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2011バルト海沿岸5ヶ国の旅 ブログトップ
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ストックホルム市立図書館 [2011バルト海沿岸5ヶ国の旅]

2011年4月29日(金)、現地時間 午前6時37分、ストックホルム SCANDIC ANGLAIS

朝食
2日目の朝食

2日目のはじまり。宿の朝食は午前6時30分から。その午前6時30分を過ぎ、すぐに朝食をとった。
午前7時前にはチェックアウト。スーツケースを引きずり、ストックホルム中央駅へ向う。
そして、中央駅のコインロッカーにスーツケースをしまいこみ、身軽になって街歩き開始である。
こんな早朝から行動しているのは、この国にいられる時間がもう10時間を切っているから。
しかし、早朝から取材できるところというのは限られている。どこに行こうとしているのか?
私は墓地に行こうと考えていたのである。

自転車
自転車で通勤かな

コインロッカー
中央駅のコインロッカー。60スウェーデン・クローナ

何だ?昨晩も「森の墓地」に行ったではないか?というのはその通り。
今度は「Norra begravningsplatsen (北の墓地)」というところに行こうと考えていたのである。
ストックホルムといえば、毎年12月10日にノーベル賞授賞式が行われる。
ダイナマイトの発明者アルフレッド・ノーベルの命日に授賞式が行われるわけだが、
そのノーベルさんが眠るのが北の墓地というところなのである。
ノーベルだけではない。ここは大女優イングリッド・バーグマンが眠る墓地でもある。

ストックホルム中央駅
ストックホルム中央駅

つまり、私はこの2人に会いに行こうと考えていた。
特に昨日のグレタ・ガルボに続いて、イングリッド・バーグマンには会ってみたい…。
私は中央駅から地下鉄に乗り"Odenplan"というおでんみたいな名前の駅まで向うことにした。
Odenplan 駅付近から北の墓地へ向かうバスがあるらしいとの情報を得ていたからである。
だが、順調でない。Odenplan 駅に向かうまで、私は何回か路線を間違えて乗車してしまった…。
Odenplan 駅に着いたのは、当初の計画よりもだいぶ遅い時間であった…。

Odenplan 駅
Odenplan 駅

私は悩んだ。これから北の墓地に向かい、ストックホルムの中心部に戻って来るとどうなるか…。
きっと、ストックホルムの街の中心の取材時間はかなり短くなってしまうだろう…。
下手をすると、ストックホルムではほとんど墓地を取材したのみで終了してしまうのでは。
それはそれで面白いかもしれないが、他にも取材したいところはあるし、何とも効率が悪い。
そして、こう悩んでいる間にも時間は経過していく…。無念だが、私は北の墓地をあきらめた。
ノーベルさん、バーグマンさんには会えなかった。特にバーグマン…。会いたかった…。

タコのおばけ
Odenplan 駅のホームにいたタコのおばけ

時刻は午前8時30分になろうとしている。私はOdenplan 駅付近でぽつんと立っていたが、
Odenplan 駅の近くにも取材したいところがあったので、気を取り直し、歩き始める。
取材先は、円柱の形がとても印象的な「ストックホルム市立図書館」である。
エーリック・グンナール・アスプルンドによる設計の図書館で、一見の価値ありと聞いていた。
アスプルンドか…。またこの名が出てきた。「森の墓地」を設計したアスプルンドである。
開館は午前9時から。開館を待っている人たちが外で本を広げベンチに座っている。

ストックホルム市立図書館
ストックホルム市立図書館

午前9時。ぞろぞろと開館を待っていた人たちが館内へ。私も紛れて館内へ…。
正面の階段を上って行くと、そのスペースはあった。ぐるりを取り巻く本本本…。
図書館だから本がいっぱいあって当たり前なんだが、こうやって360度囲まれると壮観である。
そして、天井がとても高い。窓が一番上のほうにあり、そこから自然光が本棚を照らしている。
こんな図書館に通っている人たちは幸せだな。まずそう思った。ここにいるだけで楽しいもんな。
普段読書をしないような人でも、この空間に足を踏み入れると何か感じ取るのではないだろうか?

図書館内部①
図書館内部①

図書館内部②
図書館内部②

「森の墓地」と「ストックホルム市立図書館」。私はアスプルンドによる建築を2つ見て回った。
建築にあまり関心が無かった私はアスプルンドという人のこともよく知らなかったのだが、
建築に興味が無くても、この人は素晴らしい建築を創造した人なのだなということはよくわかる。
森の墓地も図書館も当然入場料などないので、こういうところをただで取材できたのもうれしい。
この図書館にはもっといたかったのだが、もう次の取材場所に移動せねばならない時間です。
次はストックホルム市庁舎。午前10時から庁舎内見学ツアーがあるらしいので、そこに向かいます。

図書館内部③
図書館内部③

高い天井
天井がとても高い。まるで雲のような白い壁の凸凹も面白い
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ストックホルム市庁舎 [2011バルト海沿岸5ヶ国の旅]

