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2010欧州5ヶ国の旅 ブログトップ
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レジデンツへ [2010欧州5ヶ国の旅]

2010年4月29日(木)、現地時間 午前8時38分、ミュンヒェン 17番の市電の中

聖ゲオルグ教会での墓参を終え、私はミュンヒェン中心部へ戻って行く。
時刻はまだ午前8時30分を過ぎたところで、これは当初の計画よりもかなり早いペース。
さて、ミュンヒェンといえばビェールなのであり、当然私もこれを飲まんとするものであったが、
いかんせん私は一人旅。皆さんがワイワイ盛り上がっているビヤホールにはなかなか入りづらい。
特に夜のビヤホールではそうであろう。では、昼にビヤホールに行ったらよいのではないか?
でも、その昼までもまだまだ時間がある。

聖ゲオルグ教会に置いてあった冊子

聖ゲオルグ教会に置いてあった冊子


世界的に知られる大ビヤホール「ホーフブロイハウス」は午前9時から営業しているらしく、
朝からビヤホールに行くというのももちろんありなのであったが、
開店直後に待ってましたとばかりに店内に突入するひとりの日本人を想像したとき、
それはそれでちょっと気が引けてしまうような、何となく恥ずかしさを感じたので、
昼までの間、私は訪れる予定の無かった「レジデンツ」というところを訪れることに決めた。
と、これが聖ゲオルグ墓地からミュンヒェン中心部に戻る市電の中で私が考えていたことである。

この前で降りてしまった

この建物の前で市電を下車


その市電であるが、私は重厚な建物の前の停留所で発作的に下車してしまった。
そこが中心部付近だと勘違いしてしまったのだが、付近を歩いてもどうやら中心部ではない。
ガイドブックの地図を見ても、自分の現在位置を把握できず悄然と小路を進んでゆくと、
地下鉄の入口を発見。迷わず乗り、その駅から2駅程だったろうか、Marienplatz 駅で降りた。
Marienplatz。つまりはマリエン広場というところで、地上に出ると新市庁舎が聳え立っていた。
そしてその向こうにはフラウエン教会の2本の塔が見える。時刻は午前9時。

新市庁舎

新市庁舎


午前9時ということで、ホーフブロイハウスは開店したはずだ。
だが、私の記事に大きなジョッキが登場するのはもう少し後のこと、
まずは新市庁舎わきのDienerstr. という路を通り、レジデンツへと向かう。
先にも述べた通りレジデンツには訪れる予定がなかった私はここがどんな所なのかよく知らぬ。
ただ、ガイドブックの写真などで絢爛なところであるという印象を受けていたので、
ここはひとつ自分の目で観てみようではないかということである。

無人の新聞売り場
無人の新聞売り場

その内にマクシミリアン通りという大通りとの交差点に出た。
その交差点に面してマックス・ヨーゼフ広場があり、そこにレジデンツは建っている。
外壁を改修中のようで全面だまし絵で覆われていたので拍子抜けした。
このだまし絵からは絢爛の「け」の字も感じられぬではないか…。
レジデンツに向かって右側には古代ギリシアの神殿のようなバイエルン国立歌劇場。
その背後から陽が昇ってきた。天気は快晴。もう暑いくらいで、日差しはかなり強い。

バイエルン国立歌劇場
バイエルン国立歌劇場

レジデンツはレジデンツ博物館とレジデンツ宝物館と施設が分かれているらしい。
私はこの後ビェールが待っていることもあるので、レジデンツ博物館のみを訪れることにした。
6ユーロの入場料を払い、順路に進もうとしたらカバンを預けろと言われてしまった。
そんなに大きくないショルダーバッグだったのだが、まあ預けて身軽になったほうがよい。
カバンからキャメラなどの必要最低限のものを取り出した上でクロークに預けた。
これで文句はないだろう。それではレジデンツの絢爛さ加減を確認しに行きましょうか。

レジデンツ
外壁がだまし絵となっていたレジデンツ

レジデンツ博物館入場券
レジデンツ博物館入場券
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レジデンツの印象 [2010欧州5ヶ国の旅]

