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2018パリの旅 [2018パリの旅]

2018年5月2日(水) 午後9時07分 羽田空港

羽田空港.jpg
羽田空港

所沢駅東口発、羽田空港行の最終バスは午後8時30分である。
この便に乗車すると、午後10時10分に羽田空港国際線ターミナルに着くことになっている。
だが、この空港行リムジンバスは予定時間より早く到着することがしばしばある。
今回もかなり早く到着してしまった。時刻は午後9時になったばかりである。
搭乗するKE720便は日付が変わって午前2時のフライトなので、まだ5時間近く時間がある…。
バスではなく鉄道で向かえばもっと遅い時間に自宅を出ても十分間に合うし、安くあがる。
でも、やっぱりバスの方が楽ちんであるから1540円という銭を出してバスに乗車したのであった。

ビール
さっそく飲んでます

空港に着くや、掲示板でフライトの状況を確認するが、早く着きすぎたせいで、当該便の表示がない。
チェックインも開始されていないようである。
とりあえずラーメンを食べ、ビールを飲み、適当に5万円をユーロに換え(360ユーロとなった)…。
と、そうこうしているうちにチェックインが始まった。
今回はソウル乗換でパリへ向かう。搭乗するのは話題の大韓航空である。

ラーメン

渡航前の数週間は居たたまれない不安に苛まれることがままあるが、今回もそうであった。
問題はソウルからパリに向かう便であった。
KE5901便であるが、これはエールフランスの機材での運航ということであった(AF267便)。
このエールフランスがストライキを頻発していたのだから気が気ではなかった。
私はストライキの動きが気になって、AF267便の運行状況を数週間前からネットでチェックしていた。
すると、案の定、情け容赦なくキャンセルが頻発されているではないか!

時刻表

私はかつてアリタリア航空のストライキに直面したことがある。
あの時はジュネーヴまでのフライトだったが、経由地のミラノで降ろされてしまった。
代替として、鉄道のチケットを受け取り、ミラノ中央駅からジュネーヴまで遙々乗車したのである。
今回、もしソウルで降ろされてしまったらどうだろうか?
パリまでの代替の鉄道のチケットを…。
まあ、鉄道であるわけはないが、なんとかスムーズにパリまで到達したいものである。

搭乗ゲート①
羽田→ソウル(仁川) 搭乗ゲート

そんな不安の体でチェックイン。パリまでですね。と、これがすんなりチェックインである。
ああ、どうやら大丈夫であるらしい。
私は出国審査へ急いだ。午前2時のフライトであるから急ぐ必要は無いが…。
しかし、今日は5月2日。私は出国のスタンプに「2.MAY.2018」の印字があることを望んだ。
「2.MAY.2018」の印字だと3泊6日の取材となる。「3.MAY.2018」では3泊5日の取材となってしまう。
少しでも長い間渡航してきたんだぞ!というしょうむない自己満足でしかない「2.MAY.2018」。
日付が変わる約15分前、私のパスポートには「2.MAY.2018」のスタンプが押されたのだった…。

羽田からソウルまでのフライトは、当たり前だがすぐに終わってしまった。
続くソウルからパリまでのAF267(KE5901)便は午前9時05分のフライト。
またもや5時間ほど時間がある…。
韓国入国ということも可能であったろうが、深夜であるし、疲れるのでそれはやめにした。

機内食
羽田→ソウル(仁川) 機内食

薄暗い空港のベンチに腰掛けて、ひたすら時間が経つのを待つ、眠ろうにも眠れない。
初っ端からハードなのであるが、私は何も考えずにこのフライトを選択したのではない。
このフライトで行けば、深夜に日本を出て、パリには午後2時過ぎの到着となる。
何もなければ午後4時台にはホテルにチェックインできるであろう。
つまり、夕方から行動開始できるのである。
しかも、パリ到着の5月3日は木曜日。木曜日はオルセー美術館が夜間開館している日である。
限られた時間。有効に使わねばならない。私はパリ到着早々オルセーに行く気満々である。

搭乗ゲート②
ソウル(仁川)→パリ 搭乗ゲート
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3年ぶりのパリ [2018パリの旅]

