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機内にて [2007中欧3ヶ国の旅]

さて、成田からウィーンへ向う機内で私の右隣に座していたのは日本人のおっさんであった。
この人はドリンクが運ばれるたびにビェールを要求していた。
もっとも私もそうだったのであるが。
さて、隣同士、ビェールを呑んでいたところ。この人が私に語りかけてきた。

「どこに行くの?」
「プラハです。そのあとウィーンに行きます。時間があればスロヴァキアも」
「ブラチスラバ?」
「ええ、時間があればですが…」

話を聞くと、この人はスロヴァキアの工場に出向しているとのことであった。
年末と元日だけ日本でゆっくりしていたということである。
どこか小さな町の工場だと仰っていたが、町の名は失念してしまった。

「ぜひスロヴァキアものぞいてあげて下さいよ」
「ええまあ…」
とは答えたものの、わたしの旅程は超過密なのであり、
この時点ではまだスロヴァキアに行ったるという固い決心は無いのだった。

その後、乗り物酔いの兆候が現れ、ピンチに陥るも、トラベルミンを服用し、それを鎮め、
抜け殻のようになりモニターのシベリア上空を飛ぶ航空機の図を数時間打ち眺め、
映画プログラムを観るなんてなことはせず、イヤーホンにも手をつけず。
十数時間耐えに耐え。ウィーンに付いたのは現地時間16時過ぎ。外はもう暗い。

空港内に入り、まず目に飛び込んできたのが、
「ヨハン・シュトラウス」という名のお食事処なのだった。
これを見て私は、おお、ウィーンなのだなあ。と実感が湧いた。何と単純であることか。
が、とりあえず、この地とは数日おさらばである。
まずはプラハを目指す私は、すぐさま乗り継ぎのロビーへ。

ロビーにて腰掛けていると女性の係員から旅券の提示を求められた。
別に何事もなかったのだが、こういうのはやはり連行されそうで恐い。何も悪いことはしてません。
ほどなくゲートが開き階段を降り、エアバスが待機する地点までバスで移動。
バスから降りたはよいが、強風が待ち構えていた。寒い。

数分、寒空の下で待機させられた後、エアバスに乗り込んだ。
機内ではモーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲ハ長調」の第2楽章が流れていた。
さて、ウィーンからプラハまでは1時間もかからない。
私は飛行中、窓からの景色を眺め、もうチェコ上空なのか知らん。と密かに興奮していたのだ。
いよいよプラハは近づいていた。

モーツァルト : フルート&ハープ協奏曲&クラリネット協奏曲

モーツァルト : フルート&ハープ協奏曲&クラリネット協奏曲

  • アーティスト: ランパル(ジャン=ピエール), パイヤール室内管弦楽団, ラスキーヌ(リリー), モーツァルト, パイヤール(ジャン=フランソワ), ランスロ(ジャック)
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2000/06/21
  • メディア: CD


機内にて、「抜け殻」となってしまったため、今回は写真が一枚もありません。
申し訳ございません…。


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plot

この先の展開、楽しみです。
by plot (2007-01-30 02:01) 

りんこう

plot さん。いつもありがとうございます!
なかなか先に進まない旅行記になるでしょうが、
お付き合いいただければ、幸せです。
by りんこう (2007-01-30 23:57) 

TaekoLovesParis

機内で具合が悪くなると、不安になりますよね、きっと。
私は今までは、いつも元気だけど、この先のことはわからないから。。。
聞こえてくる音楽、目にはいる看板へのりんこうさんの観察から、
「異国にいる」という感じがよく伝わってきます。
by TaekoLovesParis (2007-02-02 00:10) 

りんこう

Taeko さん。こんばんは!
僕はときたま機内で気分がすぐれなくなります。
車や船でもそういうことがあります。
飛行機は大丈夫だろう。という気持ちがあるのですけれど、
現実はつらいですねぇ。記事中にあげた「トラベルミン」は必需品です。
by りんこう (2007-02-03 17:53) 

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