パリで映画を観る(2本目) [2018パリの旅]
2018年5月5日(土) 午後3時32分 パリ パテ・ジェローム・セドゥ財団
パテ社のトレードマーク「雄鶏」
パテ・ジェローム・セドゥ財団の地下階で映画の上映が始まるのが午後4時半から。
まだ1時間近く時間があるので、上階の展示室を見てみることにした。
そこは、パテ社の創生期から20世紀後半に至るまでのカメラや映写機がずらりと並ぶ空間であった。
公式ホームページによると、約150台が展示されているらしい。
展示室のみであれば3ユーロで入場できるが、ここは映画を観るついでに訪れる人がほとんどだろう。
映画1本鑑賞+展示室訪問だと料金は6.50ユーロとなる。
展示室
とは言え、これだけ機材が並ぶ空間はなかなかである。
シネマテークの映画博物館でも、これだけカメラや映写機が並んでいる展示はなかったと思う。
このカメラは何を記録したのだろうか?この映写機は何を映し出したのだろうか?
各機材の製造年代から、いろいろな想像をかき立てられる。
展示室の一画には、1920年代?のパテ社の工場の様子を記録したフィルムが上映されている。
イスに腰掛け、このフィルムを観るなどして時間を潰した後、上映室のある地下階へ降りた。
展示室
シネマトグラフ(1896年頃)
Pathé WEBO(左から1946年、1954年、1956年、1960年)
さて、これから私が観る映画はルイ・デリュック監督の"L'Inondation(洪水)"という作品である。
1923年の作品で当然サイレント映画。上映時間は1時間20分である。
語学がダメな私でもサイレントなら大丈夫であろうということで、またしてもサイレント映画である。
日露戦争の映画のポスター(1905年)
ルイ・デリュックという名であるが、映画チラシを収集している私には見覚えがあった。
昔のフランス映画のチラシに「ルイ・デリュック賞受賞!」とかあるのをよく目にしていたからである。
「ルイ・デリュック賞受賞!」と言われても、よくわからないが、多分すごいのである。
そして、その映画賞に名を残すルイ・デリュックという人も、おそらくすごい人なのである。
しかし、その人の作品を観たことがない。だから今回はよい機会なのである。
(左)「城の生活」の映画チラシ(1967年)
(右)チラシの拡大「ルイ・デリュック賞受賞作」とある
上映室の入りは4割程度だろうか。外国人は私くらいであると思われた。
上映前、アナウンスがあり、ピアニストが紹介された。
まだ若そうなピアニストは、客席を通り、スクリーン向かって左に設置されているピアノに腰掛けた。
パテ・ジェローム・セドゥ財団での上映の特徴は、このようにピアノ伴奏付きということなのである。
これで6.50ユーロだというのだから、ちょっと得した気分である。
さあ、上映開始である。
上映室
ひとりの貧しい身なりの女性が小さな村の駅に降り立ち、ある青年に恋をする。
しかし、青年には婚約者があって、三角関係に…。というようなおはなしだった。
貧しい女性の心理が洪水の映像が挿入されることによって象徴的に表現されていた。
私は鑑賞後、無性に感動してしまった。
ストーリーを把握できたこと、ピアノの伴奏付きで観られたことの喜びもある。
でも、作品自体のパワーがすごかったのだと思う。
地下階のロビー
上映後、フランス人の青年が受付の女性に対し、少し興奮気味に作品の感想を語っていた。
私もその気持ちはよくわかる。もう一度、どこかで鑑賞する機会はないだろうか?
と、記している今知ったことなのだが、この作品。
今年1月にアンスティチュ・フランセ東京で上映されていたらしい。やはりピアノ伴奏付きで…。
ただ漫然としていると、こういう素晴らしい作品を観る機会を逃してしまうのだなあ…。
この「洪水」はルイ・デリュックの遺作となった。
デリュックは悪天候の中、本作を撮影したことで肺炎となり、33歳の若さで亡くなったのだった。
最後に記念品としてトートバッグ(6ユーロ)とチャップリンの小さな伝記(7.50ユーロ)を購入
パテ社のトレードマーク「雄鶏」
パテ・ジェローム・セドゥ財団の地下階で映画の上映が始まるのが午後4時半から。
まだ1時間近く時間があるので、上階の展示室を見てみることにした。
そこは、パテ社の創生期から20世紀後半に至るまでのカメラや映写機がずらりと並ぶ空間であった。
公式ホームページによると、約150台が展示されているらしい。
展示室のみであれば3ユーロで入場できるが、ここは映画を観るついでに訪れる人がほとんどだろう。
映画1本鑑賞+展示室訪問だと料金は6.50ユーロとなる。
展示室
とは言え、これだけ機材が並ぶ空間はなかなかである。
シネマテークの映画博物館でも、これだけカメラや映写機が並んでいる展示はなかったと思う。
このカメラは何を記録したのだろうか?この映写機は何を映し出したのだろうか?
