所に辿り着いても大きなドアがあるだけ。
困って同じ道を行ったり来たりしていると、声をかけられた。それも日本語であった。
驚いて振り返ると、日本人の女性が今日予約されている方ですか?と尋ねてきたので、
あはっ。はいそうですそうです。とイタリア語でなく日本語で返答。

この人はこのペンショーネのスタッフであるらしく、大きなドアを鍵を使い?開けてくれた。
なんでも、チェックインは近くにあるレストランでしなければならなかったらしい。
たしかに予約の際に確認したホームページにはそんなようなことが載っていた気がする。
ペンショーネはアパートの一室を利用したところで、この一室の中に5つの部屋がある。
私はこの5つの部屋の内、一番安い料金設定がされている部屋を予約していたのだ。
私は3人も乗ればいっぱいの古いエレベーターでその部屋に向ったのでした。


テルミニ駅


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私のお父さん [2008イタリアの旅]

部屋に着いた私は、うあー着いた着いた。とホッと一息。
先ほど案内をしてくれた女性スタッフが持ってきたチェックインの用紙に記入を済ませた。
今日はもうどこにも出かけず、ゆっくりと休みたいものであると考えていたのだが。
その考えはいつのまにか砕け散った。私は再びテルミニ駅に向かい歩きだした。
テルミニ駅の地下には様々な商店が並んでおり、一通り見てやろうという魂胆だ。

テルミニ駅に着くと、本屋があったので入ってみた。別に何を買うわけでもないけれど。
ハリー・ポッターやらラファエロの画集やらイタリア映画に関する本だとかいろいろある。
店内をぐるっと回っていたら、いかがわしい本が並べてある一角に立っていた。ああ恥ずかしい。
本屋を出て、テルミニ駅の地下を散策。マクドナルドだのピッツァ(ピザではない)の店だのある。
ガイド本によると、地下にはスーパーがあるらしい。探してみたが、隅の方に確かにあった。
CONADというスーパー。想像より小さなスーパーだったが、この後、頻繁に利用することになる。

スーパーから宿に戻った私は、今度こそおとなしく就寝。
部屋の明かりを消したが、隣の部屋から聞いたことのある音が聞こえてくる。
スーパーマリオのマリオがコインを獲得している音であった。あのチャリンっていう。
先刻案内してくれた女性スタッフによると、ここに現在宿泊しているのは全員日本人だという。
確かに隣の部屋には日本人の男2人が宿泊している気配が感ぜられる。
そして、何らかのマリオのゲームをしていたようなのである。

その隣の部屋から響くチャリン。チャリン。という音を聞きながら、ベッドに横になっている私。
耳を澄ましていると、やがてその隣の部屋の男が「ジャンニ・スキッキ」と断りを入れ、
朗々と「私のお父さん」の冒頭を歌唱し始めた。オーミオバンビーノカーローと。
日本人のその男のプッチーニの歌唱により、不思議とイタリアに来た実感が湧いてきた私。
な。何者なんだ隣の部屋の男は…。そう思いつつ私はまどろんでいった…。

翌朝は5時30前には起床しただろうか。入念に忘れ物はないか調べ部屋を出た。
部屋の鍵をかけるのが少々難儀。うまくかからない。次第に慣れはしたけれど。
テルミニ駅に向かいずんずん歩く私。外はそんなに寒くはない。
6時30分発のミラノ行きの列車に乗り、フィレンツェに向かうのだ。
えっ?ローマの取材?それはあとあと。まずはフィレンツェの日帰り取材。
フィレンツェまでは約1時間30分。ルネサンスの都に向かうことができるのだ。楽しみで仕方がない。

小さい頃、漫画世界の歴史みたいな全16巻の本を持っていた。
その中で一番好きだったのが第8巻のルネサンスが登場する巻だった。
レオナルドとミケランジェロが絵画対決をする場面なんて、単純に面白いのである。
歴史云々ではなくて朝青龍と白鵬の直接対決みたいな感覚でマンガを読んでいたのではないか。
ヘンな喩えを持ち出してしまってけれど、その舞台フィエンツェはいよいよ迫っているのだった。


ローマ・テルミニ駅→フィレンツェ間の切符


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