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ノーベル博物館 [2011バルト海沿岸5ヶ国の旅]

2011年4月29日(金)、現地時間 午前11時30分、ストックホルム ガムラスタン

王宮
王宮

ストックホルム市庁舎を出ると、時刻は午前11時過ぎ。スウェーデン滞在時間は6時間を切った。
残る時間で効率よく取材しなければならないが、ストックホルム中心部の見所は十分徒歩圏内。
もう高い地下鉄の乗車券を買うことも無いであろう。と、私は歩いてガムラスタンへ向かう。
ガムラスタンは昨晩もちらっと訪れたが、やはり今一度じっくり歩いてみたいところなのである。
路に迷うこともない。まずは、重厚なオーラを放っている建物の方に歩いて行く。
その建物は王宮であり、その王宮のすぐ先にガムラスタンの中心に位置する「大広場」がある。

大広場
大広間

大広場は1520年に起きた「ストックホルムの血浴」という物凄い名前のついた事件の舞台である。
当時のデンマーク王がスウェーデン人の貴族たちをこの広場で粛清した事件がそれ。
広場は血で染まり、この物凄い名前が付いて後世に語られているわけだが、全く恐ろしい。
そんな忌まわしき場所であるにもかかわらず、それが今では嘘のようにカフェーが立ち並ぶ。
しかし、私のお目当てはカフェーではなく、この広場に面して建つ、「ノーベル博物館」であった。
かつては証券取引所であったこの建物で、今はノーベル文学賞の選考が行われるという。

ノーベル博物館
ノーベル博物館

それでは、そのノーベル博物館に入場してみましょう。入場料は70スウェーデン・クローナ。
博物館は広くなく、むしろ狭いくらいなので、興味のない人はここはパスして構わないだろうが、
やはり、日本人はけっこうノーベル賞を獲っているし、どんな展示なのかは気になるところである。
広くない館内ではあるが、展示の仕方は洗練されていて、さすが「デザインの国」といったところ。
入場してすぐのところには、まずは昨年のノーベル賞受賞者についての紹介がある。
もちろん、昨年ノーベル化学賞の栄誉に輝いた鈴木さん、根岸さんの名もここにあった。

博物館内①
博物館内① ノーベル賞受賞者の顔写真がケーブルにぶら下がっている 

続いて、1901年の第1回ノーベル賞からの全受賞者を閲覧できるタッチパネルがある。
パネルは1901年からデケイドで分けられ、授賞理由と顔写真を表示させることができる。
私は深い考えもなく、知っている受賞者の名前と顔を画面に出して楽しんだ。
アインシュタイン、キュリー、レントゲン、ファインマン、ネルーダ、デュナン、ベケット、シュバイツァー。
もちろん、湯川さん、朝永さん、川端さんといった日本人受賞者の顔写真を画面に出すこともできる。
やはり日本人の名がこういうところに出てくるのはとてもうれしいことである。

博物館内②
博物館内② 

鈴木さんの展示
昨年化学賞を受賞した鈴木さんに関する展示

さらに、展示は受賞者のゆかりの品の特別展示へと続いて行く。
実験器具や分子模型の展示などがあるが、理系でない私はこういうのはさっぱりわからない。
それじゃあ文学賞の受賞者に関する展示を見てみましょう。と文学賞受賞者の展示を探すと、
1913年、アジアで初のノーベル賞受賞者となったインドの「詩聖」タゴールのノートや、
1986年に受賞したショインカの帽子や昨年受賞したリョサのカバの置物などが展示されていた。
ノートはわかるが、帽子やカバの置物はただの私物なのでは…。ま、ありがたく拝見しましたが。

下村さんの展示
2008年化学賞を受賞した下村さんに関する展示

ショインカの帽子
1986年に文学賞を受賞したショインカさんの帽子

リョサのカバの置物
昨年文学賞を受賞したリョサさんのカバの置物

博物館内にはミュージアム・ショップがあるが、ここで一番人気なのが「ノーベル・チョコレート」。
ノーベル賞のメダルを模したもので10枚入りで100スウェーデン・クローナ(1300円程)とちと高い。
2008年にノーベル物理学賞を受賞した益川さんは、このチョコレートを600枚!買ったのだとか!
ミュージアム・ショップでは他にノーベルの伝記や受賞者の著書、ポストカードなどがある。
ポストカードは受賞者の肖像が用いられたもので、ダライ・ラマのポストカードなどもあったが、
日本人受賞者のポストカードは無かった。日本人観光客目当てにあってもよさそうなんだが…。

