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3ヶ国目入国 [2010欧州5ヶ国の旅]

2010年4月30日(金)、現地時間 午後6時50分、フェルトキルヒ フェルトキルヒ駅前のバス

今回の取材3ヶ国目に向かうバスに無事乗車したはよいが、バスの最高列で勃発した喧嘩。
ひとりの若者が一方的にもうひとりの若者を殴りつけている。
殴られている方はなすすべも無く、背中を丸めてうずくまっている。これは非常事態である!
殴っている方は、何やら罵りの言葉を口にしながら相当な興奮状態のようだった。
私はと言えば、こんな時はビビってしまって、ただオロオロするばかりで何もできやしない。
やがて、バスの運転手がこの騒動に気がついて、落ち着いた足取りでゆっくりとバスの後方へ…。

運転手はふたりから何やら聴取をし、殴りつけていた若者に降車するように命じたようであった。
この若者はバスを降りた後も、まだ乗車中の殴られていた若者にしばらく罵声を浴びせていた。
運転手はやれやれといった様子で戻って来た。まったくこの一件には呆気にとられてしまった…。
近くに座っていたおばさんと目があったが、肩をすくめ、顔をしかめながら左右に振っていた。
やがて、バスは私とおばさんと殴られていた若者の3人を乗せて発車。
いや、喧嘩の後に数人が乗って来たのかもしれなかったが、この喧嘩の印象が強すぎる…。

バス乗車中
バス乗車中

このバスはフェルトキルヒからどこに向かうのかというと、リヒテンシュタインという国である。
リヒテンシュタインは世界で6番目に小さい国。人口は3万5千人くらいで、首都はファドゥーツである。
早朝ミュンヒェンを発った私の本日の最終目的地は、このファドゥーツというところなのだった。
私はこの謎めいた小国に来ることを今回の取材の目玉の一つにしていた。
取材に出たからには未訪の国も訪れ、通算の訪問国数を増やしたいという欲望が私にはある。
リヒテンシュタインに来ればその目的もかなうというわけなのである。

バスの案内

リヒテンシュタイン・バスの案内

バスはところどころで乗客を乗せ、または降ろし、国境の検問所のようなところは停止もせずに通過。
パスポートのチェックなど無かった。多分、私はもうリヒテンシュタインに入国しているのだろう。
車窓から見えた看板の「li」というドメイン表記が、入国していることを暗に教えてくれた。
それより、私はバスの運賃をまだ支払っていないことが気がかりだ。いつ支払えばよいのか。
他の乗客を観察してみたが、定期券でもあるのか運賃を支払っている人はいないように見える。
でも、運転席にはちゃんとお釣りのコイン等も用意されているようだったし…。

バス下車
バス下車

私の不安をよそに、バスは細い道をくねくねと通過しながら、ファドゥーツのバス停に到着。
降車する際、私は運転手に「まだ運賃を支払っていないのだが…」と確認をした。
すると、運転手は右手を払うように振りながら「いらないよ」との回答。え?無料なの?
まあ、いらないと言うのであれば、それでいいだろう。私は降車し、リヒテンシュタインの地を踏んだ。
ミュンヒェン→ガルミッシュ=パルテンキルヒェン→インスブルック→ファドゥーツ。今日は忙しかった。
さて、本日泊る宿であるが、このファドゥーツのバス停から少々歩かねばならないのだ。

ファドゥーツの町並み①
ファドゥーツの町並み①

ファドゥーツの町並み②
ファドゥーツの町並み②

ファドゥーツは小さな町である。人口は5000人ほど。そんな町に宿は10軒も無いようであった。
実は私はこのファドゥーツの"Gasthof Lowen"という由緒ある宿に泊まることを希望していた。
ここは14世紀から続くという宿なのであって、宿泊料も少々お高い4つ星のところなのである。
私が(日本人でも知る人ぞ知る)この宿に予約のメールを入れたのは今年1月のことだったが、
何とその時点で満室という無情の回答!代わりに"Landhaus am Giessen"という宿を予約した。
バス停から荷物を引きずり歩くこと10分。時刻は午後7時40分。ようやく宿にチェックインした。

