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2011バルト海沿岸5ヶ国の旅 ブログトップ
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ユーゲントシュティール建築群 [2011バルト海沿岸5ヶ国の旅]

2011年4月30日(土)、現地時間 午前8時06分、リガ Old City Boutique Hotel

宿の中
宿の中

3日目のはじまり。簡単に朝食を食べて、宿のチェックアウトを早くも済ませてしまう。
重いスーツケースはフロントに預かってもらい、身軽になってリガの街歩き開始である。
もうこの時点で、私のリガ滞在時間は7時間を切っていた。
というのも、午後3時発のバスに乗り、リトアニアのシャウレイという街へ行くことにしていたからだ。
まあ、昨晩ちょこっと歩いた感じでは、リガで取材したいところは徒歩で歩くことができそうだ。
7時間もあれば、ひと通りリガという街を見ることができるのではないか?と思われた。

3日目の朝食
3日目の朝食

そうは言うものの、リガに期待感を抱いていた私としては、この滞在時間は短いと言わざるを得ない。
取材の計画を立てているうちに、他に行ってみたいところがいろいろ出てきてしまったもので…。
で、スケジュール調整の結果、リガの取材は結局7時間弱ということになってしまったのである…。
まあ、時間が無いので急ぎましょう。と、私は旧市街を離れ、東の方向に歩きだす。
まずは、白亜のオペラ座が見えてくる。本当はこのオペラ座でも何か鑑賞したかったのだが…。
この日の演目は、確かバレエ「白鳥の湖」。日本人バレリーナも活躍しているそう。観たかったな…。

オペラ座
オペラ座

オペラ座前の公園を歩いて行くと、次にひょろっとした巨大な記念碑が見えてくる。
自由記念碑というもので、ラトビア独立戦争(1918~1920)で命を落とした兵士に捧げられている。
この国は(エストニア、リトアニアも)かつては独立国だったが、ソ連に占領されてしまったのだ。
ようやく独立を回復できたのが1991年のこと。まだわずか20年前のことなのである。
記念碑のてっぺんで星を掲げている女性はいわばこの国の「自由の女神像」といったところ。
記念碑の前では衛兵が警護に当たるというが、この時は早朝でまだ衛兵はいなかった。

自由記念碑

自由記念碑

自由記念碑前にて
自由記念碑前の通りにて

私はさらにリガ市内を東の方に歩いて行ったが、さて、私はどこに向かおうとしているのか?
それは、ユーゲントシュティール建築群を観に行こうとしているのであります。
「ユーゲントシュティール」というのはフランスで言うところの「アールヌーヴォー」。
動植物をモティーフにした過剰な装飾を施した建築がリガには多数あるというのだ。
私がリガに抱いていたプラハと同じような期待感とは、建築に対するものだったのかもしれない…。
建築物を外から眺めるだけなら早朝からでも可能なので、まずはその建築群を目指したわけだ。

救世主生誕大聖堂
ロシア正教の教会、救世主生誕大聖堂

ラトヴィア国立美術館
左に見えるのはラトヴィア国立美術館

ガイドブックの地図を頼りにずんずん道を進んで行った私は、思わず感嘆の声を上げてしまった!
にわかにそのユーゲントシュティールの建築が視界に飛び込んできたからである。
私はもっと歩かねばならぬものだと思っていたが、意外に早く辿り着いたので驚いてしまったのだ。
建築群は修復されてはいるのだろうけれど、とても鮮やかなスカイブルーと白のコントラスト。
そこに、もうこれは「悪趣味」とさえ言っていいと思うが、過度な装飾が踊っているのである。
私は写真を撮りまくってしまった。皆さん、リガを訪れる機会があれば、絶対これは観てください!

