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クシシュトフ・キェシロフスキに会いに行った。 [お墓]

2009年5月5日(火)、現地時間 午後3時20分、ワルシャワ ポヴォンスキ墓地

シュピルマン氏との会見に成功した私はバスに乗り、停留所をいくつか通過。
ポヴォンスキ墓地の入口であると思われるところでバスを降りた。
シュピルマン氏に会えただけで、もうワルシャワに来た意義は十二分にあったのだが、
ここポヴォンスキ墓地においても会いたい人が眠っていたのだ。
それは映画監督のクシシュトフ・キェシロフスキである。「トリコロール3部作」で知られる人物だ。

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こういうバスに乗って移動します

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ポヴォンスキ墓地の案内図

正直、私はこの人の映画を観ても共感できるという感覚はあまりない。
でも、いつもその映像の美しさに惹きつけられてしまう。出演している女優さんもみな綺麗だし…。
そういえば、今年3月のフランス映画祭で私はジュリエット・ビノシュからサインをもらった。
キェシロフスキ監督、ビノシュ主演の「トリコロール青の愛」の映画チラシにサインをいただいたのだ。
実はこの3月の時点で私は既にポーランド取材の計画を練り始めており、
サインをいただいたことでキェシロフスキ監督の墓参は絶対果たすぞ!と意気込んだのだった。

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ビノシュのサイン入りの「トリコロール青の愛」の映画チラシ


キェシロフスキ監督のお墓がポヴォンスキ墓地のどこにあるかは調査済みだった。
ポヴォンスキ墓地の第23区にキェシロフスキ監督のお墓はあるということだ。
だが、その前にこの墓地ではもう一基のお墓を探しあてたかった。ショパンの両親のお墓である。
このお墓は第9区にあるが、訪れてみると"CHOPINA"という墓碑銘ですぐにそれだとわかった。
ショパン本人はパリで亡くなり、お墓はパリ最大の墓地、ペール・ラシェーズ墓地にある。
ただ、心臓のみは祖国に帰り、ある教会に納められているという。もちろん後で行くつもりだ。

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フレデリック・フランソワ・ショパンの両親のお墓


さて、いよいよキェシロフスキ監督に会いに行く。
墓地の各区画の端には区のナンバーを示す標が立っている。
「23」の区画へやって来て、その区画をひと回りするが、キェシロフスキ監督のお墓は見つからない。
ひとつの区画はさほど大きくない。よく目を凝らせば割合容易に見つけることができるはずだが。
結局、私がキェシロフスキ監督のお墓を見つけたのは、その区画を3周ほどした後だった。
私はこれまで様々な文化人のお墓を訪ねたが、キェシロフスキ監督のお墓はかなりイケている。

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クシシュトフ・キェシロフスキ(1941~1996)のお墓


基底となる墓石から細い四角形の柱が上にのび、さらにその上で両手がフレームを作っている。
キェシロフスキはいつもこんな風にしながら、あの美しい作品群を世に送り出していたのだろうか。
何と素晴らしいお墓であろうか。私はしばらくその両手の像を見たまま動けなかった。
この人は心臓の病でまだ50代の若さで亡くなってしまったことが悔やまれる。
最後の作品は「トリコロール赤の愛」。これでアカデミー賞の監督賞にもノミネートされた。
パリの街角に貼られる大きなイレーヌ・ジャコブのポスター。あのシーンが妙に印象に残っている…。

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時刻はこの時点で午後3時40分となっていた。
昼前にワルシャワでの行動を開始して以来、私は墓地でそのほとんどの時間を費やしていた。
シュピルマン、キェシロフスキとお目当てのお墓を見つけられたのだから、もう墓参には悔いはない。
墓地だけでないワルシャワの街歩きもしておきたかった私は墓地の外に出たのだった。
180番のバスに乗りこんで、これから向かうのはワルシャワの目抜き通りである「新世界通り」。
「新世界通り」…。なんだか大阪みたいだなとか思いながら…。

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コメント 4

SILENT

両手のフレーム彫刻
素敵な墓ですね
ポーランド訪ねてみたい国ですね
ポスターが今でもいいものありそうですね
by SILENT (2009-09-06 08:22) 

りんこう

SILENT さん。こんばんは!
素敵なお墓ですよね。まさに映画監督のお墓という感じがします。
それにしてもよくこういうお墓にしようと思いついたものです。
かっこよすぎます(大絶賛)。
by りんこう (2009-09-07 23:05) 

TaekoLovesParis

キェシロフスキの「トリコロール」、私も好きでした。今見ると、どうなんでしょう、って思いました。お墓の手のポーズ、ユニークですね。お花のプランターが置かれてて、どなたかがお世話してるのかなって思えます。
by TaekoLovesParis (2009-09-07 23:09) 

りんこう

Taeko さん。こんばんは!
「トリコロール3部作」は正直内容は???なのですが、
映像美に魅せられてしまいました。もう一度再見してみたい作品です。
このお花は僕が持っていったものです。というのはウソです。
by りんこう (2009-09-07 23:19) 

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