2011年4月29日(金)、現地時間 午前9時42分、ストックホルム ストックホルム市庁舎

地下鉄駅構内
洞窟のような地下鉄駅構内

地下鉄でRadhuset 駅に移動し、地上をずんずん進んでいくと優美なレンガ造りの建物が現れた。
アスプルンドの作品を観た後だから、このストックホルム市庁舎の建築についても触れておくと、
ストックホルム市庁舎はラグナル・エストベリという人の設計により、1923年に完成したとのこと。
なんだかもっと古い建物のようにも見えるのだけれど、まだ建てられてから100年経っていない。
早稲田の大隈講堂に影響を与えたというが真偽の程はわからない。まあ、似ているかもしれない。
この市庁舎はノーベル賞受賞者の晩餐会の会場ということで、来てみたかったところである。

ストックホルム市庁舎
ストックホルム市庁舎

市庁舎内の見学はガイド付きのツアーに参加することで可能となる。
これから先、私がノーベル賞を受賞するということは、天地がひっくりかえってもないことなので、
ツアーに参加することで、会場の雰囲気を味わってみようじゃないの。と考えていたのである。
ツアーは1日何回かあるが、私は一番早い時間の午前10時からの英語ガイドのツアーに参加した。
料金は90スウェーデン・クローナ。これを支払い、簡単な案内とツアー参加シールをもらう。
というわけで、いよいよツアー開始。ガイドはクリスティさんという女性。参加者は30人程であった。

青の間①
ノーベル賞晩餐会の会場「青の間」

ツアーは「青の間」と呼ばれる空間からスタートであるが、実はここがノーベル賞晩餐会の会場。
いきなり私のお目当ての空間であり少々驚いたが、確かにこの空間はニュースで見た記憶がある。
昨年、ノーベル化学賞を受賞した根岸さんはここでスピーチをしていたのだな。
しかし、ヘンである。この「青の間」。ちっとも青くないではないか!
なんでも、最初は青くする予定だったが、レンガの赤が美しいので、赤いまま残したとのこと。
ガイドさんはゆっくりと説明してくれるので、語学が駄目な私でも何となくは理解できる。

青の間②
晩餐会はここに約1300人が集まる。ひとりに与えられるスペースはわずか幅60cmらしい…

「青の間」の階段を上り、次に案内されるのが「市議会室」である。
ノーベル賞の晩餐会のことばかり頭にあったけれど、ここは市庁舎なのであって、市議会がある。
天井が剥き出しになっているが、これはヴァイキング時代の建物をイメージしているそう。
自分が住む市の市議会がどんなかも知らないが、この市議会は落ち着かない感じがするなあ。
そんなストックホルム市議会の議員定数は101。現在、その内の54人が女性とのことである。
過半数を超えているのだ。ガイドさんによると、過去20年間は男女半々の状態が続いているという。

市議会室
市議会室

市議会室の天井
市議会室の天井

毎週土曜日に結婚式が行われるという「オバーレン」という小部屋を抜け
(17世紀のフランスのタペストリーが掛けられているためか、ここはフラッシュ撮影禁止)、
「プリンスのギャラリー」という鏡の間へ。ここは表敬訪問があった際に使われる空間らしい。
この部屋の壁にはフレスコ画があるが、この絵はこの国の王子が5年かけて描いたものである。
窓からは湖を望むことができ、とても優雅である。宮殿にいるかのような錯覚に陥ってしまう。
そんな私に追い打ちをかけるように最後の空間、その名も「黄金の間」が待ち受ける。

プリンスのギャラリー
プリンスのギャラリー

しかし、ヘンである。この「黄金の間」。ちっとも黄金ではないではないか!
いやいや、ここではそんなことはありません。ここは部屋一面が金箔のモザイクで彩られている。
正面にユニークな壁画があるが、これはストックホルムのシンボル「メーラレン湖の女王様」。
メーラレン湖とはさっき窓から望んだ湖がメーラレン湖で、そこの女王様が画の中心にいる。
その女王様に向って左側には西の国々の寓意、右側には東の国々の寓意が描かれている。
女王様の頭上に輝く太陽は白夜を表しているらしい。もっと細かく見ていくと面白いだろう。

黄金の間①
黄金の間①

メーラレン湖の女王
ストックホルムのシンボル「メーラレン湖の女王」

「黄金の間」を出て、階段を下りると、最初の「青の間」付近に戻って来た。これでツアー終了。
ツアーの時間は45分程である。ガイドのクリスティさんに一同拍手して解散となった。
市庁舎を出る前に、お土産売り場があったので、日本語の市庁舎ガイドブックとトランプを購入。
日本語ガイドブックは65スウェーデン・クローナ、トランプは60スウェーデン・クローナ。
トランプはどこに行ってもその土地のお土産トランプがあって、つい購入してしまう。
今回の取材でも私は計7つのトランプを購入してしまった。これ、意外と銭がかかるんだよな…。

黄金の間②
黄金の間② 晩餐会の際にはここで舞踏会が催される

ツアーのシール
出口にツアーのシールを貼り付ける板がありカラフル。私は記念に持ち帰りました
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ノーベル博物館 [2011バルト海沿岸5ヶ国の旅]

