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ザルツブルク旧市街で [2015中欧3ヶ国の旅]

2015年12月29日(火) 午前8時49分 オーストリア共和国 ザルツブルク

旧市街へ
旧市街へ

ミラベル庭園からホーエンザルツブルク城塞の見える方へ歩いて行く。
特に地図を見る必要もない。あの城塞の麓が旧市街だ。
その旧市街へ向かうにはザルツァッハ川という川を渡ることになる。
この川は辿っていくと、やがてドナウ川と合流し、黒海へ注ぐことになる。
ザルツァッハ川を渡る直前には、モーツァルトの住居というのがあった。

モーツァルトの住居

モーツァルトの住居

ガイドブックによると、モーツァルトは1773年にこの建物の2階に引っ越したとのことである。
映画「アマデウス」の冒頭で劇的に使用された交響曲第25番が作曲された頃のようだ。
ただ、建物は再建されたものとのこと。
再建にあたり、日本の保険会社の多額の寄付などがあったとガイドブックには書いてある。
日本の保険会社とは第一生命のことであろう。
数年前、有楽町の第一生命ギャラリーにモーツァルトの肖像画が展示されたことがあった。
小林秀雄が「モオツアルト」で言及しているランゲ作の未完成の肖像画である。
住居再建事業の関係もあって来日したのだと思うが、残念ながらこれは見に行けなかった。
この住居自体も、開館前だったこともありパス。川をずんずん渡っていく。

旧市街
旧市街

駅から歩いてきて、川を渡って旧市街。その高台には城が聳える。
この位置関係はリュブリャナとよく似ている。リュブリャナをもっと大きくしたような感じだ。
その旧市街に入り込むと、小路の左右を商店が軒を連ねている。
小路はリュブリャナのそれよりも狭く、左右は高い建物なので圧迫感がある。
当てもなく歩いて行くと、広い空間に出た。その名もモーツァルト広場である。
モーツァルトの銅像、この町が世界遺産であることを示す碑がある。
その傍らにスケートリンクが設置されていたが、まだ早い時間だから無人である。

スケートリンク
スケートリンク。右の方にあるのがモーツァルト像

世界遺産の碑
世界遺産の碑

背後にあるでかい建物が気になってしまい、回り込んでみる。大聖堂である。
この辺りには8世紀頃から祈祷の場所があったらしいが、現在あるのは17世紀に建てられたもの。
ミラベル宮殿を愛人のために建てたディートリヒ大司教がこれも建てさせたらしい。
とりあえず中に入ってみることにした。人間の大きさに比してでかすぎる扉を開ける。
建物内部も人はまだ少ない。適当な椅子に腰掛けて、ぼんやりと祭壇の方を見る。
モーツァルトは1756年この大聖堂で洗礼を受けたのであるが、あまりピンとこない。
それより高い天井に目を奪われてしまった。祭壇へ向いていた視線は、自然と頭上高くへと・・・。

大聖堂内
バロック様式の大聖堂

祭壇

祭壇。向かって右側のパイプオルガンをモーツァルトがよく弾いていたらしい

天井
大聖堂の天井

大聖堂正面にある長方形のドーム広場を左に向かうとザンクト・ペーター墓地である。
足を踏み入れると、墓石よりも鉄細工による墓碑が多い。
以前、指揮者クナッパーツブッシュの墓を訪ねたことがあったが、やはり鉄細工の墓碑だった。
あれはミュンヒェンの墓地だった。この地域の特徴なのだろう。

現代アートが
なにやら現代アートが・・・

この墓地も、「サウンド・オブ・ミュージック」のロケ地になったはずであると記憶していた。
確か、物語のクライマックスで一家が逃亡する際に身を隠していた墓地だったと思う。
墓地内に連なるアーチを見ていると、確かにここが映画に登場したような気がしてくる。
でも、確信が持てない。確信が持てないし、ちょっと違うような気もするのである。
私はとりあえず資料として写真を撮り、帰国後に再度映画を見て照らし合わせてみることにした。
そして帰国後、映画を確認してみたのである・・・。

ザンクト・ペーター墓地
ザンクト・ペーター墓地

連なるアーチ
連なるアーチ

すると、一家が逃走する当該シーンは、私が訪れたザンクト・ペーター墓地とは違った。
映画では、やはり連なるアーチが印象的な墓地が出てくるが、どこか違うのである。
雰囲気から、おそらくザンクト・ペーター墓地をヒントにセットを作成したのだと思われた。
やはり神聖な墓地であるのだから、映画の撮影というのは難しかったのだろうと想像できる。
だからがっくりした。とかそういう話では別にないのだけれども・・・。
さて、ザルツブルクに来たからには、ここは外せない。次は「モーツァルトの生家」である。

