ジュゼッペ・ヴェルディに会いに行った。 [お墓]
ミラノにある記念墓地には名指揮者トスカニーニのお墓がある。
ミラノにやって来て、初っ端から記念墓地を訪れようとしている人がどれだけいるか知らぬが、
私は、最後の晩餐、大聖堂そっちのけで記念墓地へ向ったのである。
が、記念墓地に向う中途から嫌な予感がし始めたのだ。
ミラノ記念墓地前にて。
というのも、この日は5月1日であり、労働者の祭典メーデーだったのである。
私は宮殿のようなミラノ中央駅前にあるマクドナルドの前で横断幕を掲げ、
何やらシュプレヒコールをあげている人を見ていたのだった。
日本は違うが、欧州ではメーデーは休日である。
記念墓地ももしかして閉まっているのと違うか?と考えてしまったのである。
墓地にメーデーが関係あるかどうかはよくわからないけれども、ともかく記念墓地前へ。
様子を窺ってみたが、やはり人間の姿は皆無で、開かれている様子が無かったのだった。
トスカニーニに会いたい!と闖入したとしても、癇癪持ちのトスカニーニのことである。
罵倒され、けちょんけちょんになって記念墓地を出なければならぬことは明白であった。
無念だが、トスカニーニとの会見は断念したのである。
しかし、もうひとりミラノにおいて会見したい人物がいて、その人はジュゼッペ・ヴェルディであった。
ヴェルディは「国民的英雄」扱いで、存命中より絶大な人気を得ていた人である。
その葬儀には25万人が集まったとも言われている。まったくよく数えたものである。
さて、ヴェルディのお墓は記念墓地には無い(以前は記念墓地に埋葬されていたようであるが)。
ヴェルディが現在いるのは「憩いの家」というところで、
地下鉄でBuonarrotiという駅で降り、地上に出るとすぐ目の前にある。
ここはヴェルディがリタイアーした音楽家たちのために建てた老人ホームみたいなところである。
実際、様々な楽器の音が鳴っていたと記憶している。
「憩いの家」
関係者以外はこの「憩いの家」に立ち入ることは出来ないが、ヴェルディのお墓だけは別である。
ずんずん入っていって、受付の兄ちゃんに「ヴェルディさんに会いたいです」と告げるとよい。
きっと優しい兄ちゃんが門戸を開放し、中庭の回廊を抜けたところにあるお墓に案内してくれる。
そこで私はヴェルディと暫しふたりきりで語りあったのだった。
老人ホームにメーデーは関係無かったようで、ヴェルディ氏との会見は大成功に終わったのである。
ジュゼッペ・ヴェルディ (1813-1901)のお墓。
メーデーだとお墓も閉まってしまうんですね。
ヴェルディの「憩いの家」、こういうところがあったら音楽家も安心して歳がとれますね。好きな音楽のことを皆で話しながらお茶して、、楽しそう。
by TaekoLovesParis (2006-04-11 22:11)
メーデーで本当にお墓が閉まっていたのかは定かではありませんが、
多分閉まってました。多分…。
メーデーはお店なんかもほとんど閉まっていて、
いつも、どのように過ごそうかと苦慮するところなのです。
by りんこう (2006-04-12 22:07)