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グレタ・ガルボに会いに行った。 [お墓]

2011年4月28日(木)、現地時間 午後7時27分、ストックホルム Skogskyrkogården 駅

スコーグスシュルコゴーデン(長いので以下「森の墓地」)には地下鉄で向かう。
ズバリ「森の墓地駅」という駅があるので、そこで下車すればよい。
地下鉄はホテルからちょっと歩いたÖstermalmstorg 駅というところから乗車することにした。
券売機は紙幣が使えず、使用できるのは硬貨かクレジットカードである。
この街に着いたばかりの私は紙幣をくずしているわけがなく、硬貨など所持していない。
というわけで、私は切符1枚買うのにクレジットカードを使用するのであった。

Östermalmstorg 駅
Östermalmstorg 駅のホームにて

1時間乗り降り有効の乗車券を購入して30スウェーデン・クローナ。日本円で400円程。高いなあ。
1時間乗り降り自由というが、これから森の墓地に行って取材すれば、1時間なんてすぐ経過する。
帰りもまたこの400円もする乗車券を購入せねばならないのであろうか。高い。高すぎる。
どうやら、トラベルカードというのもあるらしく、1日券が100スウェーデン・クローナらしい。
このトラベルカードの1日券というのを購入すればよかったと今は後悔している…。
券売機から出てきた乗車券はレシートのようなヘナヘナした紙。これを駅員に見せて改札を通過。

Skogskyrkogården 駅
Skogskyrkogården 駅

森の墓地駅はストックホルムの中心部から南にちょっと行ったところにある駅。
下車してちょいと歩けば、そこはもう世界遺産の森の墓地である。
私はこれまで数々の墓地を訪れてきたが、世界遺産の墓地というのは初めてではないだろうか?
ここは建築家グンナール・アスプルンドとシーグルド・レヴェレンツの手による共同墓地で、
北欧の死生観が反映され、自然に溶け込むようにして存在している。
ずんずん進んでいくと、まずは大きな十字架が視界に飛び込んできた。

森の墓地
森の墓地(1994年世界遺産登録)

私は、今回数々の印象的な建造物を見ることになるが、それを取材のメインにしていたのではない。
森の墓地にしてみても、北欧の死生観云々を考えながら来たわけではないのであった。
では、なんでストックホルム到着直後にのこのことお前は墓地に来たのか?ということになるが、
それは、ここに伝説の大女優グレタ・ガルボが眠っているとの情報を得たからなのである。
1941年、36歳で引退し、以降決して公の場に姿を現さなかったグレタ・ガルボ。
森の墓地で私はそのミステリアスなグレタ・ガルボさんに会いに行ったというわけなのである。

森の墓地の十字架
森の墓地の十字架

情報によると、グレタ・ガルボは墓地の中の「森の礼拝堂」の近くで眠っているらしい。
簡単な墓地の地図を手に入れていた私は、その地図を片手に、まずは「森の礼拝堂」を探した。
しかし、森の墓地は想像以上に広大であった。森の礼拝堂の場所がわからない…。
私は自然と森の墓地の中をしばらく彷徨うことになってしまっていた。
大きな木々の陰にひっそりとある墓石の数々。ここなら静かに眠ることができるだろう。
そんな風にして、ここでは森と墓地が一体となってずっと向こうの方まで続いているのである。

森の墓地にて
墓石はひっそりとある

ふらふら歩いていると、ようやく小屋のような建物を発見したので、近づいて行ってみた。
どうやら、この建物が「森の礼拝堂」であるらしい。これもアスプルンドによる建築。
墓石にしても礼拝堂にしても、ほんとうにここでは森の中に控え目に存在している。
ところで、グレタ・ガルボはどこに眠っているのだ?この礼拝堂の近くにいるはずなのだが。
午後8時を過ぎ、夕焼け空になり、焦り始めたころ頃。私はようやく一基の墓石を見つけた。
その墓石は花に囲まれて、一基だけ離れて立っていた。あ。あれがきっとガルボだな。