ユーゲントシュティール建築が見えてきた
ユーゲントシュティール建築が見えてきた

私が最初に観たユーゲントシュティール建築はエリザベテス通りの10b番地の建物。
こんな面白い建物を創り上げた人物の名はミハエル・エイゼンシュタインという。
エイゼンシュタイン…。この人物は映画監督セルゲイ・エイゼンシュタインの父なのであった。
さらに先の通りには、このエイゼンシュタインの仕業によるド派手建築群が続々と現れる。
アルベルタ通りというその通りは、ユーゲントシュティール建築の博物館といった趣きである。
もう何でこういう装飾になってしまうのか…。奇想天外な建築群に圧倒されっぱなしであった。

エリザベテス通り10b番地①
エリザベテス通り10b番地①

エリザベテス通り10b番地②
エリザベテス通り10b番地②

エリザベテス通り33通り①
エリザベテス通り33番地①

エリザベテス通り33通り②
エリザベテス通り33番地②

アルベルタ通り
ユーゲントシュティール建築の宝庫、アルベルタ通り

まだ午前9時であるが、団体の観光客がこの通りをガイドの説明を受けながら何組も通って行く。
観光客は他のヨーロッパ諸国からの人たちだと思われたが、その人たちにとっても珍しいんだろう。
だとしたら、私のような極東の島国から来た人間にとってはなおさらではないか。
建築様式云々だとか、装飾が意味するものだとかは知らないけれど、とにかく奇抜なのである。
イマジネーションの塊のような建築群。今回の記事はその建築群の画像がいっぱいです。
私のつたない写真から、少しでもこの通りの雰囲気をお伝えできればと思いまして…。

アルベルタ通り2a番地
アルベルタ通り2a番地

アルベルタ通り8番地
アルベルタ通り8番地

アルベルタ通り13番地
アルベルタ通り13番地

鉄仮面のような装飾
鉄仮面のような装飾…

ストレールニエク通り4番地
ストレールニエク通り4番地

エイゼンシュタインの記念碑
ユーゲントシュティール建築を多く手掛けたミハエル・エイゼンシュタインの記念碑

装飾と対話
装飾と対話
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トイレを探して… [2011バルト海沿岸5ヶ国の旅]

2011年4月30日(土)、現地時間 午前9時46分、ラトビア共和国 リガ と或る公衆トイレ

ユーゲントシュティール建築

ユーゲントシュティール建築

ユーゲントシュティール建築群の取材を終えると、時刻は午前9時30分を回っていた。
私は、次に中世の面影が残るリガ旧市街の本格的?取材をするべく歩を進めたのだが、
どうも、トイレに行きたくなってしまった…。急を要する事態ではないが、早めに済ませておきたい。
日本と違い、公衆便所を利用する際には、どうせ小銭が徴収されるのだろうと思われたのだが、
私はATMで引き出したラトビア・ラッツの紙幣をいくらかしか持ち合わせていないのである。
昨夜のディナーもカードで支払ったし、小銭が全然無い状態。さて、どうしたものか…。

公衆トイレ
問題となった公衆トイレ

まあ、駄目もとでトイレに行ってみましょう。と、トイレに入ると、はたしてトイレ係のおばさんが…。
私は財布から5ラッツ紙幣(800円程)を出し、おばはんにひらひらさせてみたが、受け取ってくれず。
やはり硬貨が無いと駄目なのか…。おばはんは私に向かって何か言っているが、全くわからない。
私は再度5ラッツ紙幣をひらひらさせ、これでは駄目か?と尋ねたが、やはり受け取ってくれず。
まあ、まだまだ取材に支障をきたす事態ではない。私はトイレを諦めて街歩きを再開したのである。
小銭を用意しておかないとこういう時に困ってしまう。無料で利用できる日本は素晴らしいのだ。

ここから旧市街
ここから先が旧市街

相変わらずユーゲントシュティール建築
相変わらずユーゲントシュティール建築

トイレに行けないことを除いては順調の私の前に城壁が現れた。ここから先が旧市街のようだ。
ここ旧市街内においても、ド派手な装飾を施したユーゲントシュティールの建築がちらほらある。
そんな装飾群を観ながらぶらぶらと小路を歩いて行くと、ドゥアマ広場というところに出た。
この広場に面して立つ大きな建物がリガ大聖堂。ここには見事なパイプオルガンがあるという。
その大聖堂前の掲示板を見ると、なんと正午からそのパイプオルガンのコンサートがあるとのこと!
これは聴かないわけにはいかないだろう。さっそくティケットを買ってみた。5ラッツであった。

