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阿呆な旅のはじまり [2010香港・マカオの旅]

2010年9月17日(金)、午前7時59分、成田国際空港 第2ターミナル

欧州5カ国の旅から4ヶ月後。私は新たなる取材のために成田国際空港に来ていた。
今回の取材期間は4日間。短い旅である。肝心の行き先はというと香港とマカオなのであった。
香港もマカオも今は中国に返還されているので、国としては中国ということになる。
私にとって取材の訪問国数を増やすことは楽しみのひとつなのであるが、
中国は過去に訪れたことがあるから、香港・マカオに行ったとしても訪問国数は増えない。
でも、まあ、香港・マカオ。訪れたこと無いから行ってみようではないか。と考えた。

時刻表
毎度おなじみ「時刻表」

もっと具体的なことを言うと、今回の取材の目的として、私はしょうむ無いことを考えていた。
それは、「4日間でできるだけパスポートに多くのスタンプを押してもらう」ということである。
私は確かに旅好きの人間だが、決してパスポートに多くのスタンプが押されているわけではない。
欧州を取材していても、シェンゲン協定に加入している国家間では通常、国境の審査がない。
そんなわけで、欧州ではパスポートにスタンプが押されないことがほとんどなのであった。
私はパスポートを見返していて思った。これではなんだか寂しいではないか。と…。

ビェール
さっそく飲んでます

今回の取材地を香港・マカオにしたのは、スタンプがいっぱいもらえると考えたからなのである。
中国の特別行政区である香港・マカオは出る際も入る際もそれぞれスタンプが押されるであろう。
さらに、香港・マカオから足を延ばして中国本土に入っても当然スタンプが押されるであろう。
そういうことを踏まえて、私は次のようなルートを考えたのだった。
成田→香港→深圳(中国本土)→香港→マカオ→珠海(中国本土)→マカオ→香港→成田
「→」の箇所ではそれぞれ出国スタンプ、入国スタンプが押されるから、これで締めて16スタンプ。

連絡シャトルでゲートへ
連絡シャトルでゲートへ

あ。ルールとして同じ出入国審査場を何度も行ったり来たりしてスタンプを稼ぐのは無しですよ…。
この計画を遂行できれば、私のパスポートもちょっとは賑やかになるはずなのである。
何という下らない企画…。我ながら呆れてしまうが、これを成功させればそれでいい。
他に香港・マカオで特に魅かれる取材先も無かったし、会いたい人(お墓)もいないのだ。
そういえば、2010年はブルース・リーの生誕70年というアニヴァーサリー・イヤーだった。
ブルース・リーにはもちろん会いたいのだが、彼は今、香港ではなくシアトルで眠っているのだ…。

CX501便
CX501便

さて、取材が近付くにつれ、この阿呆な計画を立てた私に再び不安なる日々が襲ってきた。
尖閣諸島で中国漁船衝突事件が発生したからである。私は阿呆な計画を立てた自分を責めた。
各報道を見ると、今回の私の取材期間中には中国各地で反日デモが予定されているとのこと。
2009年は新型インフルエンザ騒動、2010年欧州はアイスランド火山…。
これらといっしょにするのもどうかと思うが、今回は尖閣諸島問題…。
どうやら、私の取材の前には毎度こういった障害が立ちはだかってしまうらしい…。

機内食
機内食

今回搭乗したのはキャセイパシフィック航空、CX501便。午前11時のフライト。
午後2時30分頃には香港に到着。時差は1時間、フライト時間は4時間30分程。
機内食を食べてたりすると、もうあっという間についてしまう印象がある。
9月中旬。日本では酷暑がようやくおさまりかけていた頃。到着した香港はまだまだ暑かった…。
こうして始まった私の取材史上最も阿呆な計画であると思われる今回の旅。
またもや不安を抱えてのスタートとなったわけだが、はて、これからどうなることやら…。

香港到着
香港到着

スタンプ①.jpgスタンプ②.jpg
(左)スタンプ① 日本国出国
(右)スタンプ② 香港入国
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香港到着。どこへ行こうか? [2010香港・マカオの旅]

2010年9月17日(金)、現地時間 午後3時19分、香港国際空港

さて、前回から始まった香港・マカオ・中国本土「スタンプ・ラリー」であるが、
ここで簡単に今回の取材日程および取材各地の位置関係の確認をしておきたい。
まず1日目は香港におとなしく滞在。2日目は香港から中国本土新圳へ日帰り取材を敢行。
3日目は香港からフェリーでマカオへ。そしてさらには中国本土珠海にちょいと足を踏み入れる。
そして、マカオに引き返し、フェリーで香港へ戻り3日目終了。4日目、香港から帰国と。
つまり、香港を拠点にしての取材である。各地の位置関係は下の地図をご参照ください。


