ポンピドゥー・センターで [2014パリの旅]
2014年1月1日(水) 現地時間 午後7時09分 パリ ポンピドゥー・センター
まずは休憩
ようやくたどり着いたポンピドゥー・センター。さっそく芸術鑑賞といきたいところだが…。
その前にセンター内にあるカフェで炭酸水のペットボトルを購入しひと休みである。
ポンピドゥー内の国立近代美術館が開いているのは午後9時まで。あと2時間もないのだが…。
まあ、今日パリに着いたばかりだもの。ちょっと休ませてくださいよ…。
入場に際しては、4日間有効なパリ・ミュージアム・パスを使用。これは予め日本で購入した。
7200円だった。もとが取れるのかわからないが、まあこれがあれば楽に入場できるのである。
アンディ・ウォーホル (1928~1987) 「10人のリズ」
さて、ここポンピドゥーの国立近代美術館では観たい作品がいくつかあった。
まずはレンピッカの作品である。レンピッカはアール・デコの時代に活躍した女性画家。
私は2009年に渋谷Bunkamuraで開催された「レンピッカ展」に行ったことがある。
その時の図録の表紙に使われていたのが「緑の服の女」という作品であった。
「緑の服の女」はポンピドゥー所蔵の作品。そう、「緑の服の女」と再会しようというわけ。
うーん。ポンピドゥーは何回か訪れたことがあるが、レンピッカの作品なんてあったかなあ…。
ポンピドゥー・センターで
と、レンピッカをひそかに期待しながら展示空間を歩いていると、あった。レンピッカの作品が。
確か4点展示されていた。もちろん「緑の服の女」もあった。あらためてみると小さな作品だ。
からだにぴったりと張り付いている緑の服も印象的だけれど、髪の毛もすごい。鋼のリボンみたいだ。
そういう髪の毛の描写とかから、優美な女性像のはずなのに、どこか機械的な印象を受ける。
まさにアール・デコ期を代表する作品であるこの「緑の服の女」。1930年の作品である。
華やかそうでいて、背景が暗かったりするのは、どこか不安な時代を象徴しているのか…。
タマラ・ド・レンピッカ (1898~1980) の展示
レンピッカ「緑の服の女」
レンピッカの他に観たかったのはフジタ(藤田嗣治)の作品である。
秋田出身の私としては、秋田県立美術館に「秋田の行事」という大作があるので親しみがある。
ただ、レンピッカ同様、私はポンピドゥーでフジタの作品を観た記憶がないのだった…。
今回はフジタの作品がちゃんと展示してあるかという確認なのである…。
藤田嗣治 (1886~1968) の展示
というわけで、今度はフジタをさがしながら歩いていると、フジタの作品は5点展示されていた。
まったくちゃんと展示されているではないか…。以前訪れた際に私は何を観ていたのだろうか…。
それとも、たまたま展示されていなかったのだろうか。レンピッカもフジタも…。
ともかく、フジタの作品が5点。いちばん右に見憶えのある絵が。女性がカフェで頬杖をついている。
はて、この絵は以前どこで観たのだろうか…。
気になって、2006年に東京国立近代美術館で開かれた「藤田嗣治展」の図録を確認してみた。
すると、この作品と似た「カフェにて」という作品が2点掲載されていた。ただこれは2点とも個人蔵。
どうも、フジタは女性がカフェで頬杖をつくというこういう作品を何枚も描いていたらしい…。
藤田嗣治「カフェにて」
荻須高徳 (1901~1986) 「サン・タンドレ・デザール広場」
フジタ作品の近くには、他にも日本人画家の作品が何点か展示されていた。
Bakusen Tsuchida(土田麦僊)の"Danseuse Suzue"という作品があった。
"Danseuse"ということはダンサー、つまりは舞妓か。"Suzue"というのは名前だろうか?