ドゥアマ広場
リガの大聖堂が立つドゥアマ広場

大聖堂前で
大聖堂の前には1991年1月のソ連に対するデモの写真が

ティケット購入でようやく小銭ができるか?と思いきや、5ラッツなので5ラッツ紙幣で払うのみ。
相変わらず、私はラトビア硬貨が一銭もない状態(ラトビアなので単位は「銭」ではないが)。
どうもすっきりしない。早くトイレに行って、用を足したい。それなのにまだ小銭が無い。
まあ、まだ大丈夫。教会のコンサートまで時間があるので、街歩きを続けることにする。
旧市街は思っていた以上に小さいエリアのようで、ちょっと歩くとだいたい街の感じはつかめる。
すっきりしないながらも、私は市庁舎前広場、聖ペテロ教会という名所を通過して行ったのである。

市庁舎
市庁舎

聖ペテロ教会前
聖ペテロ教会前

聖ペテロ教会の前では露店がたくさん出ていたので、すっきりしないながらも覗いてみた。
バルトの国々では琥珀が名産品であるので、琥珀を使ったお土産が多数売られていた。
他にもマトリョーシカなども売られていたが、マトリョーシカといえばロシアの名産品である。
いくら旧ソ連の国だったからとはいえ、ラトビアでマトリョーシカというのはどうなの?
とは思ったものの、思わず目にとまったマトリョーシカがあった。これは欲しい!!!というものが。
ただ、今買うと荷物になる。これはまた後でここに来て買うことにしよう。その記事も後日です!

露店が並ぶ
聖ペテロ教会前に並ぶ露店

こうして、いろいろと商店をひやかしながら歩いていたものの、何度も言うようにすっきりしない。
で、そのすっきりしない感覚の度合いが増してきた。これは人間の生理的現象として仕方ない…。
私は次第に「街歩き」というよりは「トイレ探し」という方向に歩き方が変化していたのである…。
しかし、公衆トイレを利用するための小銭を未だ私は持ち合わせていないので話にならない。
まずは、何処かで何らかの品を購入してラッツの紙幣を小銭にくずさねばならないのではないか…。
そんな風なことを考えながら、引き寄せられるように私はショッピング・センターの中へ。

ショッピング・センター

ショッピング・センター "Garelija Centrs"

"Garelija Centrs" というそのショッピング・センター。ここにはいろんなお店が入っている。
ショッピング・センターならばトイレが無料では?とも考えたが甘かった…。ここでもしっかり有料。
仕方ない…。ここで何らかの記念品を購入し、小銭を手に入れトイレで用を済ませるとするか…。
結局、雑貨屋さんでカエルの貯金箱を購入。これで得た小銭で無事にトイレに行くことができた。
今回の取材、初のカエル捕獲はこのように運命的なものであった。でも、なかなかかわいいな。
時刻は午前11時過ぎ、リガ大聖堂のコンサートまであと1時間。もう少し旧市街をぶらぶらと…。

ラトビアのカエル
捕獲したラトビアのカエル
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リガの教会 [2011バルト海沿岸5ヶ国の旅]

2011年4月30日(土)、現地時間 午前11時09分、リガ 聖ペテロ教会

集中する塩水

リガ旧市街のと或るCD店のショーウィンドーで見かけました…

よくヨーロッパの教会には塔に上ることができ、街を一望にできるところがある。
そして、ガイドブックには「絶景を目にすることができる」みたいな感じで載っていることが多い。
ただ、私は今までこういう塔の類に上るということを、あまり積極的にはしていないのであった。
それは、高所が苦手なのと、塔を上ると疲れるからという、しょうむない理由が原因と思われた。
どうせこのようなところでは、狭い螺旋階段をぐるぐると上がらねばならないのだろう。
私はただでさえハードな取材日程。こういうところで体力を消耗してしまわないだろうか?