大きな地図で見る
A:香港 B:新圳 C:マカオ D:珠海

香港国際空港に到着した私は、ここである程度の両替を済ませ、バスで中心部へ向かう。
乗車するバスは"A21"というバス。「尖沙咀」というところへ行くようだ。料金は33香港ドル。
私は今回の宿を彌敦道「ネイザン・ロード」からちょっと脇に入ったところを予約していた。
「尖沙咀」行きのバスは必然的にこの「ネイザン・ロード」を通過するからこれに乗ればよい。
しかし、どこで下車すればよいものか。車内では次の停車場を電光掲示で示してくれてはいる。
だが、それがどの辺りなのかわからない。私はガイドブックの地図と車窓の風景を交互に見やる。

バス

尖沙咀行きの2階建てバス

バス乗車券
バス乗車券

そんな中、近くの女性から中国語でおそらく「今このバスはどこら辺ですか?」と尋ねられた。
地図と格闘している最中の私にそういうことを訊くのは間違いというものである。
私は英語で「ごめんなさい。中国語話せません」と言うより他なかった。
やがて、バスは大きな看板が大通りの中央付近まで張り出しているポイントに差し掛かった。
これはお馴染みの香港の風景である。ここがおそらく「ネイザン・ロード」なのであろう。
あとは付近に建つ高級ホテルをランドマークとして、私は適当なところでバスから下車をした。

ネイザン・ロード①ネイザン・ロード②
ネイザン・ロード

いきなり香港の真っ只中に放り出された印象である。活気に満ちている。
この大通りを歩いていると、頭にポタッと滴が垂れた。なんだこれは?気持ち悪い。
地面を見て気付いたが、あちこちがその垂れた滴でぬれているのである。
その原因は?と見上げると、そこにはエアコンの室外機。ここから水が垂れているようだ。
あちこちに室外機からの水のしずくが垂れているのだった。私はこの滴の洗礼を受けたわけである。
やっぱり香港は暑いのだ。その室外機の滴を気にしない風がなんだかアジアだなと感じた。

萬年青酒店
萬年青酒店

ネイザン・ロードから小路に入り、やって来たのは今回の宿、「萬年青酒店」。
英語で"Evergreen Hotel"と名乗るこの宿はこの界隈にある宿の中では安い宿であった。
今回ここに3泊して2047香港ドル。1泊あたり7500円といったところであろうか。
だいたい香港は安宿が少ないのである。いや、もちろん安宿が集まっているところもある。
ただ、今回の「スタンプ・ラリー」を敢行するに当たり私は落ち着いて休まる宿にしたかったし、
そのラリーのためには交通の便が良い宿にしたかった。そういうことを含めて今回はここに。

宿付近にて
宿付近にて

チェックインして部屋に入ったのは午後5時頃であった。
まだ今日は時間がある。これから香港のどこに行こうか?
映画検定1級の「りんこう」。まずはブルース・リーに会いに行くことを真っ先に考えた。
もちろん、前回の記事で述べたとおり、ブルース・リーのお墓は香港には無い。
ただ、銅像が建っている。香港島を望む海沿いの「アヴェニュー・オブ・スターズ」に建つ銅像。
これをちょっと観に行ってみようではないか。というわけである。

テレサ・テン発見

テレサ・テン発見

地下鉄で付近まで乗って行ってもいいかもしれないけれど、私はまずこの街を歩いてみた。
ネイザン・ロードをただただ南へ歩いてゆく。有名ブランドの店が多く並んでいる。
かと思えば、この辺り独特のジャンク・フードであると思われる食べ物を売っている店もある。
この界隈を30分ほど歩いただろうか。私は香港島を望む海岸沿いに辿り着いた。
ブルース・リーの銅像が建つ「アヴェニュー・オブ・スターズ」はどこなのか。
道が少々入り組んでいたが、やがてその銅像が建つプロムナードが見えてきた…。

プロムナード
プロムナードが見えてきた
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アヴェニュー・オブ・スターズにて [2010香港・マカオの旅]

