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2006スペイン・フランス旅行 ブログトップ
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鉄道パスのヴァリデード (2) [2006スペイン・フランス旅行]

ピカソ美術館を後にした私は、再び地下鉄に乗り、バルセロナ・サンツ駅へ。
が、サンツ駅に着いた頃にはフィゲラス行きの列車が出発するまであと約10分となっていた。
私は10分で鉄道パスのヴァリデードを済ませ、列車に乗りこまねばならぬということだ。
ま、10分後のフィゲラス行き列車を乗り過ごしても、一時間待てば、次の列車はあることにはある。
だけれども、そうすると本日の取材を完全に遂行することが困難となってしまうのだった。
まったく、いつもキツキツの予定を立ててしまう阿呆の私。


バルセロナ・サンツ駅

与えられた猶予は少ない。私は即座に鉄道パスをヴァリデードしてくれるカウンターを捜索開始。
切符売り場へ行って、鉄道パスを差し出せばよいのだが、ここは混雑を極めており、
何を思ったのか、私はインフォメーション・センターへ。ここで何とかならんだろうか。
だが、入口をでっぷりとしたガードマンが塞いでいた。
このガードマンに用件を伝えなければ、インフォメーション・センターに入れそうにない。
私は焦燥しつつも、ガードマンに用件を伝える。
すると、ガードマンは鉄道パスを打ち眺めつつ戸惑った形相。どうしたのであるか。
数秒後、ガードマンは鉄道パスをインフォメーション・センターのカウンターへ持って行き、
カウンターの女性と何やら協議をしている様子。フィゲラス行きの列車はもうすぐなのだ。早くしろ。

そんなことはつゆも知らないのか。ガードマンはゆっくりノタノタと私のところへ戻ってきた。
そして、私が向かうべきプラットホームの方向を指差しながら何やら説明している。
語学が駄目な私は暫く理解ができなかったが、どうやらそのまま列車に乗れということらしい。
は。早朝フランサ駅でのヴァリデード拒絶は何であったのか。スタンプなしでもいいんかい。
鉄道パスにスタンプ押してくださいよ。私は哀願した。
しかし、ガードマンは「鉄道パスを持っているあなたはフリーで列車に乗れます」と言っている。
違うでしょう。ヴァリデードしなさいよ、あなた。このまま乗車しても罰金刑が待っているんだよ。
が、ガードマンは「鉄道パスを持っているあなたはフリーで列車に乗れます」の一点張り。
私は疑念に苛まれ、誰かパスにスタンプ押してくれないの?と今一度訊いてみた。
すると、このガードマン。車両内で押してくれるんだよ。と答えた。
あ。そうなの。車両内で押すんかい。じゃあいいや。ぐらしあす。と私はホームへゴー。
そして、フィゲラス行き列車に滑り込みセーフ。危ういところであった。

いや。待て。本当に車両内で鉄道パスにスタンプを押してくれるのだろうか?
各種ガイドを見ても、スタンプの押していない鉄道パスは無効であり、留意せよと記載されている。
私はスタンプ無しの無効鉄道パスで列車に乗車してしまったのである。
嗚呼!あのガードマンは適当なことを吐かして私を欺いたのか。
列車の発車数分後。検札が回ってきて私のスタンプ無しの鉄道パスを見た係員は何と言うのか。
これでは罰金刑確実ではないのか。私は定時に列車に乗り込めた安心感はあったが、
その一方では、このように鉄道パスをヴァリデードせずに乗車してしまった罪悪感もあり、
語学が達者でないのに、検札の際にどのように弁明したらよいかと悩み始めてしまったのだった。


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フィゲラス到着 [2006スペイン・フランス旅行]

フィゲラス行きへの列車に乗り込んだのは、本当に発車時刻12時20分の直前であった。
フィゲラス着が14時過ぎとなる。この間、私は検札がいつ車両に登場するか気が気ではない。
車窓からの景色をぼんやり見つめる私。
10分、20分時間が経過していく。検札はやって来ない。1時間経過してもやって来ない。

列車の扉上部にある電光掲示を見る。
フィゲラス行きだよん。というようなことがスペイン語で表示されているのだろう。
それは日本の列車と同じであるが、時刻と何故か気温が表示されていたのだった。
気温は20℃を超えていた。ありがたいことに今回の取材は天候に恵まれた。
そして、その電光掲示に表示されている時刻はフィゲラス到着時間に近づいていく。検札は来ない。
フィゲラス到着まであと10分を切るも、検札はまだ来ない。
これはどういうことか。もしや、検札来ないんじゃないの。と希望的観測が優勢になり始める。
しかし、その一方においてはフィゲラス直前で罰金刑なのではないかとの危惧も未だあった。