モーツァルトあひる
モーツァルトあひる
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モーツァルトの生家 [2015中欧3ヶ国の旅]

2015年12月29日(火) 午前10時15分 オーストリア共和国 ザルツブルク

大聖堂前の広場
大聖堂前の広場

ゲトライデガッセという通りが、ザルツブルク旧市街の中枢にはある。
この旧市街中心の通りに面して、モーツァルトの生家はあるのだ。早速入ってみる。
チケットを購入するには階段で2階に上がり、さらに展示のある上階へ向かう。
チケットは10ユーロ。ヘナヘナしたレシートを渡されるのみでこれは味気ない。

モーツァルトの生家

モーツァルトの生家

こういう歴史的な人物の生家および住居というのは、これまで、いくつか訪れたことがある。
作曲家で言えば、だいぶ前にドイツのボンにあるベートーヴェンの生家に行ったことがある。
フィンランドのアイノラというところにあるシベリウスの住居を訪ねたこともある。
ベートーヴェン、シベリウス。いずれも私にはとても面白かった。

ベートーヴェンの家.jpg
ベートーヴェンの家(2005年)

ベートーヴェンの生家。生まれた部屋には、ぽつんと胸像が置いてあるのみであった。
シンプルな展示。でも、そのおかげでその部屋が特殊な空間であることがよく伝わってきた。
もちろん、他の部屋ではベートーヴェンゆかりの品がたくさん置いてあった。
シベリウスの家には、いろいろ置いてあったけれど、生前そのままの感じである気がした。
シベリウスは亡くなったのが1957年であるから、まだ生々しいような感じがしたのである。
このような施設はきっと、その偉人を身近に感じられるところに魅力があるはずである。

アイノラ
シベリウスの家があるアイノラ(2011年)

さて、モーツァルトである。
私は以前、ウィーンのモーツァルトの住居を訪ねたことがある。
そこは、モーツァルトが「フィガロの結婚」を作曲した家ということであった。
ここが、期待外れだったのである・・・。
最新のテクノロジーを駆使した展示になっていたようであるが、そんなことはどうでもいい。
モーツァルトの時代の品も少なく、モーツァルトを感じられなかったのである。
エレベーターで最初の展示室に上がるのも個人的には興ざめであった・・・。

モーツァルトの家.jpg

ウィーンにあるモーツァルトの家(2007年)

しかし、ザルツブルクの生家はさすがにすばらしかった。写真撮影は禁止であるが。
展示が充実している。モーツァルト一家の肖像画がここには勢揃いしている。
父、レオポルトの肖像画。母、マリアの肖像画。姉、ナンネルの肖像画。
モーツァルトの肖像画には何枚かあるけれど、それも有名なものが一堂に会している。
礼服を着た得意そうな6歳のモーツァルト。勲章を首にかけている21歳ころのモーツァルト。
このような肖像画はモーツァルト・ファンなら、いずれもどこかで見たことがあるものだ。
そして、ランゲ作の未完成の謎めいたモーツァルトの肖像画。これもしっかりとあった。
この作品はやはり特別であるのか別室にある。まるでルーブルの「モナ・リザ」のごとくである。

日本語の説明
モーツァルトの生家の入口にて

モーツァルトの生まれた部屋では、いろいろと展示物があった。
これは、ベートーヴェンの生まれた部屋に、胸像がぽつんと置いてあったのとは対照的である。
ただ、その展示物がモーツァルトの使用したヴァイオリンであったり、煙草入れであったり。
本当に貴重なゆかりあるものが展示されているから、その空間のオーラには感じ入ってしまう。
中でも一番インパクトがあったのは、やはり、モーツァルトの髪の毛だろうか・・・。

モーツァルトの髪の毛.jpg

プラハ、ベルトラムカで。モーツァルトの髪の毛(2007年)

モーツァルトの髪の毛は、以前、プラハのベルトラムカというところでも見たことがある。
解説を見ると、モーツァルトの髪の毛というのは何カ所かに現存しているそうだ。
ただし、これらを鑑定してみると、中には同一人物でないものがあったのだとか・・・。
そのことを解説を見ながら興味深くメモをしたのだが、その紙片が今とっさに見つからない・・・。
まあ、この生家にある髪の毛は本物であるということらしい・・・。
本当は、髪の毛なんてことはどうでもいいのだけれど・・・。
でも、やっぱり本物となれば、ファンとしては興奮してしまうのである・・・。

ゲトライデ通り
ゲトライデガッセ

他にも、生家では当時の時代背景が理解できる資料などが展示されており、見応えがあった。
ミュージアム・ショップも充実している。私はCDとポストカードを1枚購入した。
CDは、モーツァルトが実際に使用したクラヴィーアでモーツァルト作品を演奏したものである。
録音も生家でなされたものであるらしい。演奏者は著名なピアニスト、アンドラーシュ・シフ。
このモーツァルトのクラヴィーアも生家にちゃんと展示されていた。
ポストカードは、やっぱりランゲ作の未完成のモーツァルトの肖像画である。
拙い肖像画かも知れないが、本当に不思議な雰囲気を湛えている。
思わず購入してしまった・・・。