2010年9月17日(金)、現地時間 午後5時47分、香港 アヴェニュー・オブ・スターズ

九龍半島から香港島を望むこの付近に来ると、私は記念写真を撮りたくなってしまった。
ひとり旅の私は記念写真を撮る時は苦労する。そんな私にとって小さな三脚は必需品である。
三脚があれば香港の夜景を撮影する際も重宝するであろう。
もちろん、近くの人にお願いして記念写真を撮ってもらうこともある。
その際のコツとしては、私と同じような旅行者にお願いして撮ってもらうことであると思われる。
旅行者同士であれば、どのようなアングルで撮影したいかをよく理解してくれることが多い。

アヴェニュー・オブ・スターズへ
アヴェニュー・オブ・スターズへ

誰か撮影してくれる人がいないかと見回したところ、2人の子供を連れた母親らしき女性がいた。
最初は現地の人かと思ったが、あちこちで子供2人を立たせて写真を撮っているではないか。
この家族は恐らく旅行者であろう。私はこの女性にお願いして香港島を背景に記念写真を撮った。
その後、逆に私が撮影者となり、家族3人が香港島を背景にした写真を撮影。
誰か他人が撮影しなければ、家族3人でそろって写真に納まることはできなかったわけで、
こういうのは持ちつ持たれつである。記念写真を撮れて満足な私はプロムナードを歩きだす。

ブルース・リー像①
ブルース・リー像

程なく、お目当てのブルース・リー像が現れた。この通りで一番の人気スポットである。
香港島をバックに構えを取るこの像からは今にもアチョー!という雄叫びが聞こえてきそうだ。
周りに鉄柵があるのが少々見苦しいが、この前でやはり皆記念撮影を撮っているのであった。
さて、私もまたここで記念撮影を撮ろうか。今度は誰にお願いしようか知らん。
キョロキョロしていると、背後に先程の3人家族。その視線は「また写真撮って!」と言っていた。
私は快諾し、再び撮影者となり、家族の母親にも再び撮影者になってもらったのであった。

ブルース・リー像②
ブルース・リー像②

ここアヴェニュー・オブ・スターズでは、地面にスターの名が刻まれたプレートが埋められている。
ハリウッドのチャイニーズ・シアターの手形の香港版といったところである。
いくつかのプレートには手形があり、いくつかのプレートには手形がない。
例えば、ブルース・リーやレスリー・チャンのように故人であるスターのプレートには手形がない。
ちなみにアヴェニュー・オブ・スターズができたのは2004年とのことである。
ただ、チョウ・ユンファのように活躍中の人のプレートにも手形がなかったりしてよくわからない。

ブルース・リー
ブルース・リー

この通りにはところどころ映画関連のショップが設置されている。
それはブルース・リーのグッズを扱う店だったり、ジャッキー・チェンのグッズを扱う店だったり、
ディズニーのグッズを扱う店がだったりするが、あまり大したものは置いてなさそうであった。
それより、港を往くジャンク船に視線は注がれる。なかなか異国情緒があっていいじゃないですか。
夕暮れ時、気温も下がり過ごしやすくなった中をぶらぶらと歩いて行く私。
ああ。また外国に来てしまった…。明日からの過密スケジュールを控え、今はしばしのんびりと…。

ジャンク船
ジャンク船

アヴェニュー・オブ・スターズの端にはフィルムを身に纏った女性像がある。
この像は香港で最も権威ある映画賞「香港電影金像奨」の像であるらしい。
これはいうなれば香港のオスカー像といったところである。
その近くには「上海万博140日目」という電光掲示とキャラクターが立っていた。
そうか、ここは中国なんだな…。返還から50年は「一国二制度」を維持することができる香港。
その50年の期限が切れるのが2047年。その頃、この辺りはどうなってしまうのであろうか?

香港電影金像奨の像

香港電影金像奨の像

上海万博
上海万博のカウントダウン

阿呆な私は「スタンプ・ラリー」と称して、今回この地域の取材をすることを決めたのだが、
パスポートにスタンプが押されるということは「国境」があるということであろう。
ただ、香港もマカオも中国の特別行政区なのであって、一応「中国」なのである。
香港もマカオも日本から気軽に訪問できる場所だと思われるから、普段あまり意識しないが、
ここは世界的にも特別な場所であるわけで、私は「国」って何だ?と少し考えてしまったよ。
時刻は午後6時30分を過ぎている。そろそろ晩御飯を食べに行きましょうか。

以下スターのプレート集
ジャッキー・チェン
ジャッキー・チェン

サモ・ハン・キンポー
サモ・ハン・キンポー

ジェット・リー
ジェット・リー

レスリー・チャン
レスリー・チャン

チョウ・ユンファ
チョウ・ユンファ
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