SSブログ

「赤い矢号」でモスクワへ [2012ボストーク号で行くロシアの旅]

2012年7月23日(月) 現地時間 午後11時18分 サンクト・ペテルブルク モスクワ駅

モスクワ駅
モスクワ駅構内。簡略化された路線図が壁にある

モスクワへ向かう夜行列車「赤い矢号」がホームに姿を現した。
そのすぐ後にモスクワから来たサプサン号も到着。私は2日前にこれに乗ってきたのだ…。
「赤い矢号」はその名の通り真っ赤な車両で威風堂々たる雰囲気を漂わせている。
それに輪をかけるように荘厳な、悪く言うと仰々しいオーケストラ曲がホームに流れている。
ソ連時代の作曲家の曲なんだろうと直感的に思ったが、誰の何という曲なのか?

赤い矢号
赤い矢号

帰国後に調べてみたら、この曲はグリエールという作曲家の「偉大な都市への賛歌」と判明。
グリエールはロシア帝国末期からソ連期に活躍した作曲家で、プロコフィエフの師匠だった人らしい。
赤い矢号の発車時には「偉大な都市への賛歌」を構内に流すのが伝統であるということだ。
この「偉大な都市への賛歌」が聴きたくなって、CDも購入してしまった。
あらためて聴いてみると、同じ旋律が反復される単純な曲なのだが、ロシアの思い出がよみがえる。
モスクワ駅でこの曲を聴いて、旅ももうすぐ終わりなのだなと何となくしみじみしてしまったのだ…。

CD
たった1曲を聴きたいがために、グリエールの5枚組の作品集を買ってしまった…

午後11時30分。赤い矢号に乗車。乗り込んだのは2等寝台。日本で手配して18500円だった。
2等寝台は4人一部屋である。ボストーク号の1等と同じ広さだが、そこに2段のベッドがあるつくり。
コンパートメントに入っていくと、もさっとしたロシア人の若者が下段のベッドに座っていた。
私のベッドはこのもさっとした若者と向かい合わせとなる下段のベッドであった。
上段よりは下段のほうが落ち着ける。ベッドの下に重いスーツケースを収納し横になった。
その後、サラリーマン風の男性2人が乗ってきて、それぞれ上段に慣れたふうに上がっていった。

コンパートメント

赤い矢号の2等寝台

赤い矢号は定刻に発車。日付が変わり、コンパートメントの4人は皆すぐに眠りについた。
ぐっすり眠っていたようで目覚めるともう午前7時だった。目覚めたがそのまま横になっている。
サラリーマン風の男性はしゃきっとしてコンパートメントの外へ。朝食にでも行ったのだろうか。
もさっとした下段の若者はまだまだ眠たそうだ。私もできればもう少し寝ていたい。
しかし、モスクワはもうすぐ。やがてアナウンスが流れ、定刻の午前7時55分にモスクワに到着した。

モスクワ
モスクワに戻ってきた

3日ぶりのモスクワ。1泊だけしたヒルトン・モスクワ・レニングラーツカヤが眩しい。
さて、今日はロシアを離れる日である。SU204便モスクワ発北京行きは午後10時25分のフライト。
だから夜までまだ時間がある。その間モスクワ取材というわけだが、荷物がじゃまである。
荷物を預ける必要があるのだが、ベラルーシ駅まで移動して荷物を預けることにした。
ベラルーシ駅から空港までは高速鉄道がある。ベラルーシ駅に予め荷物を預けた方が都合がよい。

混雑
コムソモーリスカヤ駅の混雑

コムソモーリスカヤ駅
コムソモーリスカヤ駅構内

ベラルーシ駅に向かうべく、地下鉄5号線コムソモーリスカヤ駅へ。
だが、通勤ラッシュなのか尋常でない混雑である。私はスーツケースを手にしばし立ちつくした…。
意を決して人混みの中へ。ただ、人混みに入ってしまうと混雑は意外とそれほどでもない。
5号線のホームに到着した頃は、あれほどの人混みが嘘のように空いていた。
地下鉄構内を撮影する余裕も出てきた。宮殿のようである。地下鉄にシャンデリアである…。
世界中にはユニークな地下鉄駅がいろいろあるけれど、この豪華さはやはり群を抜いているだろう。

ベラルースカヤ駅
地下鉄ベラルースカヤ駅

壁画
ベラルースカヤ駅の壁画。いかにも「ソ連」といった感じ…

ベラルーシ駅へ
地下鉄ベラルースカヤ駅から地上に出て、隣接するターミナル駅、ベラルーシ駅へ

ベラルーシ駅に到着。「荷物預け」のマークに従って駅の地下へ。荷物預りは100ルーブルだった。
身軽になって、再び地下鉄で今度はスポルチーヴナヤという駅まで移動した。
スポルチーヴナヤ駅からちょっと歩くと、ノヴォデヴィチ修道院がある。
世界遺産に登録されている修道院だが、火曜日はお休み。今日は火曜日なので入場不可…。
修道院周辺をうろうろしていたら、団体の観光客がやってきて中に入っていったようだったが…。
まあ、修道院は外観で我慢。私の目的地はこの修道院に隣接するノヴォデヴィチ墓地である…。