Landhaus am Giessen

ファドゥーツの宿"Landhaus am Giessen" 1泊110スイスフラン


大きな地図で見る
ここで、これまでのルートを振り返ってみます
A:ミュンヒェン B:ガルミッシュ=パルテンキルヒェン C:インスブルック
D:フェルトキルヒ E:ファドゥーツ 
ドイツ、オーストリア、リヒテンシュタイン。これで3ヶ国来たことになります。さて、この後のルートは?
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コメント 8

Pace

リヒテンシュタインですか!
アバウトな知識しかなく、そんなに人気のお宿が
あるとは全く知りませんでした。
続きの記事で、もっと街並みを拝見できるのでしょうか(’’)
by Pace (2010-07-28 00:40) 

Studio-Oz

おはようございます。

外国はなかなか激しいですね!(笑)
気をつけて旅を続けて下さい♪
by Studio-Oz (2010-07-28 08:52) 

桔梗之介

失礼ながら、
リヒテンシュタインの存在をすっかり忘れてました。
by 桔梗之介 (2010-07-28 12:25) 

orange

どこの国にも血の気の多い若者がいるのですね。
肩をすくめたおばさんの様子、目に浮かびます。
リヒテンシュタイン。アルプスのふところ深く、静かな国ですね。
名だたるタックス•ヘイブンですが。だからバスも無料?ですか?
お宿はアルプスの民宿的な素敵なところですね。
本命とれず残念でしたが。

by orange (2010-07-28 23:43) 

りんこう

Pace さん、こんばんは!
この「Gasthof Lowen」というホテルは某テレビ番組で登場したんです。
素敵な支配人がいるところのようで、宿泊したかったのですが…。
このあとファドゥーツも取材していますのでお楽しみに!

Studio-Oz さん、こんばんは!
喧嘩はびっくりでした。
バスという閉ざされた空間の中でのケンカですからヒヤヒヤしました。
リヒテンシュタインに入国するまではちょっと波乱でしたね…。

桔梗之介さん、こんばんは!
ナイスなコメントありがとうございます!
普通はリヒテンシュタインのことなど気にしませんからね…。
この後、町の取材に出ましたのでお楽しみに!

orange さん、こんばんは!
ケンカはかなり激しく殴打していたので…。
殴られていたほうの人は大丈夫だったのかな。
バスに乗って、知らないうちに降りて行ったみたいでしたが。
バスの無料の件はいまだにいまいち解せないのです。
まあ、タダっていうんだから、それに従いましたけれど。

Mineosaurus さん、ritton2 さん、塩さん、ほりけんさん、おまめさん、
Julia さん、kuwachan さん、アヨアン・イゴカーさん、haru さん、
らいちさん、Taeko さん、kohtyan さん、りぼんさん、miffy さん、
kurakichi さん、yukitan さん、aranjues さん、gekiyasuotoku さん、
kazukazu さん、dora さん、palette さん、yukky_z さん、dorobouhige さん、
アマデウスさん、ぷーちゃんさん、kakasisannpo さん、江州石亭さん、
キナコさん、SORI さん、うつマモルさん、nice! ありがとうございます!
by りんこう (2010-07-29 22:13) 

まこ爺

海外で喧嘩に合うとチーとビビりますが・・・中国では喧嘩しないと、まともに旅ができないので困りものです(^O^)/
by まこ爺 (2010-07-29 23:43) 

りんこう

まこ爺さん、こんにちは!
中国は何となくケンカが多そうですね。
喧々諤々と言い争っている様子をイメージします。
僕は中国ではきっとビビりまくりでしょう。

miyoko さん、いっぷくさん、LittleMy さん、whitered さん、
nougyoujin さん、とりさん、nice! ありがとうございます!
by りんこう (2010-07-31 11:05) 

nyankome

バスは観光客には無料なのでしょうか?
嬉しいことですが。
by nyankome (2010-08-11 14:18) 

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