どうもこの作品も私は観たことがある気がしたのである。有名な日本画である気がした。
しかし、そんな有名な日本画がポンピドゥーにあるのだろうか…。どうも解せないでいた。
土田麦僊 (1887~1936) "Danseuse Suzue"
帰国後、調べてみて疑問が氷解。私は土田麦僊の作品を切手で見たことがあったのだった。
1968年4月に発行された切手趣味週間の切手の図案が土田麦僊の「舞妓林泉」だったのである。
実は私、切手も集めていたことがあるのですね。何かと収集癖があり、部屋の整理がたいへんです。
さて、ポンピドゥーで観た土田麦僊の作品であるが、「舞妓林泉」とは似て非なる作品であった。
描かれた舞妓の姿は同じだが背景がない。これは「舞妓林泉」の習作のようなものかもしれない。
と、個人的にいろいろ発見があったところでまた次回です…。
1968年発行 切手趣味週間 土田麦僊「舞妓林泉」
まずは休憩
ようやくたどり着いたポンピドゥー・センター。さっそく芸術鑑賞といきたいところだが…。
その前にセンター内にあるカフェで炭酸水のペットボトルを購入しひと休みである。
ポンピドゥー内の国立近代美術館が開いているのは午後9時まで。あと2時間もないのだが…。
まあ、今日パリに着いたばかりだもの。ちょっと休ませてくださいよ…。
入場に際しては、4日間有効なパリ・ミュージアム・パスを使用。これは予め日本で購入した。
7200円だった。もとが取れるのかわからないが、まあこれがあれば楽に入場できるのである。
アンディ・ウォーホル (1928~1987) 「10人のリズ」
さて、ここポンピドゥーの国立近代美術館では観たい作品がいくつかあった。
まずはレンピッカの作品である。レンピッカはアール・デコの時代に活躍した女性画家。
私は2009年に渋谷Bunkamuraで開催された「レンピッカ展」に行ったことがある。
その時の図録の表紙に使われていたのが「緑の服の女」という作品であった。
「緑の服の女」はポンピドゥー所蔵の作品。そう、「緑の服の女」と再会しようというわけ。
うーん。ポンピドゥーは何回か訪れたことがあるが、レンピッカの作品なんてあったかなあ…。
ポンピドゥー・センターで
と、レンピッカをひそかに期待しながら展示空間を歩いていると、あった。レンピッカの作品が。
確か4点展示されていた。もちろん「緑の服の女」もあった。あらためてみると小さな作品だ。
からだにぴったりと張り付いている緑の服も印象的だけれど、髪の毛もすごい。鋼のリボンみたいだ。
そういう髪の毛の描写とかから、優美な女性像のはずなのに、どこか機械的な印象を受ける。
まさにアール・デコ期を代表する作品であるこの「緑の服の女」。1930年の作品である。
華やかそうでいて、背景が暗かったりするのは、どこか不安な時代を象徴しているのか…。
タマラ・ド・レンピッカ (1898~1980) の展示
レンピッカの他に観たかったのはフジタ(藤田嗣治)の作品である。
秋田出身の私としては、秋田県立美術館に「秋田の行事」という大作があるので親しみがある。
ただ、レンピッカ同様、私はポンピドゥーでフジタの作品を観た記憶がないのだった…。
今回はフジタの作品がちゃんと展示してあるかという確認なのである…。
藤田嗣治 (1886~1968) の展示
というわけで、今度はフジタをさがしながら歩いていると、フジタの作品は5点展示されていた。
まったくちゃんと展示されているではないか…。以前訪れた際に私は何を観ていたのだろうか…。
それとも、たまたま展示されていなかったのだろうか。レンピッカもフジタも…。
ともかく、フジタの作品が5点。いちばん右に見憶えのある絵が。女性がカフェで頬杖をついている。
はて、この絵は以前どこで観たのだろうか…。
気になって、2006年に東京国立近代美術館で開かれた「藤田嗣治展」の図録を確認してみた。
すると、この作品と似た「カフェにて」という作品が2点掲載されていた。ただこれは2点とも個人蔵。
どうも、フジタは女性がカフェで頬杖をつくというこういう作品を何枚も描いていたらしい…。
荻須高徳 (1901~1986) 「サン・タンドレ・デザール広場」
フジタ作品の近くには、他にも日本人画家の作品が何点か展示されていた。
Bakusen Tsuchida(土田麦僊)の"Danseuse Suzue"という作品があった。
"Danseuse"ということはダンサー、つまりは舞妓か。"Suzue"というのは名前だろうか?