パールク・クリトゥールイ駅
途中の乗り換え駅、パールク・クリトゥールイ駅で

修道院
世界遺産 ノヴォデヴィチ修道院
nice!(181)  コメント(10) 
共通テーマ:旅行

nice! 181

コメント 10

mimimomo

おはようございます^^
ロシアって英語が併記されているのですか?
よくもまぁ~あちこち迷いもせずに移動できますね。これだけ動けるから一人旅が出来るのですよね。
地下鉄の駅は確かに豪華ですね。ロシアでもモスクワだからかしら。
by mimimomo (2013-04-16 06:48) 

サンダーソニア

駅の壁のレリーフも素敵ですね。
by サンダーソニア (2013-04-16 10:29) 

palette

外国人と四人で一つのコンパートメント!
私だったら肩凝っちゃいそう。普通に振舞えるりんこうさんはさすがですね。バレリーナのレリーフがきれい♪
by palette (2013-04-16 11:57) 

coco030705

こんばんは。
モスクワに戻られて、いよいよロシアともお別れなんですね。
赤い矢号の2等寝台とてもきれいですね。ぐっすりお眠りになられたとは
すばらしい。私は旅の時は、あまり眠れないほうです。
駅のそこここが芸術品ですね。りんこうさんのロシア記事を読んで、ロシアに非常に興味が湧きました。ありがとうございました。ぜひいつか行ってみますね!
by coco030705 (2013-04-16 20:39) 

orange

地下鉄の駅。と説明を拝見しなければ…
どこかの宮殿へ続く回廊のようですね。
不思議なところにお金をかけるものです。
by orange (2013-04-16 20:46) 

PATA

寝台列車はブルートレインしか乗ったことがないのですが
赤い矢号はきれいな列車ですね。
中国だったら2等寝台はかなりレベルが落ちるみたいです。
地下鉄の駅豪華ですねえ。
by PATA (2013-04-16 22:09) 

pandan

赤い矢号〜存在感がありますね。
by pandan (2013-04-18 04:48) 

りんこう

mimimomo さん、こんばんは!
地下鉄の駅でしたら、何駅目で降りる。と覚えておけば大丈夫です。
この頃になると、だいぶキリル文字にも慣れてきましたし…。
まあ、全然読めないですけれどね…。
モスクワの地下鉄よりはサンクト・ペテルブルクのほうが近代的です。
でも、モスクワの豪華な地下鉄は歴史を感じさせる素晴らしいものです。

サンダーソニアさん、こんばんは!
地下鉄の駅を巡るツアーもあるくらいで、モスクワの地下鉄はすごいのです。
写真撮影もむかしは禁止だったようですが、今は大丈夫みたいでした。

palette さん、こんばんは!
僕もできるならひとりのほうがいいのですよ。
だから、モスクワまでのボストーク号は1等車を選択しました。
1等車は2人用の客室。ボストーク号はガラガラなので独占できました。
赤い矢号は混んでいましたので、独占はできませんでしたが…。
まあ、一晩くらいですからいいかと…。

coco030705 さん、こんばんは!
いやあ…。もうこの頃になると疲れていたんですね。たぶん。
けっこうすぐ眠りに着いてしまいました。
ロシアは近くて遠い国ですが、行ってみて本当に良かったです。
皆さん親切でしたし、意外と?親日の方も多いようですよ。

orange さん、こんばんは!
どうしてこんな宮殿みたいな地下鉄になったのか…。
詳しく知りませんが、地中奥深くにこんなところがあるのです。
先日、トリップ・アドヴァイザーが「世界の地下鉄15選」を発表しましたが、
ちゃんとモスクワの地下鉄(コムソモーリスカヤ駅)が入っていました。
やっぱり、モスクワの地下鉄はランクインするでしょうね。

PATA さん、こんばんは!
中国の2等寝台はきつそうですね…。ちょっと僕には無理そうです。
夜行列車はけっこう好きなんですよ。寝てる間に次の目的地に着くという…。
それで国境を越えて違う国に着いたりすると、もう興奮するのです。
日本では絶対あり得ないことですからね。

pandan さん、こんばんは!
赤い矢号。つまりは「レッドアロー号」です。
僕は西武線沿線に住んでいるのでレッドアローはなじみがあります…。
ローカルなネタでスミマセン…。
by りんこう (2013-04-18 23:12) 

Jetstream777

STペテルスブルグ、 いいところですね。 私はモスクワからツボレフで往復。 列車の方が良さそうですね。
by Jetstream777 (2013-04-18 23:34) 

りんこう

Jetstream777 さん、こんばんは!
サンクト・ペテルブルクはほんとうに美しい街でした。
モスクワとまた雰囲気がぜんぜん違いますよね。
この2都市間はサプサン号が通るようになって、移動が楽になりました。
by りんこう (2013-04-22 21:39) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。