SSブログ

ピカソ美術館 [2006スペイン・フランス旅行]

フランサ駅での鉄道パスのヴァリデードを諦めた私は、地下鉄に乗り、
ゴシック地区に所在するピカソ美術館へ向った。
バルセロナには6つの地下鉄路線があるが複雑ではない。
初めて訪れたものにも非常にわかりやすく、簡単に利用することが出来る。
1日に5回以上地下鉄を利用するのであれば、T-Dia という一日券を購入したほうがお得だろう。
このT-Dia を自動券売機で購入。


バルセロナ地下鉄一日券

Jaume I という駅で下車し、地上に出た。時計を確認すると午前10時10分前。
ピカソ美術館の開館時間が午前10時から。丁度よい時間ではないか。
ピカソ美術館で12時くらいまで過ごし、その後はバルセロナ・サンツ駅に向かいフィゲラスに出発。
今日はそんな予定でいた。2時間もあれば、ピカソ美術館は堪能できるだろうと考えたのである。
が、標識に従い、ピカソ美術館前に到着した私は目を疑った。
既にして、長い行列が出来ていたのである。
は。私は口をあんぐり開け、呆然となったが、その間にも列は伸びていく。すかさず列に並んだ私。
 

ピカソ美術館

結局、私が館内に入場できたのは開館から30分ほど経った頃だった。
嗚呼、ピカソ美術館で2時間を過ごすことは叶わなかった。
更に、バルセロナ・サンツ駅では懸案である鉄道パスのヴァリデードという手続きが待っている。
その時間も考慮すると、ピカソ美術館は1時間ちょいしかいられないのではなかろうか。
早くも取材計画の破綻である。無念ではあるが、ここは急ぎ気味に鑑賞せねばならない。

バルセロナのピカソ美術館の特徴は、ピカソの少年時代の作品が多数所蔵されていることで、
事実、私はその少年時代の作品群をお目当てとしていた。
以前、テレヴィジョンでピカソ少年の作品が紹介されていて、無茶苦茶上手い絵であるのに驚愕。
なんせ、ピカソといえばわけのわからない絵画を描く人である印象が強かった。
「20世紀最大の画家」とは称されるけれども、何処がどう凄いのかよくわからないし、
今でもよくわからない。まったくもって理解できない部分が多いのだけれども、
ピカソ少年の超絶的な作品群は、あのわけのわからなさはこの上手さがあってこそなのだなと、
そう感ぜられ、是非ともこれは一度自分の目で確かめなければならないと考えていたのである。


ピカソ美術館ティケット

入場し、展示室のほうへ階段を登っていくと、ピカソ少年のデッサンの数々がお出迎え。
そして、15歳の時に描かれたという油彩の大作の洪水に飲み込まれ、気絶寸前に。
ピカソ少年は伝統的な絵画技法をすべてマスターしてしまっているようだった。
じゃあ、伝統的な絵画技法とはなんであるか400字詰め原稿用紙5枚以内で論述せよ。
などと言われても、敵わない。
しかし、これは物凄い。月並みな言い方であるが「天才」、「神童」ではないか。
モーツァルト、ダ・ヴィンチ級ではないか。
翻ってこの私。15歳当時、何をしていたのか。どんな絵を描いていたのか。

実は私、絵は得意であった。
少年時代、出品する作品が毎年絵画コンクールに入選。将来を嘱望されていたのである。
中学時代に描いた風景画は私が卒業した後、数年間美術室に飾られていたのである。
しかし、私のそんな才能もいつの間にか朽ち果ててしまった。
美術室に飾られた絵に関しても、先生がただ取り外し忘れていただけという説が有力である。

さて、パリに出てからのピカソは、いよいよわけがわからなくなり始める。
私は少年時代の作品群から順を追って、ピカソ作品を鑑賞することで、
もしや、ピカソに対する苦手意識に光明が射すのではないかとも考えていたのだが、
上手くはいかなかった。ま、1時間ちょいしかいなかったわけであるから、無理な話である。
「青の時代」あたりまでは、ついていくことが出来た気がしたのだが…。

うーん。私がピカソ美術館で印象に残ったのは、やはり少年時代の作品なのである。
何故かというと、それはこんなに上手な絵を15歳が描いたという事実が凄いからに他ならない。
この絵をおっさんが描いたといっても、「へぇー」で終わってしまうだろう。
また、わけのわからぬ絵のピカソが完璧な写実的絵画からスタートしているという事実。
やはり、伝統的な絵画技法をマスターしてしまったピカソは、
その世界を崩しまくることで新たな世界を切り開いたということなのか。

鑑賞後、ミュージアム・ショップにてポスト・カード、マグネット、ピカソトランプ等を購入した。
時計を見れば正午近く。いかん。フィゲラス行きの列車の時刻が迫っている。
私はバルセロナ・サンツ駅に急いだ。
すべては、フィゲラスにてサルバドール・ダリと会見するためである。


ピカソ・トランプ
 
 

バンド・オン・ザ・ラン

バンド・オン・ザ・ラン

  • アーティスト: ポール・マッカートニー&ウイングス
  • 出版社/メーカー: 東芝EMI
  • 発売日: 2005/07/06
  • メディア: CD


本日のBGM。8曲目が「ピカソの遺言」。


nice!(1)  コメント(2) 
共通テーマ:旅行

nice! 1

コメント 2

TaekoLovesParis

りんこうさん、最近は親切にBGMをつけてくださるようになったのですね。
ポールのバーンド・オン・ザ・ラン♪、、ここに「ピカソの遺言」って曲、はいって
いたとは。このCD持っていたんだけど。

ピカソはデッサンの天才といわれているんですよ。つまり基礎力がすごいって
ことです。ものすごく少ない線で的確に描ける実力。余裕があるから、デフォルメしてみたりするのでしょう、きっと。
by TaekoLovesParis (2006-05-20 02:39) 

りんこう

ピカソのデッサンをたくさん見ました。
中には、しょうむ無い落書きのようなものも展示されていました。
落書きじゃあないのでしょうけれども、どんな内容かも憚られるほどのもので…。
それを見ていた欧米人のおっさんは苦笑していました。
「ピカソの遺言」はポールがダスティン・ホフマンの目前で作った曲です。
by りんこう (2006-05-20 13:43) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。