買ったもの
モーツァルトの生家で買ったCD(19.90ユーロ)と未完成肖像画ポストカード(0.40ユーロ)
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ザルツブルク旧市街で② [2015中欧3ヶ国の旅]

2015年12月29日(火) 午前11時19分 オーストリア共和国 ザルツブルク ゲトライデガッセ

ゲトライデガッセ
ゲトライデガッセ

モーツァルトの生家から出てきて、ゲトライデガッセを歩いて行く。
さすがにもう観光客の姿が見られるが、そこをかき分け、メンヒスベルクのエレベーターへ。
このエレベーターから近代美術館のある高台に行くことができる。料金は往復で3.50ユーロ。
料金を払うと、バーコードのついたへなへなしたレシートを渡される。
これをゲートのセンサーに読み取らせて入場し、エレベーターに乗り込む。

エレベーター乗り場

高台へ向かうエレベーターの乗り場

にぎやかなゲトライデガッセを通り過ぎ、このエレベーターに乗り込んだのには理由がある。
それは、近代美術館に行きたかったから!ではなく、高台からこの町を見てみたかったからである。
もっと言うと、その高台はまたまた「サウンド・オブ・ミュージック」のロケ地なのである。
エレベーターで3.50ユーロも払うのは解せなかったが、すべてはロケ地のためなのである。

高台からの眺め①
高台からの眺め

上階に到着すると、確かに美術館らしき建物が隣接している。
そこには寄らずに屋外に出る。向こうに聳える城塞とその麓の旧市街が一望である。
これは・・・。これは確かにいい景色である。
そして、また私は「サウンド・オブ・ミュージック」の場面を脳内で再生させる。
すると、やっぱりこの展望台の坂道をマリア先生と子供たちが歌いながら歩いて行く・・・。
この場所も「ドレミの歌」のシーンで登場したのだった。
モーツァルトの生家はあの辺りだな。などと想像しながら町を眺める。
天気がよくて本当によかった。

ドレミの歌のロケ地
このあたりも「ドレミの歌」のシーンで登場する

高台からの眺め②

展望台には30分ほど滞在していただろうか。
旧市街の方に降りてくるともう正午を過ぎている。昼食の時間である。
どこか適当な場所はないであろうか?
うろうろしていると、「サウンド・オブ・ミュージック」のロケ地があちこちに現れる。
そこをサウンド・オブ・ミュージック・ツアーのバスが走り抜けていく。
まったく、この町はモーツァルトはもちろんだが、この映画の恩恵を多分に受けている。

馬洗い池とバス
馬洗い池(ここも映画に登場する)の前をサウンド・オブ・ミュージック・バスが通る

さて、私が昼食を取るために訪れたレストランはHargenauerstubenというところ。
よくよく見たら、モーツァルトの生家と同じ建物の1階であった。
モーツァルトの生家の入口の反対側の方にレストランの入口はある。
食べたものは掲げたようなサーモンの料理で14.90ユーロ。
これとビールはErdingerの0.30mlでこれは3.40ユーロ。
店内は広くはないようだが、スムーズに食事ができた。
会計後のレシートには、しっかりとモーツァルトの横顔があしらわれていた。

飲んだもの
飲んだもの

食べたもの
食べたもの

昼食後は、大学広場と呼ばれる辺りの出店を冷やかしたりしながら歩いた。
近くには、まだクリスマス・マーケットも出ているエリアがあったりする。
ただ、特別に何かを買うということはしなかった。
買ったのは、ザルツブルク・トランプくらいなもので、またトランプ・コレクションが増えた。
そういえば、ザルツブルクでもカエルを捕獲しようとしたのだが、見つからなかった・・・。
さて、時刻は午後1時半である。ちょっと早いかも知れないが、私は駅の方に戻ることにした。

祭壇

大学広場に面するコレーギエン教会というところの祭壇

本当ならば、ホーエンザルツブルク城塞とかを訪れてもいいのかもしれないが・・・。
もう、モーツァルトにも「サウンド・オブ・ミュージック」にも、だいぶ浸ることができたから満足だ。
それに、今夜はリンツ滞在である。
リンツに早めに移動すれば、リンツも取材できるかも知れない。
と、私は地図も見ずに、わかったふりしてこの町を駅に向かって歩き出した。
すると、案の定・・・。遠回りの道を私は歩いていたのである・・・。
その代わり?というか何というか。私はとある墓地に辿り着いた・・・。

クリスマス・マーケット
クリスマス・マーケット
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