聖ペテロ教会

聖ペテロ教会 高さ123.25メートル

しかし、ここリガではどういうわけだか、高いところからこの街を見てみようという気になった。
リガ大聖堂でパイプオルガン・コンサートが始まるまで、まだ時間に余裕があることだし、
その間に、私は聖ペテロ教会というところの塔に登ってみることにした。3ラッツを支払い、いざ塔へ。
塔に上ることを決意した私は、もちろん螺旋階段を登ることを覚悟していたが拍子抜け…。
なんと、聖ペテロ教会の塔はエレベーターで上がることができるのでした…。
ありがたいけれど、ありがたみの無いような(ヘンな文章だな…)。

エレベーターで上がれます

エレベーターで上がれます

リガの風景①
リガの風景(北のほう)中央よりやや左に見える黒い塔がリガ大聖堂

エレベーターはけっこうギュウギュウ詰め。ゆっくりと地上72メートルのところまで上昇する。
展望台に出てみると、なるほど確かにいい眺め。多くの観光客がキャメラ片手に陣取っている。
まず、北の方にパイプオルガンのコンサートがあるリガ大聖堂が目に入った。
そして、そのすぐそばにダウガヴァ川が流れている。川はもうすぐバルト海へと注ぐはずである。
これらの風景を見て、私はさっきまでの街歩き(トイレ探し)のルートを思わず振りかえった…。
さて、南側にも興味深い建築がいくつか見られる。そのひとつが科学アカデミーという建物である。

科学アカデミー
ラトヴィア科学アカデミー 高さ108メートル

リガの風景②
リガの風景(南のほう)右奥に見える塔がリガのテレビ塔

科学アカデミーはリガの駅の裏の方に位置していて、ご覧の通り、典型的なスターリン様式の建築。
ワルシャワの駅前にバカでかい文化科学宮殿というスターリン様式の建物があったことを思い出す。
文化科学宮殿に比べ、科学アカデミーはだいぶ小さいが、旧ソ連の国なのだということを実感。
そのさらに南の方に立つ塔はリガのテレビ塔で高さ368.5メートルとけっこう高いタワーである。
ぐっと手前に視線を移すと、かまぼこ型のドームが4つあるのが見えるが、これは中央市場。
バスターミナルはこの中央市場のそばにある。私はこの後ここからリトアニアに向かうことになる。

文化科学宮殿
資料画像:ワルシャワの文化科学宮殿 高さ237メートル

さて、よい景色を堪能した私はありがたいエレベーターで地上に降り、そろそろコンサートへ。
先程購入した5ラッツのコンサート・ティケットを提示し、リガ大聖堂に入場した。
大聖堂内に入った私はパイプオルガンの姿を探したが、なんと足場が組まれ修復中の模様。
これにはいささかがっかりしてしまったが、もちろん演奏には支障はないはずである。
演奏曲はバッハの前奏曲とフーガ(BWV535)、「おお人よ、汝の大いなる罪を嘆け」(BWV622)、
ギルマンの"The Scotch Christmas Song"、リストの"Nun danket alle Gott"という曲。

パイプオルガン
リガ大聖堂のパイプオルガン

残念ながら、私はこのいずれの曲も知らなかった。ギルマンという人など初耳であったし…。
しかも、クリスマスって…。これは季節はずれもいいところではないか…。
少々不満気味の私だったが、演奏が始まるや、その不満は吹っ飛んでしまった。
というのも、大迫力のサウンドだったからで、教会内の空気の振動を私は直に体感したのである。
床からも音が伝わってくるし、もう教会全体がひとつの巨大楽器に化したかのようであった。
私は目を閉じて、しばし演奏に聴き入った。すると不思議なことに取材の疲れがとれた気がした…。

リガ大聖堂内
リガ大聖堂内

リガ大聖堂のパイプオルガンは1883年から84年にかけて作られた世界最大級のものらしい。
迫力のサウンドも納得であるが、そうなると足場が組まれていたのはやはり残念だった…。
しかし、荘厳な教会内で聴くバッハは自分の部屋の中でCDで聴くのとは比べ物にならなかったし、
季節はずれと思っていたギルマンのクリスマス曲も素朴な感じでなかなかよく、聴いて大正解。
単純な私はもうなんだかキリスト教音楽の深淵に触れたような気になり教会を出てきたのである…。
だいぶ気分もリフレッシュできた!リガの滞在時間はもう3時間もない。取材を続けましょう!

演奏が終わって
コンサートは20分ちょっと。演奏が終わって…
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