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5年ぶりのプラハ [2007中欧3ヶ国の旅]

午後6時前、プラハ、ルズィニエ国際空港に着いた。
ずんずん進んで、入国のスタンプを旅券に押してもらう。
プラハを訪れたのは5年ぶり2回目だが前回とスタンプのデザインが違っていた。
EU加盟国共通のデザインのスタンプになっていたのだ。
これは5年前、チェコ共和国はまだEUに加盟していなかったということの証左に他ならない。

その5年前の2002年8月に入国した場所と同じところに私はいた。
私の脳裏にあの時の記憶がまざまざと蘇る。
5年前、ホテルまでの送迎サーヴィスを要請していた私は、カウンターに向ったのであるが、
そこの兄ちゃんがあなたが予約したそのホテルは物凄いことになっており危険であるという。
これでは、意味がよく分からない。どのような事態なのか呑み込めなかった。


ルズィニエ空港を出たところ

ワゴンに乗り、兄ちゃんが手配してくれた別のホテルに向かっていた私は異変に気づき始めた。
街は真っ暗。その暗い影の中のいたるところに道を塞ぐテープが張られているのが認められた。
運転手も困惑気味で、手配したホテルに辿り着くのに、相当苦労していたようだった。
ようやく辿り着いた郊外のホテルでテレヴィジョンをつける。すると洪水の映像が。
百年に一度という大洪水の只中、チェコを訪れてしまったことを私はようやく理解したのだ。

嗚呼!そのチェコに私は再びやってきた!
荷物を受け取った私は、日本円からチェココルナに両替をし、プラハ中心部へ向う。
今回はホテルまでの送迎サーヴィスは手配していない。
バスと地下鉄を利用し中心部を目指すのだ。

ドブリーデン!とチェコ語で挨拶し、おばはんから切符を購入。
切符はバス、地下鉄共通で20コルナ(¥110くらい)である。これで中心部まで行ける。
数年前購入したガイドブックには12コルナと記されていた。値上げしたようだ。
バスは119番のバスに乗ればよい。これに乗れば地下鉄A線終点、Dejvicka駅に辿り着ける。
あとはDejvicka駅から地下鉄で中心部へ楽々移動。


空港~中心部の切符

私はとりあえずバスが停車しているところへ荷物を引きずっていったが、
停車しているバスはブルノ行きだった。これに乗っては一巻の終わりである。
ブルノはメンデルの法則で知られるメンデルや作曲家ヤナーチェクゆかりの地ではあるが、
今回訪れる予定はないのである。

荷物を引きずり右往左往していたが、119番のバス停発見までさほど時間はかからなかった。
ちょうど前のバスが出てしまったようで、次のバスまで10分ほど待たねばならない。
その10分で、また私は5年前プラハを訪れた時のことを回想していた。
あの時、私はヴルタヴァ川に架かるカレル橋を渡ることが出来なかった。無論洪水のためである。
今回はスムースに旅することが出来ますように。


119番のバス停

祈念しているとバスが来た。荷物を引きずり乗り込んだ。が、座席に空席は無かったのである。
私は片手に荷物、空いた片手でつり革を掴みDejvicka駅までバスに揺られる覚悟でいたが、
その時、一人のチェコ人が私に声をかけてきた。どうやら席を譲ってくれるらしい。
私が重い荷物を持っていることを見かねたのか。嬉しいじゃないの。チェコ人は親切だなあ。

しかし、私の気持ちは複雑だった。声をかけてくれたその人が杖を手にしていたからだ。
まだ若い男性だったが、足が不自由であるようだった。
私は体に障害のある人から席を譲られるなんてのは生まれて初めてのことだったのだ…。

モーツァルト : 交響曲第38番「プラハ」&第40番

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TaekoLovesParis

5年前、チェコは大洪水にみまわれ、、あ、そんなこともありましたね。
ホテルが冠水してしまうんだから、相当な被害。
りんこうさん、ちゃんと、チェコ語であいさつできるんですね。(すごいぞ)
席、譲られてみれば、、こういう状況だとたしかに複雑ですね。きっと、
彼は観光客のりんこうさんに親切にして、チェコの印象をよくしたいと
思ったんでしょう。
by TaekoLovesParis (2007-01-31 01:29) 

りんこう

Taeko さん。こんばんは!
ほんとうにたいへんだったんですよ。5年前は。
まさに非常事態。観光客を相手にしている場合ではなかったでしょうに。
親切にしてくれたチェコの方に感謝です。
僕がまともに使えるチェコ語は「ドブリーデン」くらいです。
挨拶くらいは現地の言葉でするようにしています。
by りんこう (2007-01-31 23:09) 

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