博物館内③
博物館内③

また、ここにはカフェーがあり、ノーベル賞の晩餐会と同じアイスクリームを食すこともできる。
ただ、私が訪れた昼の時間帯は満席で、アイスクリームを食すことはしなかった…。
カフェーの椅子にも要注目で、椅子の裏にはノーベル賞受賞者のサインがなされているとのこと。
空いている時間に訪れて、椅子をひっくり返してサインを探すのもまた一興かもしれない。
さて、時刻は午後0時30分を過ぎ、スウェーデン滞在時間は間もなく4時間となろうとしている。
じゃあ、どうしましょうか…。とりあえず、どこかで昼食でもとりましょうか…。

ノーベル・チョコレート
りんこうが受賞した(購入した)ノーベル賞メダル(のチョコレート)…
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mimimomo

こんにちは^^
なかなか面白そうなところですね~ここは入らなかったです。
チョコレート^^ 何だか食べるのが勿体無いですね^^
by mimimomo (2011-06-01 10:31) 

orange

建物のファッサードが素敵ですね。
そんな凄惨な歴史の舞台ではあっても。
チョコレート、本物のメダルのような輝きですね。
益川先生の600枚。驚きですね。
by orange (2011-06-01 12:55) 

桔梗之介

高いチョコレートだけど、
ちょっとは、あやかれそうな、気がする。

by 桔梗之介 (2011-06-01 14:54) 

TaekoLovesParis

私は王宮で衛兵の交代は見たけれど、「ノーベル博物館」は、行かなかったから、興味深く読みました。この方々が、と受賞者の名前リストを見ました。立派な柱の内装ですね。たしかに縁のものが帽子なんて、普通すぎますよね。ショインカさんの受賞作にこの帽子に
ついての記述があったのかしら?
チョコ、一枚130円ね、小さいから、高いですよねー。
by TaekoLovesParis (2011-06-01 19:00) 

馬爺

メダルのしかもノーベル賞のとはコインチョコは良く見かけますがこれは初めて見ましたね。
by 馬爺 (2011-06-01 19:30) 

りんこう

mimimomo さん、こんばんは!
チョコレートは確かに食べるのがもったいない。
実のところ、僕はまだひとつも食べていないのですよ…。

orange さん、こんばんは!
このチョコレートは高いんですが、バラマキ土産としては最適かと。
このノーベル博物館でしか買えないみたいですよ。

桔梗之介さん、こんばんは!
このチョコレートは大人気でして、高くても皆さんこれを買うのですね。
やはり本物は無理だから、せめてチョコレートでということでしょうか。

Taeko さん、こんばんは!
もしかして、この帽子は重要な帽子だったのでしょうか?
おそらく帽子のいわれが解説されていたのだと思いますが、
そこまで解読する語学力が僕には無いのですね…。
チョコレートは僕が買う前に売り場からいったん売りきれました。
スタッフがせっせと後ろの棚から出してきてくれて買うことができました。

馬爺さん、こんばんは!
そういえばコインのチョコというのは定番ですね。
このメダルのチョコレートはノーベル賞の晩餐会でも出るそうですよ。
by りんこう (2011-06-01 22:37) 

pistacci

数年前、国立博物館でのノーベル賞に関連しての企画展で、
「写真①」や「写真③」のような展示があり、受賞者の写真が同じように天井から下がっていたように思います。
なるほど~現地に行ったならば感動する展示だったのですね。
by pistacci (2011-06-02 01:28) 

rtfk

このチョコレートいいですね^^)
行ったことがないので
写真やレポートすごく勉強になります(^w^)
by rtfk (2011-06-02 16:50) 

りんこう

pistacci さん、こんばんは!
あら、そんな展覧会があったのですね。
まさにその、天井から受賞者の顔写真がぶら下がっているそれです。
この顔写真が館内をぐるっと回っているのですよ。

rtfk さん、こんばんは!
ありがとうございます。記憶が薄れないうちに文章にしておきたいです。
まだまだ続くんで、薄れてしまわないか心配なのですが…。
これからもどうぞよろしくお願いします!
by りんこう (2011-06-02 19:54) 

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