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旅のプロローグ① [2012ボストーク号で行くロシアの旅]

2012年7月14日(土) 午前8時 羽田空港 国際線ターミナル サクララウンジ

さっそく飲んでます
さっそく飲んでます

私は今、羽田空港の国際線ターミナルのサクララウンジでビールを飲んでいる。
今回の取材は羽田空港からのスタートである。そして、どういうわけか私はサクララウンジにいる。
もちろん食事は飲み放題、食べ放題。はじめから私の旅に似つかわしくないこの雰囲気は何だろう。
しかも、今回は行きのフライトに関してはビジネスクラスを利用するのである…。
さて、その行き先は?それは北京である。ああ!眉をひそめる皆さんの顔が想像できる…。
大規模な反日デモが発生する約2ヶ月前。私は北京に向ったのである…。

サクララウンジ
サクララウンジ

今回の取材期間は13日間。13日間あれば世界中たいていのところに行くことができるであろう。
このように比較的長期の取材期間を確保できることになり、私はどんな取材にしようかとよく考えた。
長距離を移動することに旅の実感を見出す私としては、まずは長距離移動にこだわりたかった。
長距離移動となれば、13日間ということで、世界一周(もちろん飛行機で)も可能であろう。
しかし、それはさすがに慌ただしい。それに、飛行機での移動では景色も見られないし、つまらない。
それよりは地を這って移動する交通手段で移動したい。ならば鉄道かバスだろうか…。

鉄道で長距離移動となれば、やはりシベリア鉄道である。一度乗ってみたいと何となく思っていた。
また、ロシアという国も行ってみたい国であった。でも、何となくこわいイメージがある。
治安や言葉の壁…。ロシア旅行はなんとなく想像するだけで、これまで実行に移すことは無かった。
ただ、13日間という取材期間を得られた今回はシベリア鉄道に乗車できるまたとない機会である。
ずっと線路の向こうにあるモスクワ、さらにはサンクト=ペテルブルクが私を呼んでいる!
今回はそんな妄想が止まらぬ事態…。私は思い切ってシベリア鉄道の旅をすることにしたのである。

羽田空港で
羽田空港で

では、なぜ北京なのか?それは北京発モスクワ行きの「ボストーク号」に乗車するためである。
シベリアを走る列車にはいろいろある。私は計画段階で以下の3つの路線を候補にあげてみた。

①ウラジオストク発 モスクワ行 「ロシア号」
 極東のウラジオストクからモスクワへ。シベリアを走る列車の代表格。隔日の運行。

②北京発 モンゴル経由 モスクワ行
 モンゴルを縦断してロシアへ。水曜日の朝に北京発。モスクワ着は月曜日の午後2時30分頃。

③北京発 満州里経由 モスクワ行 「ボストーク号」
 中国東北部からロシアへ。土曜日の夜に北京発。モスクワ着は金曜日の午後6時頃。

①のロシア号はシベリア鉄道の代名詞的な存在。隔日での運行だが、これは早々と却下となった。
理由は簡単でウラジオストクに行くのが面倒で、時間も銭もかかりそうであったからである。
②と③は北京発であるから、これならば貯めていたマイルを消費して北京に向かってしまえばよい。
次に②と③のどちらにするかであるが、②のモンゴルを通過するというのはかなり魅力ではあった。
しかし、②が発車するのは水曜日の朝。前日の火曜日には北京入りしていなければならない。
一方、③の発車は土曜日の夜。当日の朝に日本を発ち、昼に北京入りすれば夜には乗車できる。
時間を有効に使うことができ、かつ余分な銭を使わないですむ③に乗車することに決めたのだ。

羽田空港国際線ターミナル
羽田空港で

路線を決めた私は、いくつかのロシア旅行を専門で取り扱う旅行代理店に見積り依頼を出した。
なしのつぶてのところもあれば、回答が得られたとしても予想外の高い見積りがきたりした…。
そんな中、JIC旅行センターというところからは迅速に回答も来て、見積りも許容範囲内であった。
以降、私は新宿通り沿いにあるこの旅行代理店に何度か足を運び、旅の相談をしたのである。
そして、店頭およびメールでやり取りを何回かした結果、次のようなルートができあがった。

