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映画館で映画を観る楽しみ [2018パリの旅]

2018年7月28日(土) 午後3時18分 東京 渋谷 ユーロスペース

それにしても、なぜパリでわざわざ映画なのか?
語学に堪能であれば、最新のフランス映画を観ることができるから、それは意味のあることであろう。
しかし、私は語学に堪能ではない。
だから、観て楽しめる映画というのは以下の3タイプに自ずと限られてしまうと思われる。
①むかし観たことのある映画
②無声映画(またはほとんどセリフなしの映画)
③日本映画(外国語吹き替え版は不可)
それなのに、パリで映画館。というのは、海外の映画館の雰囲気を味わってみたいからなのだ。きっと。

シネマテーク・フランセーズで①
シネマテーク・フランセーズで

私は映画館で映画を観る際には、劇場内のほぼ真ん中辺りの席を取るようにしていた。
スクリーンの真ん前で映像と対峙するような席である。
映像を独占し、なるべく他の要素が入ってこない環境を望んでいたのだろう。
これがこの頃は変わってきて、劇場後方の席に陣取ることが多くなった。
後方の席だと、他の観客たちの反応がわかる。
映像を独占しようとするのではなく、劇場内の雰囲気を味わいたいと思うようになったのであろう。
余談だが、一度、ある映画で後方の席に座したところ、他に誰も入ってこなかったということがあった…。

シネマテーク・フランセーズで②
シネマテーク・フランセーズで

ただ、劇場内が熱を帯びた雰囲気になる映画というのは非常に少ない。
これが映画祭なんかだと、独特の雰囲気があって、観客の一体感が感じられることがある。
上映中、作品に対する観客の反応が顕著だったり、上映後には自然と拍手が起こったりする。
でも、それは映画祭だからであって、普段の上映でそういうことはあまりないものである。

それが、先日、普段の上映でそういうことが起こった(これは日本でのおはなしです…)。
上田慎一郎監督の「カメラを止めるな!」という日本映画を観たのである。
その劇場内の熱量といったら…!これはもの凄い、熱い熱い熱い映画なのであった!
もの凄くこの映画について語りたいのだが、この映画の内容について書くことは野暮以外の何でも無い。
とにかく、熱い映画であったとだけここに記しておくことにする。

チケット
同じ映画を2度劇場に観に行ったなんて、いつ以来だろうか…

2018年5月4日(金) 午後2時52分 パリ シネマテーク・フランセーズ

さて、シネマテーク・フランセーズで「戦艦ポチョムキン」の上映である。
この映画は75分とちょっと短い。だからかこの前に1本の短編もセットで上映された。
"La Maison est Noire(日本語題「あの家は黒い」)"(1963年)という20分の作品である。
これは初めて観る作品であった。
監督はフォルーグ・ファッロフザード(1936~1967)というイランの人である。
この人は、女性で詩人としてもイランでとても重要な存在なのだそうである。

「あの家は黒い」はドキュメンタリー作品で、ハンセン病患者の日常が描かれる。
監督は詩人でもあるということで、その映像に何か詩のような朗読が挿入されている。
イランの映画だからペルシア語での朗読。したがってフランス語の字幕が出る。
そんなわけで、残念ながら内容を把握することはできなかった…。

シネマテークのチケット
シネマテークのチケット

続いてセルゲイ・エイゼンシュタイン監督の「戦艦ポチョムキン」の上映が始まる。
ショスタコーヴィチの曲が流れ、ウジが湧いた肉、立ち上がるライオン、オデッサの階段…。
「戦艦ポチョムキン」は映画史に残る名作とされている。
しかし、海外の映画館の雰囲気を味わってみたいとはいえ、なぜ「戦艦ポチョムキン」なのか。
他にもっと観るべき映画があったのではないだろうか?
まあ、これならばわかるであろうと「戦艦ポチョムキン」を選択したのであるから仕方が無い。
決して時間の無駄だったわけではないが、やはり映画は言葉がわからないと選択の幅が狭まってしまう。
それは、冷蔵庫がないと購入できるチーズが限られてしまうようなものなのである(まだ言ってるよ)…。

ルーヴル
シネマテークで映画鑑賞後、買ったものを宿に置いて、再びルーヴルへ…
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