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2018パリの旅も大詰め [2018パリの旅]

2018年5月6日(日) 午後1時47分 パリ Filmotheque du Quartier Latin

映画チラシ
置いてあったチラシ

ようやく映画のチケットを入手できた私は、上映室に入る前に狭いロビーをあらためて見回した。
見たことのある顔がいるなと思ったら、この映画館を創設したJean-Max Causse氏だった。
以前、何かのテレビ番組で紹介されていたのを見たのですぐにわかった。
椅子に腰かけるJean-Max氏の近くには、この映画館オリジナルの映画チラシが置かれていた。
映画チラシ収集が趣味の私は、これを折れないように日本に持ち帰りましたよ…。

上映室へ
上映室は地下。階段の上には「スター誕生」のジュディ・ガーランドの写真が

さて、この映画館は2つの上映室からなる。
1つは赤を基調とした「マリリン」。もう1つが青を基調とした「オードリー」である。
私がこれから鑑賞する「近松物語」は「オードリー」での上映であった。
さっそく入室し、適当な椅子に腰掛ける。
全60席のとても小さい上映室だが、真っ青な壁、花をモチーフとした照明、オードリーの肖像画。
観客は私以外はみんなフランス人だっただろうか。熱心な映画ファンたちである。
私は特別な空間にいることを実感し、わくわくしながら上映を待った。

上映室
上映室「オードリー」

実は私。溝口健二監督の作品は「雨月物語」くらいしか観たことがない。
日本語の音声で、フランス語字幕が出るという上映であるから問題はないであろう。
やがて、拍子木と太鼓が鳴り、大映のマークがスクリーンにでかでかと現れた。
だが、物語が始まるやいなや私はまずいと思った。何を言っているのか聞き取りにくいのである…。
セリフが昔の言葉であるし、60年以上前の作品であるから音声の悪さは仕方がないのかもしれないが…。

向こうの人は、映画を観ておかしなシーンでは大声を上げて笑うことがある。
だが、この映画は悲しい恋の物語であるから、映画館内も基本的に静かである。
それでも、茂兵衛、おさん、助右衛門の3人が鉢合わせになるシーンでは笑いが漏れた。
私は以春を演じる進藤英太郎の演技がとにかくいやらしいのでそれがおかしかった。
ストーリーはだいたい把握できたが、やはり事前にあらすじを頭に入れておくべきだったかな…。

上映を待つ人々
上映を待つ人々

上映が終わると、時刻はそろそろ午後4時になろうとしている。
映画館の外には、次の回のチケットを求める人の列ができていた。
もうそろそろ今回の旅も終わりであるのだが、最後にどこへ行こうか?
今回は映画を3本観て、ジャンヌ・モローのお墓参りもした。
映画というテーマで最後も締めるのであれば、巨大映画館"Le Grand Rex"へ行ってみようかと考えた。

Le Grand Rex
Le Grand Rex(2014年撮影)

"Le Grand Rex"は1932年に開館した巨大映画館で、座席は2700席もあるらしい。
当時全盛だったアール・デコ調の建造物で、何年か前、その建物の前は通ったことがある。
とはいえ、さすがに今から"Le Grand Rex"で映画を観る時間はない。
しかし、"Le Grand Rex"では舞台裏ツアーというのを5分おきに開催しているらしい。
それならばどうだろうか?ツアーの所要時間は約50分との情報を得ていた。
帰国の便が出るのが午後9時。その2時間前に空港に着いているとして…。
逆算していったところ、このツアー参加もなんだか慌ただしくなってしまいそうであった…。

凱旋門へ
凱旋門へ

結局、"Le Grand Rex"訪問は諦め、メトロに乗ってCharles de Gaulle-Étoile駅に行くことにした。
今回の旅ではまだエトワール凱旋門を目にしていない。
帰国前にやはり一度拝んでおこうということである。
Charles de Gaulle-Étoile駅から地上に出るエスカレーター。
そのエスカレーターに乗り、次第に姿を現すエトワール凱旋門。あれがいいのである。
と、Charles de Gaulle-Étoile駅に着いたところ、工事中。
凱旋門から少々離れた出口から地上に出るハメとなってしまった…。

工事中
工事中
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コメント 4

ニッキー

そっか、日本の古い映画だと当時のままの
音声で当時のままの言葉遣いですもんね(°_°)
字幕が読めないとちょっと辛いですよね(⌒-⌒; )
2700席の巨大映画館( ^ω^ )
フランス人は映画好きな方が多いんですねぇ=(^.^)=
by ニッキー (2018-11-18 20:45) 

marimo

フランスで 日本の映画をフランス語字幕で観る♪
なかなかレアな体験だと思います。
私もそんな旅をしてみたいです(^^
by marimo (2018-11-19 14:35) 

coco030705

こんばんは。
ヨーロッパの人々も映画好きの人は、日本の古い映画もよく知っていますよね。私も若いとき、イギリス滞在中に「めし」(成瀬巳喜男監督)をロンドンの映画館で初めて見ました。日本人もあまり知らないような昔の映画を、イギリスの人が結構みに来ているのが、びっくりでした。古い映画はまったく観たことがなかったのですが、結構面白く感じたのを覚えています。

by coco030705 (2018-11-21 11:30) 

りんこう

ニッキーさん、こんにちは!
フランスでは映画は「第七芸術」と言われたりしますからね。
他の6つがよくわからないですが。
とにかく皆さん熱心な映画ファンのようでした。

marimo さん、こんにちは!
これは日本の映画じゃないと理解できないからというだけなんです。
結局、日本の映画でも聞き取りにくかったんですが。
でも、海外の映画館の雰囲気を味わうのも面白いものです。

coco030705 さん、こんにちは!
成瀬の映画も評価が高いようですね。
クロサワ、オヅ、ミゾグチとならんで「日本映画四大巨匠」と言われたりもしますね。
成瀬の映画は「浮雲」くらいしか観たことがありませんが面白かったです。
by りんこう (2018-11-25 09:55) 

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