各機材の製造年代から、いろいろな想像をかき立てられる。
展示室の一画には、1920年代?のパテ社の工場の様子を記録したフィルムが上映されている。
イスに腰掛け、このフィルムを観るなどして時間を潰した後、上映室のある地下階へ降りた。
展示室
シネマトグラフ(1896年頃)
Pathé WEBO(左から1946年、1954年、1956年、1960年)
さて、これから私が観る映画はルイ・デリュック監督の"L'Inondation(洪水)"という作品である。
1923年の作品で当然サイレント映画。上映時間は1時間20分である。
語学がダメな私でもサイレントなら大丈夫であろうということで、またしてもサイレント映画である。
日露戦争の映画のポスター(1905年)
ルイ・デリュックという名であるが、映画チラシを収集している私には見覚えがあった。
昔のフランス映画のチラシに「ルイ・デリュック賞受賞!」とかあるのをよく目にしていたからである。
「ルイ・デリュック賞受賞!」と言われても、よくわからないが、多分すごいのである。
そして、その映画賞に名を残すルイ・デリュックという人も、おそらくすごい人なのである。
しかし、その人の作品を観たことがない。だから今回はよい機会なのである。
(左)「城の生活」の映画チラシ(1967年)
(右)チラシの拡大「ルイ・デリュック賞受賞作」とある
上映室の入りは4割程度だろうか。外国人は私くらいであると思われた。
上映前、アナウンスがあり、ピアニストが紹介された。
まだ若そうなピアニストは、客席を通り、スクリーン向かって左に設置されているピアノに腰掛けた。
パテ・ジェローム・セドゥ財団での上映の特徴は、このようにピアノ伴奏付きということなのである。
これで6.50ユーロだというのだから、ちょっと得した気分である。
さあ、上映開始である。
上映室
ひとりの貧しい身なりの女性が小さな村の駅に降り立ち、ある青年に恋をする。
しかし、青年には婚約者があって、三角関係に…。というようなおはなしだった。
貧しい女性の心理が洪水の映像が挿入されることによって象徴的に表現されていた。
私は鑑賞後、無性に感動してしまった。
ストーリーを把握できたこと、ピアノの伴奏付きで観られたことの喜びもある。
でも、作品自体のパワーがすごかったのだと思う。
地下階のロビー
上映後、フランス人の青年が受付の女性に対し、少し興奮気味に作品の感想を語っていた。
私もその気持ちはよくわかる。もう一度、どこかで鑑賞する機会はないだろうか?
と、記している今知ったことなのだが、この作品。
今年1月にアンスティチュ・フランセ東京で上映されていたらしい。やはりピアノ伴奏付きで…。
ただ漫然としていると、こういう素晴らしい作品を観る機会を逃してしまうのだなあ…。
この「洪水」はルイ・デリュックの遺作となった。
デリュックは悪天候の中、本作を撮影したことで肺炎となり、33歳の若さで亡くなったのだった。
最後に記念品としてトートバッグ(6ユーロ)とチャップリンの小さな伝記(7.50ユーロ)を購入
ピアノの伴奏付きで映画鑑賞って素敵すぎます( ^ω^ )
サイレント映画、映像だけでも表現力はすごいんだと思いますが、
ピアノの伴奏でますます臨場感溢れる映画になったでしょうねぇ*\(^o^)/*
トートバッグよりもチャップリンの小さな伝記の方が
お値段が高いんですねぇ(°_°)
by ニッキー (2018-10-06 21:46)
ピアノ伴奏つきで、6.5ユーロとは安すぎですー。1月にアンスティチュ・フランセでやってたんですか。残念。アンスティチュ・フランセは、旧名日仏学院、私がフランス語を習った学校です。その頃から、時々、いい映画をやっていました。
by TaekoLovesParis (2018-10-07 22:42)
ニッキーさん、こんにちは!
トートバッグは丈夫な作りで6ユーロというのは安いような気がしました。
シネマテークで買ったトリュフォーのトートバッグが16.90ユーロでしたから…。
あ。トリュフォーのトートバッグが高すぎるのか…。
伝記は子供向けで読みやすいかなと思ったのですが、意外と読みにくかったです…。
Taeko さん、こんにちは!
アンスティテュ・フランセでの映画、時々観に行くんですよ。
たまに監督や俳優さんが来たりするんですよね。
Taeko さんはあそこで勉強されていたのですね。
by りんこう (2018-10-08 11:28)
パリ?行ったことないです。
パリで映画?
羨ましい。
おまけ載せました。
by lamer (2018-10-10 17:46)
lamer さん、こんにちは!
日経の記事拝見しました。
あの文化欄はよく見るのですよ。他の欄はあまり読まないのですが…。
by りんこう (2018-10-13 15:33)
こんばんは。
ピアノ演奏付きの映画ですか、すばらしいですね。
城の生活は、カトリーヌ・ドヌーブ主演なんですね。観てみたいです。TSUTAYAにDVDがあったらいいのですが。それか、Amazonだったら、名作として販売しているかも。
それにしても、悪天候の中の撮影で、33歳の若さで亡くなったとは、ルイ・デリュックの映画にかける情熱はすごいものですね。
トートバッグとチャップリンの伝記、なかなか日本では手に入らないので、貴重ですね。
by coco030705 (2018-10-13 17:46)
coco030705 さん、こんにちは!
僕も「城の生活」という映画、観たことないのですよ。
フランス映画で観てみたい作品はいっぱいあるのですが国内盤だとDVDが少ないですね。
フランスでDVDを買ってくればよかったかもしれません。
by りんこう (2018-10-14 10:46)