どうもこの作品も私は観たことがある気がしたのである。有名な日本画である気がした。
しかし、そんな有名な日本画がポンピドゥーにあるのだろうか…。どうも解せないでいた。
帰国後、調べてみて疑問が氷解。私は土田麦僊の作品を切手で見たことがあったのだった。
1968年4月に発行された切手趣味週間の切手の図案が土田麦僊の「舞妓林泉」だったのである。
実は私、切手も集めていたことがあるのですね。何かと収集癖があり、部屋の整理がたいへんです。
さて、ポンピドゥーで観た土田麦僊の作品であるが、「舞妓林泉」とは似て非なる作品であった。
描かれた舞妓の姿は同じだが背景がない。これは「舞妓林泉」の習作のようなものかもしれない。
と、個人的にいろいろ発見があったところでまた次回です…。
1968年発行 切手趣味週間 土田麦僊「舞妓林泉」
藤田嗣治は、私も好きです。
あの薄いクリームの肌色は、なんとも言えません。
ネコの作品も魅力~♪
by enpoko (2014-03-30 20:22)
Badoit..ほどよい炭酸が心地よいですね。
大きな美術館は、パスを持って何度も訪れたいですね。
旅行中、雨などふれば一日過ごせますからね。
キュビスムの片鱗を感じる「緑の吹くの女」印象的です。
by orange (2014-03-30 23:51)
さすが本場ですね。
羨ましい。^^
by よしあき・ギャラリー (2014-03-31 05:47)
ここは行ったことが無いです(多分、わたくしの記憶も相当曖昧)
by mimimomo (2014-03-31 12:10)
タマラ・ド・レンピッカは僕も好きです。画集も持っています。
日本でも観ましたが、やはりポンピドゥでは気付きませんでした。
フランスでレオナール・フジタは有名ですね。
by akipon (2014-03-31 14:36)
ポンピドゥー・センターの前で写真を撮ったけど、中に入った記憶が全くありません。絵も見た記憶がないので、入らなかったのかな。
by youzi (2014-03-31 20:36)
同じ構図で何枚も描くということは多いので
そういうたぐいのものかもしれませんね。
by サンダーソニア (2014-04-01 08:49)
国立近代美術館はいろんな種類のアート作品が見られて楽しいところですね。レンピカの作品は面白いですね。じっと見ていると、勝手に物語ができてしまいそうです。
by carotte (2014-04-01 13:32)
enpoko さん、こんばんは!
あの白い肌はフジタ独特のものなんですよね。
僕は晩年の子供たちを描いた作品も好きだったりします。
orange さん、こんばんは!
BADOITって有名なんですか?ペリエぐらいしか知らないもので…。
それでも、このペットボトルのキャップは持ち帰ってきました。
こういうどうでもいいものを集めてしまうのですよね。はあ…。
よしあき・ギャラリーさん、こんばんは!
パリはやっぱり芸術の都です!
これからも美術館がいくつか出てくると思います!
mimimomo さん、こんばんは!
ここよりはルーヴル、オルセーのほうが優先されますよね。
でも、ポンピドゥーは面白いところですよ。
ルーヴル、オルセーよりは混雑していませんし。
akipon さん、こんばんは!
おお。レンピッカの画集をお持ちなんですね。すばらしい。
「緑の服の女」。いいですよね。再会できてよかったなと思います。
youzi さん、こんばんは!
確かにここは建物のインパクトが強烈なんで…。
建物の中の印象よりは外観のほうが印象に残っちゃうのかも…。
サンダーソニアさん、こんばんは!
麦僊の作品は「?」と思ったんですよね。見たことがあると。
切手だったんですね…。切手というのはいろんな情報を与えてくれますね。
carotte さん、こんばんは!
レンピッカは面白いですよね。まさにアール・デコです。
あと、レンピッカは電話をかけている女性の絵。あれもいいんですよ。
ポンピドゥーには展示されていませんでしたが。
作品名はわかりませんが、あれもいろんな物語を想像できそうです。
by りんこう (2014-04-05 23:51)
こんばんは。
ポンピドゥー・センターは大きいですね。
レンピッカは日本へ来ていたとき、神戸のほうの美術館で観ました。独特の絵ですが、古くささがないですね。フジタもいつ観てもすばらしい絵だと思います。大好きです。
by coco030705 (2014-04-07 21:30)
coco030705 さん、こんばんは!
もう体調は大丈夫でしょうか?
レンピッカはまさにアール・デコですよね。
フジタはお墓というか礼拝堂がランスにあるのですが…。
うーん。いつか行ってみたいなあ…。
by りんこう (2014-04-12 20:58)
その数ヵ月後、そのカフェでガス入りウォーターを飲んでました。くくく。
by カエル (2014-05-26 16:49)
藤田嗣治「カフェにて」は2007年に国立新美術館で開催された「異邦人たちのパリ 1900-2005 ポンピドーセンター所蔵作品展」のときに鑑賞しました。
そのとき私も同じ作品かなぁと思って、2006年の藤田嗣治展の図録を開いて確認しましたよ♪
懐かしいなぁ。ヾ( ̄ー ̄)ゞ
by りゅう (2014-06-01 01:22)
カエルさん、こんばんは!
ああ、同じ所で飲んでいらっしゃいましたか。
座ったところも同じだったりして…。
りゅうさん、こんばんは!
なるほどね。2007年に来ていたんですね。これは観ていません。
今回僕は、その時に来ていた作品を観たということなんでしょうね。
by りんこう (2014-06-08 21:43)
同じところ座っていた気がしてきた!
by カエル (2014-06-23 15:27)
カエルさん、こんばんは!
やっぱり同じ場所?でしたか。世の中狭いですね?
by りんこう (2014-07-19 22:16)