2010年4月29日(木)、現地時間 午前9時22分、ミュンヒェン レジデンツ

レジデンツとはどんなところか。これはやはり記す必要があろう。
と、今更私はガイドブックを取り出して該当のページを読んでいる様なのであるが、
急遽訪れることにした場所ということもあるので、どうぞご勘弁ください。
日本語のオーディオガイドがあればよかったのだが、日本語はなし。
チケット購入の際に、英語のオーディオガイドが利用できる旨、案内されたが、
聴いても解らないし、そうとなればオーディオガイドは荷物となるだけだから利用せず。

レジデンツ入口

レジデンツ入口


で、レジデンツとはどんなところ?それは宮殿であるということだ。
では、どんな宮殿?それはヴィッテルスバッハ家の宮殿であるということだ。
では、ヴィッテルスバッハ家はどんな人たち?そこまで説明すると長くなるようだ。止めた!
ガイドブックにはゲーテ、モーツァルト、ナポレオンもこのレジデンツを訪れたとの記述もある。
ナポレオンはともかく、欧州にはゲーテ、モーツァルトの訪問地というのが何と多いことか!
さて、結局私はレジデンツについての知識を未だろくに得ていないままである…。

貝殻の装飾
貝殻の装飾

歴史的背景は知らないけれど、まあ、今回はその内部から受けた印象を記すことにしたい。
まず入場してすぐのところに、ひたすら貝殻を集めて装飾が施された回廊の空間がある。
フランスに「シュヴァルの理想宮」というのがあるが、ちょっとそれを想い起させる奇妙な空間。
回廊には女性と思われる像が複数あり、これもやはり貝殻でできているようだったが、
全身貝殻だらけなので、その肌は滑らかなわけがなく、むしろグロテスクに見えるものである。
さらに、胸の先からちょろちょろと放水がされており、これは見学者のツッコミを誘うことだろう。

貝殻の女性像

貝殻の女性像


しかしどうしたことだろう。ガイドブックで見たあの絢爛な世界はどこにあるのだろう?
のっけの貝殻でそのような不安に苛まれる向きもあるやもしれぬが、ここで判断するのはやや尚早。
アンティクヴァリウムという空間に足を踏み入れれば、その不安が解消されること請け合いである。
この丸天井の空間を向こうの扉まで私は歩いた。まだ開館直後だからか人もほとんどいない。
歴史的背景を知らなくともこの空間にひとりいることで私は欧州に来ていることを実感した。
そして、アイスランドの火山灰の懸念にもかかわらず、よく来たな。と感慨に浸った。

アンティクヴァリウム
アンティクヴァリウム

丸天井の空間を抜けると、寝室やら様々な部屋の空間となる。豪華絢爛、絢爛豪華な部屋の数々。
絢爛であることはよくわかった。ほんとうにこれでもかと絢爛な部屋が出てくるのである。
しかし、どういう謂れのある部屋なのかとんとわからない。
そして、その順路の所々にゆかりの品々の展示。これもどういう謂れのあるものかわからぬ。
だいたいヴィッテルスバッハ家が何者であるのかよく知らぬから無理もない。
やはり、謂れを理解しながら巡回しないと厳しい。「絢爛」を繰り返すだけの非道い記事となる。

ヴィッテルスバッハ家ゆかりの品々寝室

(左)ヴィッテルスバッハ家ゆかりの品々
(右)寝室

よくわかったことは、この絢爛な空間は迷路のようだということで、まさに「迷宮」ですな。
そんなのは宮殿はみんな迷路みたいなもんかも知れないが、とにかくここは順路がわかりにくい。
一応は順路の標識が出ているのだが、どちらを示しているのか判らぬ箇所があり困った。
私などは真っ暗な階段の方に向かおうとしたら、そこは見学場所ではないと注意されてしまった。
いや、確かに標識はこちらの真っ暗な階段の方向を示していたと思ったのだが…。
さて、次回はこの「迷路」からなんとか脱出し、いよいよ大ビヤホールに向かうことにしましょう。

見学順路を示す標識

いささか頼りない見学順路を示す標識

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ホーフブロイハウスにて [2010欧州5ヶ国の旅]