~今回のルート~
 7月14日(土) 羽田発、北京着 夜、ボストーク号1等車にてモスクワへ
 7月15日(日) 車中泊
 7月16日(月) 車中泊
 7月17日(火) 車中泊
 7月18日(水) 車中泊
 7月19日(木) 車中泊
 7月20日(金) モスクワ着 到着後ホテルへ
 7月21日(土) 夜、モスクワ発 サプサン号2等座席車にてペテルブルクへ 到着後ホテルへ
 7月22日(日) 終日ペテルブルク
 7月23日(月) 夜、ペテルブルク発 「赤い矢」号2等寝台車にてモスクワへ
 7月24日(火) 朝、モスクワ着 夕刻、モスクワ発、北京へ
 7月25日(水) 朝、北京着 到着後ホテルへ
 7月26日(木) 北京発、成田着

この日程をご覧いただいておわかりの通り、北京からモスクワまではずっと乗りっぱなし。
途中、イルクーツクあたりで1泊する人が多いようだが、それよりはモスクワに向かってしまいたい。
また、列車の等級には1等、2等、3等とあるのだが、私は1等車でモスクワに向かうことにした。
等級について簡単に説明すると、3等はコンパートメントではない開放寝台である。これは却下。
プライバシー重視の私にはコンパートメントである1等か2等以外には考えられない。
その1等、2等であるが、1等は2人部屋、2等は4人部屋のコンパートメント。1人部屋は無い。
つまり、1等でも2等でも見知らぬ人間と同じ部屋で過ごすことになる可能性はあるのである。
「ふれあい」を求める人は気にしないのだろうが、人見知りの私にはそういうのはどうも苦手である。
悩んだ挙句、私はコンパートメントを独占できる確率がより高いと思われる1等車を選択した…。

今回のルート
赤い線が今回のルート

こうして、ロシア取材の日程を確定させた私は、日本‐北京間の往復航空券をマイルを使って交換。
どうせ交換するのだから、行きはビジネスクラスにしてみた(帰りはエコノミーでしたが…)。
今回、サクララウンジ、ビジネスクラスを利用したというのはそういうことだったのである。
帰りのモスクワから北京までのフライトもアエロフロートの片道航空券を個人で手配。
この航空券は4万円台だった…。モスクワ‐北京間はそんなに安く移動できてしまうのか…。
ちなみに、私が乗ろうとしている北京‐モスクワ間の「ボストーク号」はその3倍以上の運賃であった。
さて、ちょっと長くなったので、今回はここまで。次回も取材準備のお話が中心になると思います…。

七夕の飾り付け
羽田空港で
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コメント 23

みぃにゃん

車中泊何日も厳しいですね。寒いのではないですか?
by みぃにゃん (2012-10-01 00:09) 

viviane

列車の旅を楽しみにしています。
by viviane (2012-10-01 06:49) 

mimimomo

おはようございます^^
何だか涎が出るような旅ですね~ 男にしかも、もう少し遅く生まれればよかったわ(><;
by mimimomo (2012-10-01 08:54) 

carotte

これはスリルのある旅になりそうですね!
by carotte (2012-10-01 09:25) 

まつき

車中泊が続くと大変そうですねぇ・・・(@_@;)
サクララウンジ、魅力的ですw 特に飲み放題が♪♪
by まつき (2012-10-01 09:27) 

PopLife

でも良いっすな―ビール。
ではまた、ありがとうございました。
by PopLife (2012-10-01 11:30) 

桔梗之介

いいですね、シベリア鉄道。
子供の頃は乗ってみたいと思ってましたね。
大滝詠一さんの歌の影響かな・・・ちと古いか。

by 桔梗之介 (2012-10-01 12:07) 

orange

わくわくします^^♬
知人も2人ほどこのルートでヨーロッパ入りした人がいます。
どんな出合いとハプニングが りんこうさん を待っているのでしょうね!?
by orange (2012-10-01 12:29) 

yakko

こんばんは。
壮大な旅ですね〜〜〜\(◎o◎)/! 楽しみです(^。^)
by yakko (2012-10-01 19:01) 

駅員3

これは楽しみな旅になりますね!
私もシベリア鉄道には憧れています。
続きが早く読みたいです♪
by 駅員3 (2012-10-01 19:39) 

サンダーソニア

おぉ 出発はリッチw
旅程はちょっと シビアですね。面白そうです。
by サンダーソニア (2012-10-01 20:04) 

めもてる

シベリア鉄道の旅、楽しみにしております。
by めもてる (2012-10-01 20:34) 

