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ポンピドゥー・センター"elles"展 [2010欧州5ヶ国の旅]

2010年5月3日(月)、現地時間 午後6時26分、パリ 国立近代美術館

国立近代美術館、常設展を観た後は、特別展"elles"展へ。
どのような展示であるのかというと、20世紀から現在に至るまでの女性作家の特集なのであった。
なんだこれは。「女性作家」というとだいぶ幅広いではないか。私はそう感じた。
しかし、私はどれだけ現代芸術の女性作家を知っていることだろう?
まず、フリーダ・カーロという人が思い浮かんだ。あとは今年展覧会があったレンピッカ。
あとは、えーと…。実はあまり知らないではないか。というか、ほとんど知らない…。

elles展
elles展

むかしは女性が自由に芸術作品を発表できる場は今よりも格段に少なかったと思われる。
ヴィジェ=ルブランやベルト・モリゾといった女性画家が思い出されたが、やはり少ないであろう。
それが今やこの展示会場には女性作家が自由に創作した作品が数多く並べられているわけだ。
その作品群は、やはり現代芸術ならではの難解なものが多いのはもちろんであるが、
女性が女性であることをストレートに前面に出して創作している性的で挑発的なものも多い。
まあ「自由」ではあるが、なんだこれは。これが「芸術」か?と首をひねるものも中にはある。

会場
会場はこんな感じ

絵画作品やオブジェだけでなく映像作品も多い。
裸の女の人が奇声を発しながら暴れているものや裸の女の人がフラフープをしている映像。
このフラフープの映像はしばらく観ていたのだが、次第にフラフープの女性の腰が赤くなりだした。
そして出血。なんだこれは。私は映像を凝視したが、とたんに目をそむけてしまった。
なんと、この女性は有刺鉄線のフラフープを延々としていたのだった。血が出るわけである。
なんでこの女性はこんなことをしているのだろうか?この作品は何を意味するのであろう?

作品
この作品の人形の視線の先に「フラフープ」の映像作品はあります

日本人作家の作品もあった。草間彌生という人がいるけれど、この人の作品もあった。
赤い軍手が連なり何かの内臓のように垂れている「マイ・フラワー・ベッド」という作品。
なんだこれは。これが何を表現するのかわけがわからないが、気持ちが悪いことだけは確か。
田中敦子という人の作品もあった。色のついた電球、管球がいくつもぶら下がっている作品。
時折それらが点灯し、とてもカラフルに発光する。なんだこれは。私は作品プレートを見た。
すると「Denkifuku」とある。ははあ「電気服」か。これは服だったんだね。着れるかこんなの。

マイ・フラワー・ベッド電気服
(左)手前がエヴァ・ヘス「7本のポール」 奥が草間彌生「マイ・フラワー・ベッド」
(右)田中敦子「電気服」

各作家がそれぞれ趣向を凝らし、ユニークなあるいはショッキングな作品を創作しているのだな。
私は興味深く作品を観て回ったが、これらの作品は100年後どのような位置づけになるのだろう。
100年後も私と同様に「なんだこれは」ではないだろうか…。現代芸術は行き詰ってませんかね…。
理解できなくても、なんだか心を動かされるような真に感心する作品もあるのだけれど、
中には「やったもん勝ち」みたいな作品もあり、どうにも感心しないものもあるのです…。
ただ、「やったもん勝ち」だとしても、芸術を創造しようとする意志が大事なのでしょう…。

何の作品だったか…①
何の作品だったか…①

何の作品だったか…②
何の作品だったか…②

私は混乱した頭で美術館の窓から風景を観た。もうすぐ今回の取材も終わりである。
眼下にはストラヴィンスキー広場、ここには「自動人形の噴水」というパブリック・アートがある。
別の窓からはエッフェル塔。高い建物が少ないから遠くまで見渡せる。見事な街だと思う。
この時、私は目視できなかったが、今回の取材の最終目的地はこの窓から見える場所にある。
今あらためて撮ってきた画像を拡大したところ、その最終目的地がちゃんと写っていた。
夕食をとり、その最終目的地へ向かうことにしましょう。以上、「なんだこれは」ばかりの記事でした。

ストラヴィンスキー広場

ストラヴィンスキー広場が見える

パリの風景
今回の取材の最終目的地はこのどこか…
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コメント 8

mimimomo

こんばんは^^
アートという言葉自体が限りなく膨らんでいくようですね~
これもアートあれもアート・・・なんでもアート。
by mimimomo (2010-12-11 19:19) 

nyankome

現代美術はよく分かりませんが、心地よいものとそうでないものがあります。不安に陥れられるようなものは苦手です。
by nyankome (2010-12-11 21:24) 

orange

原始美術と抽象絵画。作品と鑑賞者の関係…そんなことをテーマに
もがいておりました。
いかなる解釈があってもよいのです。心地よさだけを提供するのが芸術の役割ではありませんから。だってマネの草上の昼食だった物議を醸し出したわけですからね。いまでこそ名画と言われていますが^^。

いいですね。このパリの遠景。広場に咲く花は…?桜ですか??
by orange (2010-12-11 23:37) 

Mimosa

ここからの眺め、私も大好きです・・・☆
最終目的地はどこかしら?最後の写真からだと、エッフェル塔orアンヴァリッドかなぁ~?楽しみにしています♪
by Mimosa (2010-12-12 22:51) 

Inatimy

この展示は私とは相性悪そう・・・
きっと、なんだろうねぇ・・・って通り過ぎるだけになちゃいそうだ。
芸術かもしれないけど、私の思う美術じゃないかも。
by Inatimy (2010-12-14 19:34) 

yuzuhane

やったもんがち・・・でも創造しようとする意欲が大事…確かにそうかもしれないですね。
by yuzuhane (2010-12-16 09:30) 

TaekoLovesParis

田中敦子さんて、知りませんでした。電気服ねー、草間さんのフラワーベッドよりわかりやすいかも。。
by TaekoLovesParis (2010-12-17 18:59) 

りんこう

mimimomo さん、こんにちは!
「アート」の名のもとになんでもありの感はありますね。
奇妙なものをたくさん見ました…。

nyankome さん、こんにちは!
現代芸術は鑑賞者不安にさせるものが多いような気がします。
今の世の中がそのような世の中だということの反映なのでしょうか。

orange さん、こんにちは!
心地よい、美しいものばかりが芸術ではないのであって、
今回の記事も、「現代美術」とはせず「現代芸術」と記載しました。
確かにマネの「草上の朝食」は大問題になったんですよね。
マネは好きな画家なんですけれど。
咲いてる花は何だったか…。桜ではなかったと思います。

Mimosa さん、こんにちは!
最終目的地はこの記事に載せた画像では見えません。
大きく大きく拡大すればちょこっと写っているのですが。

Inatimy さん、こんにちは!
Inatimy さんのお気持ちよくわかります。
きっとポンピドゥーの展示はInatimy さん苦手だと思います。

yuzuhane さん、こんにちは!
創造しようとすることで芸術は進んでいくのだと思いますが、
どうも、もう行き詰まってしまっているのではないか?とは思います。
これから先、ものすごい芸術は現れるのでしょうか?

Taeko さん、こんにちは!
帰国後調べましたが、「電気服」は有名な作品みたいです。
これはユニークで面白い作品だと思います。
カラフルできれいですし。でも着るのは勘弁してください。
by りんこう (2010-12-18 10:29) 

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