2010年4月29日(木)、現地時間 午前10時14分、ミュンヒェン レジデンツ

急遽訪れることにしたレジデンツでは歴史的な謂れがわからぬまま順路を進むことになったが、
そんな中でも、アンティクヴァリウムの丸天井、銀食器コレクションの「銀の間」、
そして、ヴィッテルスバッハ家の肖像画がずらりと並んだ「祖先画ギャラリー」は印象に残っている。
今、ガイドブックを取り出してレジデンツのページを見てみると、この3か所は太字で記載されていて、
これは、やはりレジデンツの中でも見どころということなのだろう。歴史を知らなくても圧倒される。
レジデンツで撮影した写真はまだありますので、ここでちょっとご覧いただきましょう。

レジデンツ①

レジデンツ②レジデンツ③

レジデンツ④
銀食器コレクションの「銀の間」

レジデンツ⑤
祖先画ギャラリー

レジデンツの写真をご覧いただいている間に、私はホーフブロイハウスの前までやって来ました。
時刻は午前10時40分。中に入って注文してビェールと食事。これが本日のランチになるだろう。
しばらく建物をしげしげと眺めていると、子供たちが集団で大ビヤホールに入場して行くではないか。
「!」と思い、私も子供たちの後について入場。お酒は20歳からだよ。ドイツはどうだか知らないが。
もちろん子供たちはビェールを飲みに来たのではない。誰か大人に引率されて見学に来たようだ。
みんなキャメラ片手に広い屋内のあちこちをパシャパシャ写真撮影。私も同じように写真撮影。

ホーフブロイハウスの前
ホーフブロイハウスの前

ホーフブロイハウスの中ずらりと並んだジョッキ
(左)ホーフブロイハウスの中
(右)ずらりと並んだジョッキ
 
夜はこの広いホールがいっぱいになって盛り上がるのだろうが、今はまだあまり客が入っていない。
一人旅の私。やはり昼に訪れて正解だった。奥のほうに中庭があったのでそっちに行ってみる。
そこはビヤガーデンだった。雲ひとつない青空の下で飲むビェール。これは昼ならではの格別なこと。
というわけで、適当な席に腰かけていると、すぐにウエーターが英語のメニューを持ってきてくれた。
まずはビェール1リットル、それに名物の白ソーセージ、あとはサラダかなんかいただくか。
料理名を指さし注文すると、程なく1リットルのビェールが私の目の前に置かれていった。

黒ビェール
Dunkel Mass (黒ビェール1リットル)6.90ユーロ

今回の取材。いろいろ楽しみはあったけれど、まずはこの大ビヤホールでいただくビェールである。
意識して注文したわけでなく、単によくわからずに注文したからだが、出てきたのは黒ビェール。
口にするとカラメルのほのかな甘みが感じられ香ばしい。しかしこれは飲み干すまでたいへんだ。
まだまだ黒ビェールがなくならないその内にサラダ、白ソーセージ2本が次々と現れた。
「白ソーセージに正午の鐘の音を聞かせるな」。白ソーセージは昼までに食べる習慣があるらしい。
私は一応はこの伝統に則って、この大ビヤホールで食事をしていることになるわけですな。

白ソーセージ
Paar Weisswurst (白ソーセージ)4.90ユーロ

マスタード
このマスタードにつけて食べます

さて、この白ソーセージ。食すのに一苦労なのであった。
私はまず2本の白ソーセージの連結部をナイフで切断しようとしたのだが、これが切れない。
一方をフォークで押さえ、連結部にナイフを当ててみるが一向に切れる気配がないのである。
この格闘の末にソーセージを地に落とすという惨事だけは防がなければならない。
私は連結部の切断を諦め、まずは1本のソーセージを4分の3辺りのところで切断し、これを食し、
次に同様にしてもう一方のソーセージの4分の3を食し、最後に残った部分をいただくことにした。

サラダ
salatteller (サラダ)3.50ユーロ

切断されたソーセージ。次にこのソーセージの白い皮をむくという難儀な作業が私を待っていた。
それでも、ほじくるようにして詰められたすり身を何とかいただいた。
ソーセージというとパリッと音を立てて豪快に食べるCMを小さいころ見た記憶がいまだ強く、
どうもこのように地味に中身をほじくり返して食す白ソーセージには意外な感じがするのであったが、
この作業に慣れて上手になるとちょっとかっこいいかもな。とか考えている私に酔いが回って来たぞ。
アイスランドの火山灰の懸念にもかかわらず、よく来たな。とまた感慨に浸る。これ度々思いました。

ビヤガーデン
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