りんこう

みぃにゃんさん、こんばんは!
列車の様子については、追々ご紹介いたします。
今まででいちばん長い旅だったので、いつ連載が終わるか心配ですが…。

viviane さん、こんばんは!
最初の一週間は列車の中。単調な記事にならないか、それもまた心配です…。

mimimomo さん、こんばんは!
鉄道の乗車料金に関してですが、年々高くなっているみたいですよ。
早く予約しないとまた料金が上がる可能性があると言われました。

carotte さん、こんばんは!
自分でもかなり思い切った旅でしたが、ずっと列車の中なので安全ではあります。
まあ、その様子は追々…。

まつきさん、こんばんは!
1週間車中泊。これにはさまざまなドラマが…。それは大袈裟か。
でも、そのためにいろいろ準備をしましたので、それもまたお追々…。

PopLife さん、こんばんは!
今回も呆れるほどビールが登場します。許してくださいね。
どういうわけか、ウォッカは出てこないんですよ。

桔梗之介さん、こんばんは!
わかります。さらばシベリア鉄道ですよね。
7月14日、この旅の出発直前の記事の題名は「A LONG VACATION」。
これは今回の旅の行き先のヒントだったわけですよ。

orange さん、こんばんは!
昨年、僕は北欧を旅してヘルシンキまで行きました。
サンクト=ペテルブルクまで行けばヘルシンキはすぐです。
ヘルシンキまで行けば昨年のルートとつながったのですが…。
さすがに、そこまでは時間も銭も余裕がありません。
本当はずっとヨーロッパの西の果てまで行ってみたいですけれどね。

yakko さん、こんばんは!
たぶん9000キロ以上の鉄道の旅だと思います。
自身が無いので、あとで、ちゃんと距離は確認してみます…。

駅員3さん、こんばんは!
ありがとうございます。なるべくブランクが無いように掲載していこうと思います。
よろしくお願いします!

サンダーソニアさん、こんばんは!
せっかくマイル交換するのなら、やっぱりビジネスクラスですよ。
帰りは空いてなかったのでエコノミーでしたが。くたくたの体にエコノミー…。

めもてるさん、こんばんは!
今回は取材メモもいっぱい取ってありますので、スムーズに掲載できるかと…。
by りんこう (2012-10-01 22:39) 

undo

陸路でのヨーロッパインって憧れます。機上から見下ろす地上はどうなっているのか興味があります。(日本発欧州行きフライトだとロシア号のルートに沿って飛んじゃいますが・・・・)
by undo (2012-10-01 23:51) 

匁

ボストーク号の旅
楽しみにしています。
by (2012-10-02 08:03) 

t-toshi

これは壮大なツアーですね、親戚がロシア好きで、この鉄道で行きました。今、その親戚はロシア美人と結婚して、本県で住んでいます。私も機会があれば挑戦します。
by t-toshi (2012-10-02 11:31) 

りんこう

undo さん、こんばんは!
本当はサンクト=ペテルブルクからヘルシンキに行きたかったのです。
そうすれば、ヨーロッパに行ったという感じが強くなる気がして…。
サンクト=ペテルブルクでも十分ヨーロッパなんですけれどね。

匁さん、こんばんは!
ボストーク号。宇宙船みたいな名前ですが、この名前についてはまた追々…。

t-toshi さん、こんばんは!
ロシアはきれいな人多いですよね…。
以前、ポーランドを訪れた時もきれいな人が多いなあと思いました。
by りんこう (2012-10-02 23:32) 

pandan

羽田からの出発なんですね〜
13日間の旅、楽しみです。
by pandan (2012-10-03 05:47) 

ぴーすけ君

ロシア、ずいぶん昔のイメージとは変わった場所になり
いなか町は、相変わらずのどかで色使いが日本と違って好きです。
by ぴーすけ君 (2012-10-03 11:16) 

ゆう

すごいなぁ。
今度、ご同行したいです。
by ゆう (2012-10-03 19:18) 

りんこう

pandan さん、こんばんは!
羽田はやはり便利ですよね。成田は遠いですからね…。

ぴーすけ君さん、こんばんは!
ぴーすけ君さんはロシアによく行かれるのでしょうか。
いいですね。今回初めてロシアに行きましたが面白かったですね。

ゆうさん、こんばんは!
ありがとうございます!でも、僕の旅は移動してばかりでかなりハードですよ…。
by りんこう (2012-10-03 22:29) 

palette

すごいルート!壮大な旅ですね〜!
珍しい場所ばかり。風景も、食事なんかも、期待しています。
シベリアにはカエルの置物はあるのかしら?
でも、疲れたでしょうねえ。ほんと、ハードそう...
by palette (2012-10-05 10:01) 

りんこう

palette さん、こんにちは!
列車の旅はすることが無いので意外と疲れないんですよ。
むしろ、運動不足になるくらいで…。
でも、今回の旅は終盤がかなり忙しかったですけれどね…。
by りんこう (2012-10-07 12:34) 

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