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私のお父さん [2008イタリアの旅]

部屋に着いた私は、うあー着いた着いた。とホッと一息。
先ほど案内をしてくれた女性スタッフが持ってきたチェックインの用紙に記入を済ませた。
今日はもうどこにも出かけず、ゆっくりと休みたいものであると考えていたのだが。
その考えはいつのまにか砕け散った。私は再びテルミニ駅に向かい歩きだした。
テルミニ駅の地下には様々な商店が並んでおり、一通り見てやろうという魂胆だ。

テルミニ駅に着くと、本屋があったので入ってみた。別に何を買うわけでもないけれど。
ハリー・ポッターやらラファエロの画集やらイタリア映画に関する本だとかいろいろある。
店内をぐるっと回っていたら、いかがわしい本が並べてある一角に立っていた。ああ恥ずかしい。
本屋を出て、テルミニ駅の地下を散策。マクドナルドだのピッツァ(ピザではない)の店だのある。
ガイド本によると、地下にはスーパーがあるらしい。探してみたが、隅の方に確かにあった。
CONADというスーパー。想像より小さなスーパーだったが、この後、頻繁に利用することになる。

スーパーから宿に戻った私は、今度こそおとなしく就寝。
部屋の明かりを消したが、隣の部屋から聞いたことのある音が聞こえてくる。
スーパーマリオのマリオがコインを獲得している音であった。あのチャリンっていう。
先刻案内してくれた女性スタッフによると、ここに現在宿泊しているのは全員日本人だという。
確かに隣の部屋には日本人の男2人が宿泊している気配が感ぜられる。
そして、何らかのマリオのゲームをしていたようなのである。

その隣の部屋から響くチャリン。チャリン。という音を聞きながら、ベッドに横になっている私。
耳を澄ましていると、やがてその隣の部屋の男が「ジャンニ・スキッキ」と断りを入れ、
朗々と「私のお父さん」の冒頭を歌唱し始めた。オーミオバンビーノカーローと。
日本人のその男のプッチーニの歌唱により、不思議とイタリアに来た実感が湧いてきた私。
な。何者なんだ隣の部屋の男は…。そう思いつつ私はまどろんでいった…。

翌朝は5時30前には起床しただろうか。入念に忘れ物はないか調べ部屋を出た。
部屋の鍵をかけるのが少々難儀。うまくかからない。次第に慣れはしたけれど。
テルミニ駅に向かいずんずん歩く私。外はそんなに寒くはない。
6時30分発のミラノ行きの列車に乗り、フィレンツェに向かうのだ。
えっ?ローマの取材?それはあとあと。まずはフィレンツェの日帰り取材。
フィレンツェまでは約1時間30分。ルネサンスの都に向かうことができるのだ。楽しみで仕方がない。

小さい頃、漫画世界の歴史みたいな全16巻の本を持っていた。
その中で一番好きだったのが第8巻のルネサンスが登場する巻だった。
レオナルドとミケランジェロが絵画対決をする場面なんて、単純に面白いのである。
歴史云々ではなくて朝青龍と白鵬の直接対決みたいな感覚でマンガを読んでいたのではないか。
ヘンな喩えを持ち出してしまってけれど、その舞台フィエンツェはいよいよ迫っているのだった。


ローマ・テルミニ駅→フィレンツェ間の切符


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pistacci

りんこうさんは旅なれていらっしゃるから、とっても面白く読ませていただいてます。でも、旅先にもゲームを持ち歩くのですねー日本人って。
by pistacci (2008-02-04 00:41) 

TaekoLovesParis

私のおとうさん、オーミオバンビーノカーロー♪この曲、大好きです。
とってもイタリアっぽいですよね。
by TaekoLovesParis (2008-02-04 21:37) 

りんこう

pistacci さん。こんばんは!
いつもありがとうございます。
あれは間違いなくスーパーマリオのコインの音でしたね。
そういえば、マリオって何人なんでしょうか?
名前からすればイタリア人っぽいですけれど。

Taeko さん。こんばんは!
まさか日本人の歌う「私のお父さん」を初日から聞くとは。
ヘンな気分になりましたが、歌ってた人もイタリアが好きなんでしょうね。
by りんこう (2008-02-05 23:10) 

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