森の礼拝堂
森の礼拝堂

一基の墓石
一基の墓石

墓石に近づくと、はたしてその墓石はグレタ・ガルボの墓石なのであった。
この墓地では少々異質なエレガントな墓石で、そこには"Greta Garbo" と刻まれているのみ。
生没年も何もない。"Greta Garbo" だけ…。この「グレタ・ガルボ」というのは芸名である。
本名はグレタ・ロヴィーサ・グスタフソンというらしいが、墓石にはこの本名も刻されていない。
何か強い意志を感じる。この人はミステリアスな「グレタ・ガルボ」という人生を見事に演じ、
そのミステリアスなまんま、「グレタ・ガルボ」のまんまで森の墓地に静かに眠っているのだった…。

グレタ・ガルボのお墓
グレタ・ガルボ (1905-1990) のお墓

ガルボの写真
ガルボの写真が供えられていた
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コメント 9

TaekoLovesParis

高い北欧らしい木々の間に見える墓石。
ガルボの墓石は、色も形も、文字もおしゃれですね。
さすが、、です。写真を見てると、この場所が世界遺産に
なったのがわかります。
by TaekoLovesParis (2011-05-19 00:25) 

桔梗之介

勝手に、森に囲まれた墓地だろうと想像してましたが、
本当に森の中、いや森そのものが墓地なんですね。驚きました。

そして、グレタ・ガルボ。失礼して、ここから合掌。
墓石に生没年も本名もない・・・
彼女の、女優“グレタ・ガルボ”の生き方そのもののようです。
by 桔梗之介 (2011-05-19 10:44) 

orange

森の中の文化、森の文化。この国の人々の森への思いが
伝わってくる風景ですね。
地下鉄の壁面の絵も素敵です。
by orange (2011-05-19 11:41) 

pica

グレタ・ガルボはストックホルム出身だったのですね。
ホントに名前そのままの「森の墓地」、こんな静かなところで
眠っているとは知りませんでした。
by pica (2011-05-19 16:31) 

Inatimy

森林の間にポツポツ・・・広々としてて静かで、眠る場所にはいいですね~。
お墓の周りには花がたくさん植えられてて、これも素敵。
by Inatimy (2011-05-19 17:10) 

Silvermac

永遠の夢の女王と言われたグレタ・ガルボはスエーデン生まれでしたね。
by Silvermac (2011-05-19 17:42) 

りんこう

Taeko さん。こんばんは!
ガルボの墓石はほんとうにおしゃれで素敵な墓石ですよね。
まだ先のことですが、スウェーデンでは新紙幣が発行されるそうです。
その紙幣の肖像に何とグレタ・ガルボが使われるそうで!!!
これはすごいですね!発行されたらぜひとも入手したいです。

桔梗之介さん、こんばんは!
ホントにそのまんま森と一体となった「森の墓地」なのでした。
20世紀の「建築」がこんなに早く世界遺産となるのも珍しいようです。
ガルボのお墓はほんとうにこの人の生き方を象徴しているような墓石でした。

orange さん、こんばんは!
人間は亡くなると森に還って行く…。そういうことみたいです。
地下鉄の壁画に着目されたorange さんは鋭いですね。
ストックホルムの地下鉄駅はちょっとしたアートになっているのですよ。

pica さん、こんばんは!
スウェーデンの女優さんというとグレタ・ガルボとイングリット・バーグマン。
バーグマンの墓参もしたかったのですが…。時間がありませんでした。

Inatimy さん、こんばんは!
ガルボのお墓はやはり特別で、一基だけ離れてありました。
この森の墓地のコンセプトとはちょっと違う存在の仕方でしたが、
やはり大スターだからなんですね。お花に囲まれ華やかでした。

Silvermac さん、こんばんは!
ガルボはほんとうにきれいな人ですね。
「神聖ガルボ帝国」というような謳われ方もされてました。
国になっちゃう感覚がよくわからないのですが…。
by りんこう (2011-05-19 20:34) 

mimimomo

こんにちは^^
スウェーデンでしたか。それもフィンエアで・・・ わたくしはポルトガル、スペインでしたが
やはりフィンエアで、ヘルシンキ乗り継ぎでした。
機内食がちょっと似通っているようで^^
グレタ・ガルボ・・・名前だけ知っているような・・・
by mimimomo (2011-05-21 14:02) 

りんこう

mimimomo さん、おかえりなさい!
ポルトガル、スペインでしたか。フィンエアーとは偶然でしたね。
僕はポルトガルには行ったことがなく、スペインもカタルーニャ地方だけ。
mimimomo さんの記事を楽しみにさせていただきます!
by りんこう (2011-05-21 17:49) 

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