が、その心配は杞憂に終わる。私は何事も無くフィゲラスの駅に降り立ったのだ。
検札はついにやって来なかった。無賃乗車でも発覚することは無かったのだと思われる。
私は安堵したが、サンツ駅のガードマンのお話は何であったのかとの不審は晴れなかった。
けれども、フィゲラスからバルセロナへの帰路も検札無しで済むという保証は何もない。
私はフィゲラス駅に降り立つや否や切符売場に鉄道パスを差し出し、遂にヴァリデードを完遂。
この時間帯はシエスタ(お昼休み)の時間であり、切符売場も一ヶ所しか開いていなかったが、
そこの駅員は、何にも言わずにフィゲラス駅のスタンプを鉄道パスに押してくれたのだった。


鉄道パスに押してもらったフィゲラス駅のスタンプ。

これで一安心。胸をなでおろした私は、一路ダリ美術館へ向う。
フィゲラスは小さな町だが、サルバドール・ダリの生誕地ということで知られている。
勿論、ダリ美術館が最大の見所である。
このダリ美術館を訪れるだけでも、フィゲラスを訪問する価値はあると思われる。


フィゲラス駅


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ダリ美術館へ [2006スペイン・フランス旅行]

フィゲラスの駅からダリ美術館までは少し離れているけれども、
町のあちらこちらに設置されている看板を参考に歩いていれば、迷わず辿りつけることができる。
ダリ美術館への途上、ランブラ広場では蚤の市が開催されていた。


ランブラ広場

本来ならば、このようなところをゆっくりとひやかして歩いてみたいけれども、
私の取材日程はぎゅうぎゅう詰めであり、ここでゆっくりしている時間はあまり無い。
私のような旅のスタイルにしてしまうとこのような難点が発生してしまうのだ。
毎回、改善しなければと反省するも、今回も駄目であった。
あちこち見てやろうと欲張り過ぎるのである。

それでも、このような小さな町の蚤の市では掘り出し物もひっそりと存在しているかも知れぬ。
ただ通り過ぎるだけではやはりつまらない。私はちょっとだけ覗いてみた。
興味深いガラクタが所狭しとテーブルの上に無造作に投げ出されているではないか。
映画スターのブロマイドであったり、エディソン社のラベルが貼られたロウ管であったり。
中には昭和天皇が表紙のスペインの古雑誌もあった。戦中のものだろうか。
思わず手にとってパラパラとページを繰ってしまった私。
さて、このランブラ広場付近には、フィゲラスがダリ生誕の地であることを印象付けるものがある。


こんなヒゲをしているのはきっとダリである。

あまり似ていないが、これはダリの似顔絵であろう。
地面にグニャりと描かれた謎の絵。それが中央に立てられた鏡の円柱に映るとダリの顔となる。
一種のトリック・アートであった。

このランブラ広場から坂道を登ってゆくと、奇怪な建造物がすぐそこに。
巨大なタマゴと偽オスカー像が屋根を占拠している建造物。これは一体全体どういう事態?
ここがダリ美術館。建造物からしてダリ・ワールド全開であるなあ。


ダリ美術館

私はタマゴ、偽オスカー像は何の寓意であるのか。そんなことは深刻に考えなかった。
まず、第一印象は明らかにこれは可笑しいということで、細部はツッコミどころ満載で実に危険。


偽オスカー像とバゲットをバランスよく頭上に乗せる人。

この建造物の中はどのようであるのか、期待も高まるが、
踏み入れたが最期、ダリの異常な世界に誘導されトランス状態。
私は無事に生還できるのであろうか。とは大袈裟であるが、
ま、その異常なダリ・ワールドを体験しようとする人の列がここでも長くできあがっていたのである。
この日は夕刻の列車でバルセロナに戻らねばならず、長大な行列を私は呪ったが、
この列の進み具合というのはとても早く、私は列に並んでから僅かの時間で館内に入場できた。


ダリ美術館ティケット。

日本語の小冊子が無かったので、私は英語の小冊子で我慢し、
巨大で珍妙なオブジェが待ち構えている空間に進む。
そして、いよいよサルバドール・ダリと会見する瞬間は近づいていたのだった。


ダリ美術館小冊子(英語版)


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