2018年5月3日(木) 午前6時05分 仁川国際空港

AF267便
AF267便

ソウル・パリ間は前回の記事にも載せたとおり、エールフランスの機材での運航である。
一時はストライキを危惧していたが、予定通りのフライトで本当にほっとした。
機内に乗り込み、まずはぼんやりと機内安全ビデオを見ることになる。
エールフランスの機内安全ビデオ…。私は初めて見たのだが、さすがフランスである。
オシャレすぎるのである。笑ってしまったではないか…。
こんなにオシャレだとじっくりと見てしまうのだ(注意内容が頭に入るかは別だが)…。

機内食①
機内食(1回目)

あとはひたすらパリへのフライトである。
提供される機内食を処理しながら、昨晩眠っていなかったこともあり睡眠を試みる。
まあ、眠っていられるのは連続1~2時間程度で長時間の睡眠が出来る環境ではない。
映画を観てみようと思い、フランソワ・トリュフォーの「突然炎のごとく」を選択した。
だが、フランス語であるため見事10分で挫折…。
この映画。実は訳あって渡航前に自宅でDVD鑑賞していた。だからまあいい。
その訳は後日明らかにするとして、次にウディ・アレンの「ミッドナイト・イン・パリ」を選択。
これは英語だったと思うが、なんとか完走することができた。
そうこうしているうちにパリが近づいてきたのである。

機内食②
機内食(2回目)

午後2時過ぎ。パリに到着。3年ぶりのパリである。RERのB線に乗ってパリ中心部を目指す。
今回は"Hotel Flor Rivoli"というところに宿を取る。1泊95ユーロ(約12000円)である。
パリ発祥の地シテ島に近く、ルーヴルなどへも徒歩圏内である。
立地の割にリーズナブルなところと言えるであろう。
お隣がスーパーになっていて食料などを調達できるのも便利である(ただし部屋に冷蔵庫はない)。

時刻表
シャルル・ド・ゴール空港で撮った時刻表。こころなしか"Annulé(キャンセル)"が多い

RERのB線、メトロと乗り継いでChatlet駅に到着した。
大きな駅なので出口がたくさんあるが、リヴォリ通りに面した出口から適当に出る。
事前にグーグルマップで宿への道のりをシミュレーションしていたので、迷うことはなかった。
チェックイン。私はフランス語を少々勉強したことがあるので、その成果を披露する時だ。
だが、フロントのスタッフ。私を観るなり「りんこう?」と訊いてきた。
もちろん、顔見知りというわけではない。
その日、宿泊する日本人が私だけだったのですぐに名前がわかったのであろう…。

宿
泊まったところ

鍵を受け取り、エレベーターで3階(日本でいう4階)へ。まあまあの広さがある。
以前、パリ東駅近辺の安宿に泊まった際は、スーツケースを広げたら足の踏み場もない感じであった。
それに比べれば広い広い。十分である。
ただ、前述の通り冷蔵庫がない…。
冷蔵庫があれば、飲食物(特にビール)を買ってきて冷やしておけるのだが…。
まあ、仕方が無い…。

部屋
泊まった部屋

時刻は午後4時半である。計画通りである。
これから私はオルセー美術館に向かうことにする。
木曜日なので夜間開館を実施している。この時間からでもじっくりと鑑賞できるはずだ。
ただし、気になることは、入場に際して行列が出来ていたりしないだろうか?ということである。
何年前だったか、オルセーで長蛇の列が出来ていた記憶がある。
その時は「パリ・ミュージアム・パス」というパスを利用して優先的に入場できた。

パリ
パリにやって来た

「パリ・ミュージアム・パス」には2日間券、4日間券、6日間券とがある。
このパスを用意すれば、オルセーに限らず様々な文化施設にスムーズにお得に入場できる。
今回、購入するとしたら2日間券であろう。日本で渡航前に購入すると6800円する。
現地で購入すると48ユーロ(約6200円)とちょっと安くなる。
だが、今回の予定を考えると、これではどうも元が取れそうもないのである…。
元が取れる云々を気にせず、スムーズに入場できるメリットを考えて利用するのもありだろう。
はて、どうしたものか…。
と、私は迷いながらも、結局はパスを購入せずにオルセー美術館方面へ歩いて行ったのだった。

ブキニスト
涼しく爽やかでとてもウキウキしてます…
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オルセー美術館 [2018パリの旅]

2018年5月3日(木) 午後5時04分 フランス共和国 パリ

パリ

ポン・ヌフを渡りパリ左岸へ。
宿からオルセーまでは徒歩圏内であるので、のんびりとセーヌ川沿いを歩いて行く。
立ち並ぶブキニストを横目に見ながら、なんとも幸せな気分で歩いているとオルセーが見えてきた。
さて、行列は?
これがまったく並んでいなかった。パリ・ミュージアム・パスは必要なかったのである。
荷物検査を受け、カウンターでチケット購入(12ユーロ)。すんなり入場できた。