2011年4月29日(金)、現地時間 午前11時30分、ストックホルム ガムラスタン

王宮
王宮

ストックホルム市庁舎を出ると、時刻は午前11時過ぎ。スウェーデン滞在時間は6時間を切った。
残る時間で効率よく取材しなければならないが、ストックホルム中心部の見所は十分徒歩圏内。
もう高い地下鉄の乗車券を買うことも無いであろう。と、私は歩いてガムラスタンへ向かう。
ガムラスタンは昨晩もちらっと訪れたが、やはり今一度じっくり歩いてみたいところなのである。
路に迷うこともない。まずは、重厚なオーラを放っている建物の方に歩いて行く。
その建物は王宮であり、その王宮のすぐ先にガムラスタンの中心に位置する「大広場」がある。

大広場
大広間

大広場は1520年に起きた「ストックホルムの血浴」という物凄い名前のついた事件の舞台である。
当時のデンマーク王がスウェーデン人の貴族たちをこの広場で粛清した事件がそれ。
広場は血で染まり、この物凄い名前が付いて後世に語られているわけだが、全く恐ろしい。
そんな忌まわしき場所であるにもかかわらず、それが今では嘘のようにカフェーが立ち並ぶ。
しかし、私のお目当てはカフェーではなく、この広場に面して建つ、「ノーベル博物館」であった。
かつては証券取引所であったこの建物で、今はノーベル文学賞の選考が行われるという。

ノーベル博物館
ノーベル博物館

それでは、そのノーベル博物館に入場してみましょう。入場料は70スウェーデン・クローナ。
博物館は広くなく、むしろ狭いくらいなので、興味のない人はここはパスして構わないだろうが、
やはり、日本人はけっこうノーベル賞を獲っているし、どんな展示なのかは気になるところである。
広くない館内ではあるが、展示の仕方は洗練されていて、さすが「デザインの国」といったところ。
入場してすぐのところには、まずは昨年のノーベル賞受賞者についての紹介がある。
もちろん、昨年ノーベル化学賞の栄誉に輝いた鈴木さん、根岸さんの名もここにあった。

博物館内①
博物館内① ノーベル賞受賞者の顔写真がケーブルにぶら下がっている 

続いて、1901年の第1回ノーベル賞からの全受賞者を閲覧できるタッチパネルがある。
パネルは1901年からデケイドで分けられ、授賞理由と顔写真を表示させることができる。
私は深い考えもなく、知っている受賞者の名前と顔を画面に出して楽しんだ。
アインシュタイン、キュリー、レントゲン、ファインマン、ネルーダ、デュナン、ベケット、シュバイツァー。
もちろん、湯川さん、朝永さん、川端さんといった日本人受賞者の顔写真を画面に出すこともできる。
やはり日本人の名がこういうところに出てくるのはとてもうれしいことである。

博物館内②
博物館内② 

鈴木さんの展示
昨年化学賞を受賞した鈴木さんに関する展示

さらに、展示は受賞者のゆかりの品の特別展示へと続いて行く。
実験器具や分子模型の展示などがあるが、理系でない私はこういうのはさっぱりわからない。
それじゃあ文学賞の受賞者に関する展示を見てみましょう。と文学賞受賞者の展示を探すと、
1913年、アジアで初のノーベル賞受賞者となったインドの「詩聖」タゴールのノートや、
1986年に受賞したショインカの帽子や昨年受賞したリョサのカバの置物などが展示されていた。
ノートはわかるが、帽子やカバの置物はただの私物なのでは…。ま、ありがたく拝見しましたが。

下村さんの展示
2008年化学賞を受賞した下村さんに関する展示

ショインカの帽子
1986年に文学賞を受賞したショインカさんの帽子

リョサのカバの置物
昨年文学賞を受賞したリョサさんのカバの置物

博物館内にはミュージアム・ショップがあるが、ここで一番人気なのが「ノーベル・チョコレート」。
ノーベル賞のメダルを模したもので10枚入りで100スウェーデン・クローナ(1300円程)とちと高い。
2008年にノーベル物理学賞を受賞した益川さんは、このチョコレートを600枚!買ったのだとか!
ミュージアム・ショップでは他にノーベルの伝記や受賞者の著書、ポストカードなどがある。
ポストカードは受賞者の肖像が用いられたもので、ダライ・ラマのポストカードなどもあったが、
日本人受賞者のポストカードは無かった。日本人観光客目当てにあってもよさそうなんだが…。

博物館内③
博物館内③

また、ここにはカフェーがあり、ノーベル賞の晩餐会と同じアイスクリームを食すこともできる。
ただ、私が訪れた昼の時間帯は満席で、アイスクリームを食すことはしなかった…。
カフェーの椅子にも要注目で、椅子の裏にはノーベル賞受賞者のサインがなされているとのこと。
空いている時間に訪れて、椅子をひっくり返してサインを探すのもまた一興かもしれない。
さて、時刻は午後0時30分を過ぎ、スウェーデン滞在時間は間もなく4時間となろうとしている。
じゃあ、どうしましょうか…。とりあえず、どこかで昼食でもとりましょうか…。

ノーベル・チョコレート
りんこうが受賞した(購入した)ノーベル賞メダル(のチョコレート)…
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