オルセー美術館
オルセー美術館

美術館内部もさほど混雑していない。これならじっくり鑑賞できるであろう。
順路など決めずに適当に歩いたけれど、おなじみの絵画が次々と登場するからやっぱり楽しい。
かつて来日してくれた絵画との再会もあり、元気にしているようで何よりであった。
向こうが私のことを憶えてくれているわけはないけれど、絵画は会いに行くものなのだと思う。

入館したところ

地上階のカバネル、ブグローといったアカデミック絵画の登場人物達の恍惚とした表情に見とれ…。
2階のアール・ヌーヴォー展示室では、家具の鏡面に映る自分の姿をカメラに収めるのに四苦八苦…。
そして、5階では印象派の巨匠達のオンパレード。展示室を移動するのが本当に名残惜しく感じられた。
しかし、これらを見て回ると…。やはり、巨大な美術館は疲れるのだった…。
そんな状態で、あ。ゴッホを観ていない…。ということになり、ゴッホの展示室を探す始末である。
パリ到着直後、夜間開館を有効利用できたのはいいが、オルセー美術館。やはり手強いのであった…。

ブグローの作品
ウィリアム・アドルフ・ブグロー(1825~1905)の作品

シロクマ
フランソワ・ポンポン(1855~1933)の「白熊」

アールヌーヴォーの家具
アール・ヌーヴォーの家具

印象派
印象派の展示室

ゴッホの展示室
ゴッホの展示室

こうして常設展を一通り回った後(これはかなり疲れる)、特別展も観ることにした。
特別展は「Âmes sauvages」という展示であった。
これはバルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)の象徴派絵画を紹介するものである。
今から7年前。バルト三国を訪れたことのある私である。
なんとなく関心があったので入ってみた。

特別展
特別展「Âmes sauvages」

たいした知識も無く入ってみたが、確かにここは常設展示とは違う、またオリジナルな空間であった。
なんとなく、観ていて重苦しくなる作品が多いように感じられた。
これは以前、国立西洋美術館へ「ムンク展」(2007年)を見に行ったときの感覚と似ている。
あの時は鑑賞後、気持ちが悪くなったというか、かなり気分がへこんでしまったのである。
そこまでとはいかないまでも、この特別展は観ていて不安な気持ちになる作品が多かったように思う。
北方の国ってこうなのかな?と乱暴にくくってみるが、何に起因するものなのかはよくわからない。

Nec mergitur
Ferdynand Ruszczyc(1870~1936)「Nec mergitur」

Jeune paysanne
Johann Walter-Kurau(1869~1932)「Jeune paysanne」

Le passé
ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス(1875~1911)「Le passé」

リトアニアの画家、チュルリョーニス(1875~1911)の作品も多数展示されていた。
この画家は、私が知っている唯一のバルト三国の画家である。
バルト三国への旅行を計画しているときに興味を持ったのだが、手に入れられる情報が少なかった。
この人は作曲家でもあるから、新宿のタワー・レコードで弦楽四重奏のCDを入手して聴いたりもした。
(同じCDがオルセーの売店でも売っていた)
リトアニアでは、カウナスにある国立チュルリョーニス美術館というところに行ってみたかった。
結局、時間が無く断念したので、実際の絵画作品を目の前にしたのはおそらく初めてだと思う…。
(その代わりに訪れたのはグルータス・パークというところであった…)

天地創造の連作

天地創造①天地創造②
チュルリョーニスの連作「天地創造」

展示では国立チュルリョーニス美術館から何点も貸し出されているようだった。
中でも、代表作とされる「天地創造」の連作が展示されていたのはラッキーだった。
チュルリョーニスは生物学的なものにも関心を持ちながら、この連作で抽象的な世界を展開している。
「天地創造」というと、ハイドンに同名のオラトリオがある。
作曲家でもあったチュルリョーニス。どんな音を想いながらこの連作を描いたのであろう?
興味深い展示であったので、この特別展、つい図録を購入してしまった(45ユーロ)。
日本の展覧会の図録ですら後で見ることがないのに…。
それがフランス語の図録である…。けっこう分厚い。これは日本に持ち帰るのがたいへんだ…。

図録
特別展の図録
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